富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2011-03-13

三月十三日(日)快晴。心地よく暖かく今日なんて外を歩いたらさぞや気持ち良いだろう。昨日に引き続き仕事場で針仕事。午後、実家に電話してみると呼び出し音が鳴り母が応答。電気が通じたので一先づ少しでも片付け、と思つたが水道が復旧せぬので雑巾が洗へない、と。トイレも不便。食料品扱ふスーパーなども開いてをり保存食のやうなものは売つてゐるが自衛隊でも非常食料配つたり市役所で飲料水の提供などあり。母はあまりかういふことに動じない人だらう、と思つてはゐたが予想通り。安心する。なんだか女優かベテランのタレントにインタビューでもするやうに話を聞く。この世代の方々は空襲など経験してゐるので、まぁ幼かつたから焼夷弾も落下傘の明かりが降つてくるやうで(母は四谷に住んでゐたので)空襲の間、新宿の病院に避難してゐて、そこから出てくると焼け焦げの焼死体があつたりするのだけど子どもはさういふものをそのまゝ受け入れるのかしら*1。それに比べると今は何か事件や事故があると心理治療だかカウンセラーが、といふけど昔はそんなのなかつたが昔の人が強かつたのか今の人が弱いのか、あるいはもと/\必要もないのか……アタシはMBAなる学問と同じで「それを専門にする人が生まれたゆゑ」だと思ふのだが。で母よりも更に九旬も半ばの大叔父は矍鑠としたもので、さすが大空襲どころか大震災を知る翁は介護型マンションの高層階でも怯へるものなし。忙殺させられるまゝ早朝から夕になり按摩して帰宅。豚肉とレタスの鍋。ネットで民放の地震報道を見れば、

  • 救助されこれから避難所へ行かれる方は(漏電防止のため)ご家庭の電気を消して面倒でもプラグを抜いた方がいいですね」 ▷気仙沼津波被害地の内でテレビ見てるわけないだろう、停電だし。
  • 現地の皆さんはどういうことを一番、求められているのですか? ▷飲料水、食料、情報、燃料、防寒具……小学生でもわかること。
  • (災害場所に)洗濯物が干してあるのが見えますが住民の皆さんはかなりショックだったんでしょうね。

……とか三日目の中継で、ただもう悲惨の垂れ流し状態。こんなことするヒマがあるなら東京電力に突撃レポーターとか社員装って不法侵入で最新情報得るとか、やってほしい。NHK地震報道はついに映像にBGMがつき始めた。そして「東北関東大震災 被害者はいま」ってドキュメンタリーである。お涙頂戴。悲劇フェチ。そんなの1年後にしろ! NHKにせよ民放にせよ記者クラブの拘束、警察とは友好的に、でそれも出来ず。そのなかでビデオニュースドットコム(こちら)で神保氏の地震翌朝の福島相馬の瓦礫のなかでのビデオ取材を見る。ヘリから、と瓦礫のなかで地面の取材の映像の違い。さすがビデオジャーナリストの神保氏の面目。原子力資料情報室の伴氏の解説番組も深い。

http://www.google.co.jp/crisisresponse/japanquake2011.html
富柏村サイト www.fookpaktsuen.com
富柏村写真画像 www.flickr.com/photos/48431806@N00/
にほんブログ村 香港情報

*1:テレビの災害地取材でも三陸のオババが「八年の津波よりそりゃすごかった」と。昭和八年がまるで昨日のやう。