富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-04-12

農暦四月十六日。昨日の高温多湿がうつてかはつて寒空。早晩、北角の寿司加藤に飰す。香港映画祭の季節。今年も数本のみ。1997年の香港映画『香港製造』の上映あり。香港映画が隆盛の時代にフルーツ=チャン(陳果)監督が低予算で香港の若者たちの地味な生活の群像を見事に描いた作品。香港が中国に返還される不安定な時代の背景で何がどうなるのか?といふ不安もあつたが今これが上映されるのは香港の香港らしさ、強烈なアイデンティティとしてこの映画が再評価されてゐること。当時この映画が思想としてであれ「香港独立」といつた意識に結びつくとは誰も思はなかつたはず。晩遅く銅羅湾のバーS。久しぶりだがOさんに邂逅で夜中くだらないこと話して笑ふ。このバーで偶然に会つて蘭桂坊まで夜中誘つて深酒をしたR大学のK君のご家族が来港されたさうでアタシの大好物の播州播磨屋本店の煎餅おかきの大きな詰め合わせいたゞく。

ポピュリズムはポジティブとネガティブの両面を持っています。民衆の訴えを直接表現している点では民主主義の新たな姿だと評価できます。一方で危険な面も否定できません。民主主義は「制度の均衡と権力への制限」があってこそ成立します。権力にはそれに対抗する力が必要です。しかし一部のポピュリストはそれを拒む。「民衆から負託を受けたから法からも議会からも制限されない」などと主張する。このような権威主義に陥る恐れは拭えません。今は戦後に定着した政治的世界が解体され新しい世界が生まれようとしている時期だと考えられます。ポピュリズムはその新しい世界の一つの要素です。フランスの社会学者ギ・エルメ氏は民主主義に代わる新たな政治制度の中心としてポピュリズムとガバナンスを挙げました。ポピュリズムが人々の声を吸い上げる一方で実際の政治はエリート官僚中心のガバナンスが担う。そこにかかわるのは一部の意識の高い人だけで一般市民は無縁です。民衆の代表が政府をつくる時代は終わるのです」