富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

〈源氏〉が杜の都に隠れた宝石とは?

辰年二月廿五日。気温摂氏7.5/15.8度。曇のち雨(14.5mm)。台湾の花蓮でM7.7、震度6強の大地震あり。

台湾一周の旅6日目 花蓮から太魯閣 - 富柏村日剩(20040812)

この日から2泊3日このあたりに遊んだ。温泉旅行。もう20年も前とは。普段でも渓谷の道を歩くと岩や大きな石が落ちてくる太魯閣である。この地震でどれほどの崖崩れなどあつたことか。数百人が渓谷の先の宿泊施設等に孤立の由。2018年の夏には台南から台北に戻るのに高雄まで南下して東部幹線で花蓮を経由して台北に戻つてゐた。

台南→高雄→台東→花蓮→台北 - 富柏村日剩(20180705)

温泉旅行の近現代 (582) (歴史文化ライブラリー 582)

高柳友彦『温泉旅行の近現代 』(吉川弘文館)読む。原武史(戦後政治と温泉)、酒井順子(鉄道無常 内田百閒と宮脇順三)に続き、そのテのを読んだわけだがきちんと温泉への旅行の歴史をまとめてゐるが、これが講談社だとか平凡社だつたら編集者がもう少し面白みを加へたいとするところだらう。吉川弘文館らしさ、といへばそれまでだが。時代的には英国で倫敦からブライトンへの日帰り旅行が始まつたやうな、日本でのさういふ時代からのレヂャーがかうした温泉旅行だつたはず。その中でもアタシなどにとつては本来の温泉ではなく昭和30年代からの東京近郊でいへば船橋ヘルスセンターであるとか、少し遠いところでは常磐ハワイアンセンターであるとか、さうしたレヂャー施設が懐かしい。船橋のそれは現地の天然ガス採掘からの努力の成果で「大ローマ風呂」は子どもながらに小汚いし大宴会場でのワケのわからない大人たちの寛ぎぶりに閉口させられた懐かしい記憶。東京近郊なら綱島温泉とか注目すべき場所はある。

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BRUTUS 4月15日号「旅したい、日本の酒場」を読む。この特集でトップが仙台で文化横丁の〈源氏〉とはあばらかべっそん。勿論本当に和める居酒屋であつた。昭和のあの当時でも戦後の、昭和30年代そのまゝの文化横丁で〈源氏〉があつた。それがこの記事で、こんな小粋な子綺麗な店として扱はれてゐた。

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昔は気軽な酒場だつたが築地H君に尋ねると〈源氏〉は人口に膾炙す、で混雑してゐてなか/\入れないのだとか。「隠れた名店」としてあちこち取り扱はれすぎてゐるのだとか。仙台では「いろは横丁」がブームになつて、その次のターゲットが文化横丁なのださう。

ふれあい百店街・壱弐参(いろは)横丁 | 昭和レトロがのこるダテな横丁

仙台で国分町が賑やかすぎて一番町も青葉通りを東北大学の方に渡ると商店街も丸善とかヤマハの仙台店があつて落ち着いてゐて横丁に入れば市場のやうな雑多ななかに安い酒場があるのが快適だつた。直近では、といつてももう10年も前だが2014年の8月に文化横丁のバーSに旧知の仲間と飲んだくれてゐた(仙台 - 富柏村日剩)。