富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦十一月十一日


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聖誕祭や春節、母の日などになると必ず慈愛の施し得られぬ寂しい人群が記事になる。彼らの悲哀は普段からなのだが。日本では「一杯のかけそば」といふ美談があつた。蘋果日報社主・ジミー黎智英釈放につき律政司が早速上訴。律政司の某女は律政司就任以来、蘋果日報にはあれこれ醜聞書かれ私怨もあり。 

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朝遅い朝焼けが美しい。遠くに見える塔(水戸市低区配水塔)が肉眼だともつと大きく見えて、まるでモスクのやうで蘭印マレーを思ひ出す。 

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晋三は本日、衆参両院の議員運営委で供述。謝罪のはずが謝罪に必要なデータももたず言ひ訳に終始。誰もが「晋三のウソ」と思ふが、それ以上の咎めがない。 

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晋三「議員辞職論」自民党内で高まる週刊朝日

 はさうならないよりまだマシ。だが結局のところ辞職→禊ぎ選挙で復活といふ甘い見込み。だが実際にそうならないはずがない。

自民党内では動揺が広がっている。「この週末に世論調査やれば支持率は20%台に突入するんじゃないか。そんな数字になれば、とても政権運営はできない。下落する支持率を止められるのは安倍氏菅首相の対応しかない」最も現実的な対応としてささやかれるのが安倍氏議員辞職だという。「安倍さんが深く反省して議員辞職して1度バッジを外すと言えば支持率低下に歯止めがかかるのではないか」(自民党幹部)

さらにこう続ける。「安倍さんが議員辞職したら補欠選挙となるが自民党は反省すると候補を擁立しなければいい。解散総選挙で再度、安倍氏が出れば確実に勝つ。禊ぎはそれで済む。安倍さんの再々登板の待望論ももう一度盛り上がるはず。安倍さんの議員辞職で支持率低下の歯止めをかけてほしいと考える議員は党内にかなりいますよ」

 それにしても晋三の再々登板なんて悪夢。絶対にそんなことがあつてはいけない。もはやこの国は終はつてゐるのかもしれない。

国債残高990兆円、見えぬ健全化:朝日新聞

借金を重ね続ける日本の財政は破綻しないのか。国の借金である国債の発行残高は1千兆円に迫る。

足元では主要国は軒並み巨額の景気対策で財政を悪化。コロナ対応で2019年に先進国全体のGDP比で3.3%だった財政赤字の割合は2020年に14.4%まで上昇。それでも各国が国債を大量発行し財政赤字を穴埋めできているのは主要国の中央銀行が各国政府が発行する国債などを大量に買い取る金融緩和で金利の上昇を抑え込んでいるため。コロナが収束し各国で金融緩和が縮小に向かえば財政状況の悪い国の国債は通常高い金利を払わないと買ってもらえなくなる。そこで多くの国が中長期的に財政赤字を一定水準に抑える目標を設定。憲法で財政収支の均衡を政府に義務づけているドイツでは国債の発行が厳しく制限されドイツ政府は今年、国債の発行を7年ぶりに決めると同時に20年で返していく計画も提示している。

これに対し日本はあらゆる「歯止め」が失われているのが実情。

日本の財政法も赤字国債の発行を原則禁じているが特例法で発行を認める抜け道が常態化。財務省は今回も今後5年間赤字国債が発行できる特例法案を国会に提出する方針。財政健全化の指標としてきた「基礎的財政収支」を黒字化する目標時期も延期が繰り返されて機能していない。日本はコロナ前から日本銀行が大量の国債を買う「異次元緩和」が当たり前になり金利上昇という歯止めさえなくなって久しい。

日銀が保有する国債国債発行残高の4割以上となり限界を指摘する声も出ている。欧米の複数の格付け会社は今春の2度の巨額補正による財政悪化を受け借金の返済能力の判断指標となる日本国債の格付け見通しを相次いで引き下げ。他国に比べ日本の財政状況は異常なほど悪いが日銀の国債買い入れでリスクが隠されマグマのようにたまっている状態。

完全に破綻してゐる。この国家財政危機を乗り切るだけの政策も経済的展望もなにもない。せめて企業の社蓄を強制提供でもしてもらふしかないだらうが、そんなことは絶対にせぬことが自民党政権存続の担保となつてゐる。

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地味に毎日のやうにSudokuをして有閑の時間を貪る。その分、本でも読めばよいのだが加齢での呆け防止にはSudokuは悪くはないだらう。今日は聖誕節で紐育時報休刊で昨日のものもなかなか容易ではないレベル。
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久が原T君のお薦めで大阪は四天王寺天王寺楽所雅亮会による「都にはぢず」といふ雅楽講演をネットで拝見する。


天王寺楽所は「聖徳太子雅楽の前身であった外来音楽でもって三宝(仏・法・僧)を供養せよと命じて以来四天王寺に置かれたと伝わる雅楽伝承組織」でアタシのやうな素人が聴いてもアタシのほんの少しでも知ってゐる宮中の雅楽とは異なる何とも不思議な音色。大阪も何度も訪れてゐるが天王寺まで行つても四天王寺に参拝すらしてゐなかつた。

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もはや「ゴミ分別ファッショ」の水戸では、これ☝では「プラ製容器包装に紙が付着してます」とかで収集してくれなささう。ちなみにわが集合住宅のゴミ置き場も大量のペットボトルの入った大きなビニール袋に「1本だけ不透明(白色)のペットボトルが混在」と「1本だけラベルを剥がしてゐない」で回収されなかつたゴミ袋がゴミ置き場に放置されてゐる。

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4月からサントリー角瓶ウヰスキーハイボールで飲み続け、いつも業務用のやうな大きなペットボトルのを買つて、それぢゃ味気ないから普通のガラス瓶に入れ替へて飲んでゐるのだが、8か月も使つてゐたら、ついにメタルのフタもガラス瓶口も摩耗でウヰスキーが漏れるほどになつてしまつた。久々に普通の角瓶を買はなければいけない。もともと家飲みが好きだつたが、コロナ禍でほんとうに家飲みがふえた。

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夜の世界と密へのノスタルジー五木寛之先生。感染で本当にかなり違ふ世界になつてしまつた。

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やはり何事も実ハ電通である。

晋三謝罪


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英国留学の香港学生2名が感染で帰省、変種ウヰルスが襲港と大公報。蘋果日報は社主・ジミー黎智英釈放を報じるが律政司は早速、この保釈取消しを最終裁に上訴の由。

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晋三不起訴で悪者とされた秘書だけが略式起訴。晋三が早晩に致し方なく記者会見。聞いてゐて飲んでゐたハイボール噴き出すこと屡々。ヘソで茶を沸かすとはまさにこれ。秘書が、秘書がで自分は何も知らなかつた……で済むはずもないのだが。首相がかういふ責任に最も甘くて何うするのか。そもそもこんな晋三を首相に推し8年余もその席に置いたのは自民党は当然として国民にも責任あり。晋三を重く断罪したからといつて今更なのだが「罪を憎んで人をも憎む」で晋三に罪を負はせなければならない。

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聖誕祭もアタシは異教徒の分際で全く関係もないし新年を祝ふ関心も個人的に欠如してゐるのだが香港で反政府組織として公認された?香港記者協会から活動家ならぬ記者にクリスマスカード届いたので。


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昨年までなら年末この聖誕祭の頃には香港・中環の鏞記酒家で焼蠟を買ひ求め美味しくいたゞいてゐたのだが今年はそれがないのが残念。

彼方より


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(大公報)英国から変異ヰルスの香港伝播が恐れられる。(蘋果日報)昨年10月1日の抗争でパニックになつた警察官に銃撃された青年(保釈中)の刑事裁判始まつたが本人出頭せず。それだけで指名手配となるが不公平な裁判となること明らかで本人は家族も消息不明で安全な場所に匿われてゐるといふ。

「線」の思考―鉄道と宗教と天皇と―

鉄道、宗教と天皇と普通には全く異なるジャンルの話だが原武史先生の手にかゝると、これが見事な三題噺。先に第2章だつたか「二つの「常磐」――「ときわ」と「じょうばん」の近現代」を読む。「常磐」は「ときわ」と読むと水戸にある地名で昭和の急行「ときわ」も懐かしい。これが「じょうばん」だと常陸国磐城国を結ぶ東日本の海岸線、国道6号や常磐自動車道となる。そして「ひたち」も「常陸」と「日立」がある。日立市日立製作所があつて市名を日立にしたと思はれたりするが(愛知県の豊田市のやうに)実際には日立の地名の方が先(原先生もこれに言及してゐるが)。天皇との関はりでは常磐炭鉱への昭和さんの行幸、そして戦後の科学技術の粋としての東海村の原研。 

三島由紀夫は何を遺したか (きずな出版)

この著者・櫻井秀勲氏は光文社で『女性自身』を150万部雑誌とて大成功させた辣腕編集者で『女性自身』のヒットはミッチーブームで皇室報道が女性たちに受け入れられたからで櫻井氏も生粋の右派。若い頃から康成、清張といつた大作家に可愛がられ三島には『女性自身』への連載を依頼してからの付き合ひだが三島担当が各社ともベテラン編集者多いなかで三島よりも年下で、これもかなり親しくつきあふことになつたのだが著者にいはせれば「どうも私と知り合った頃から(三島の)死への第一歩を踏み出したような気がしてならない」さうで三島本ながら著者自らの主張や半生が記述のかなりを占める。

三島由紀夫があと六年我慢したら日本の機運が大きく変わっただけに、その運命も違ったものになったかもしれない。

確かにその通りだらう。それにしても三島のあの死があつてもなくても日本は何も変はらなかつたのは何とも……そして櫻井氏の書く通り日本は三島が憂ふとおりの絶望的状況となつてゐる。

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中井英夫。朝日の突然の記事は東都下谷の寺に中井の分骨がされたといふ。アタシは若いころ『夕映少年』を読んだのが初中井。『虚無への供物』は『ドクラ・マグラ』や『黒死館殺人事件』と並び日本三大奇書といはれるが感受性乏しきアタシにはどれも奇書といふほど不思議な物語とも思へなかつた。むしろ中年以降の新宿と北軽井沢の別荘をパートナーと若い青年たちと往復する日々の日記(流薔園変幻)も楽しく何よりも戦中日記が何度読んでも味わひ深いものあり。

中井英夫戦中日記 彼方より 完全版

晋三を検察が聴取でも不起訴


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香港で「急速に強権化」「国安法施行で奪われた自由」といふ記事(朝日新聞)はまさに文字通り。「三権分立ない」ですべてが行政(つまり党)主導の事実。最終裁がデモでマスク禁じる政府決定を合憲と判断。この禁面法は事実上は防疫で意味をもたないものになつたのだが。

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How China Censored Covid-19 - The New York Times 中共での新型肺炎感染に関するネット規制のすさまじさ。しかも感染制圧でさまざまなことを「なかつたこと」にできる歴史の編纂。まさにオーウェル的世界。

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釜石から三陸の幸が届いた。しかも塩鮭も烏賊の塩辛も自家製ださうな。ありがたい。 

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昨晩はしくじつたので今晩、柚子湯に入る。こんなに温まれるとは……。昨日が冬至で今日からほんの少しずつ日が長くなる。南洋から戻つた身には午後4時半から14時間の闇はつらいものだつた。

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晋三公設第1秘書「配川がぜ~んぶ悪い!」の大嘘 | 長周新聞 じつにわかりやすい晋三地元の反権力新聞の記事。

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水戸京成


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英国での変異ウイルス感染で英国から香港に避難者で香港でも変異ウイルス感染広まる懸念と大公報。変異ウイルスの感染率は7割?蘋果日報の記事は感染で当局の対応悪く自宅待機すること九日で世帯内で家族三人に感染だとか。 

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本日農暦十一月初七。冬至。柚子湯に浸からうと柚子を手に入れたが晩に風呂を沸かし、つい習慣で無印の牛乳成分の入浴粉を入れてしまひ、そこに柚子を入れると柑橘系ミルク飲料のやうになりさうで柚子はやめる。それにしても「柚子湯」と書くと中国語的には「湯」には勿論、熱した水の意もあるのだが何うしてもスープの用法が多く柚子湯では「柚子のスープ」に思へてしまひ、しかも柚子は日本産系で中国語の柚子はザボンである。 

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昼に黒羽根丁の「そば眞」で昼酒。かけ蕎麦で〆る。

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家人は水戸に馴染むべく、けんちん蕎麦

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信州より林檎が届く

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鮟鱇の供酢

水府には茨城で唯一残る百貨店の「水戸京成」がある。京成百貨店は東京で上野にもあつたが、それも閉じてしまひ水戸の京成百貨店は単体で残つてゐる。

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「京成」は東京から成田(新勝寺)を結ぶ参拝列車で東京の「京」と成田の「成」で「京成」なのだが「京」を「ケイ」と読ませるもので「東京」も最初は「トウケイ」だつたが、それが「トウキョウ」になつて「ケイ」は今では「京浜」は「京成」などにしか残つてゐない。閑話休題。それで「京成」なのだが、これを音で聞くとアタシは何うも「傾城」といふ語が浮かんでしまひ「水戸京成」は「水戸傾城」で何だか吉原の大店のお女郎のやう。郷里の畏友J君曰く吉原の三代目高尾太夫は水戸の御用達商人水谷六兵衛に身請けされたので「水戸傾城」は高尾局か、さすがにそれはない、と。久が原T君曰く「傾城水戸」だともっと据わりが良い……さうすると茨城の地名では傾城鹿島、傾城笠間、傾城高萩、傾城日立、傾城筑波、傾城石岡、傾城美浦、傾城桜川……みな大見世の御職株に見える、と。御意。

農暦十一月初六


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(大公報)陽性の叔父さんが伊院(Queen Elizabeth Hospital)の隔離施設から逃げてしまつて全城通緝(広域指名手配)なのださう。(蘋果日報)Zoomで開催予定の天安門事件に関する香港の抗争会議の通信を邪魔したとしてZoom社で親北京?の中国系職員をFBIが指名手配の由。世の中さまざまなことがテレビ三面記事のやうに起きる。

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水戸の駅前で日蓮宗の布教活動がだいぶ盛んなのだが熱心な信者さんらの主張を聞くと布教といふより創価学会批判が強く日蓮宗で何が?と思へば冨士大石寺顕正会の社中。南無妙法蓮華経日蓮さんも賑やかな宗門で日蓮宗があつて日蓮正宗があつて、その信徒団体に創価学会や、この冨士大石寺顕正会があつて学会や顕正会の規模はその宗家を凌駕する。先日、顕正新聞をいたゞいたので一読すると兎に角、元学会員で学会を辞めて顕正会に入りどれだけ安堵したか、の声多数。それもそれかもしれないし巨大な創価学会あつて顕正会の位置は五五体制でかつての自民党社会党のやうだが社会党の失敗を反省材料とすれば反学会よりももつとピュアに日蓮さんの教への原理主義で信者さん増やすのはあかんのやろか。

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水府で茨城基督教大学教授・志賀市子先生の講演〈疫病と中国の宗教文化 - 19世紀のペスト流行を中心に〉拝聴。志賀先生は今から30年近く前に香港暴大がまだ長閑な時代に院宿で不味い食堂の同じ釜の飯を喰つた同志。19世紀のペスト感染流行のときと世の中は全く変はつてゐないどころか当時の『救刧経』が嘆くのは聖書のバベルの塔の時と同じわけで人間の往来の過多、エゴや欲、煩悩に神の鉄鎚がこれ。刧である。談志師匠もそんな話をしてゐたな。

ペストの流行が中国全土に及び、その恐怖が階層や地域を超へて共有され「大刧が我々の中華を侵襲してゐる」といふ共通の危機意識が醸成された。

これが「わが中華」といふ大中華のアイデンティティ形成になつたといふ。当時の民間宗教が非科学的かといふと「神鉗で瘟鼠(おんそ)を拿捕」「瘟鼠退治に猫を飼ふ」や「水源を清潔に」など実に合理的な観音。ところで台湾での感染制御の見事さ。これもプラグマティックな現状処理なのだが、もしかすると台湾社会の道教など民間宗教の温床があつてのことかもしれない。防疫はまさに「善行」であつて、その善行を一人ではなく集団で行ふことが大事で、その徳の勧進で善行が社会に広まる。老若男女頻繁に近くの、遠くの廟に参拝し熱心にあれこれ祈願する台湾社会である。その下地あつてのマスク供給の安定であり感染者数百人で抑へられた大吉であらう。さらにところでこの世に人間への仕打ちとしてペストを流行らせた五皇大帝をしてこの世に關聖帝君(關羽)が遣はされたのは旧暦の三月五日なのだといふ。これが来年なら新暦の4月16日なわけで、そこまで待てば何か少しでも吉兆があるのかしら。

このところ三島だらけ。由紀夫さんの死後半百ぢゃそれも当然か。アタシもつい由紀夫さん関連のものを読んでゐる。今日ちらりと頁を捲つたのは芸術新潮。さすがに新潮社で芸術新潮だからビジュアルも面白く拝見。

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そのなかで由紀夫さんに可愛がられた高橋睦郎が興味深いことを書いてゐる。自衛隊の市ヶ谷大本営での一世一代の晴れ舞台で森田必勝を道連れにしたのはよくなかつたと睦郎さん。

森田の方が三島の背中を押したのだと言う人もいますが、そうなることを含めて三島の台本通りだったのだと思います。呪われた詩人はやはり独りで死ぬべきで、森田を巻き込んだために不純になってしまった。

由紀夫さんがゐて必勝君に対する睦郎のまるで嫉妬のやうなこの言葉。さらに睦郎によれば睦郎が最近しりあつた霊能者によれば、あの世で森田の霊は三島からかなり遠いところにゐるのだといふ。もはやかなりの好事家の世界で着いてゆけぬ人の方が圧倒的に多からう。だが三島の嘆いた日本の亡国の具合は見事にその通りになつてゐるのは確かかもしれない。

農暦十一月初五


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香港の感染拡大で1日の感染者が100名超えださう。東京圏の人口が香港の2倍だとすると東京に比べ香港の感染は抑へられてゐるやうに思へるが中華圏ではすでに感染はほゞゼロに近くまで減つてをり香港のこれは深刻な事態。蘋果日報が伝へるのは年少の少女誑かした警官による性犯罪。 

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郵便を小まめに出すので切手は入用なのだが、この春から郵便局で記念切手出てゐるとつい/\買つてゐたが最近のシールの切手は詰まらないしデザインも安っぽいものが多く郵便局で1枚5円の手数料で30数枚を交換としてレターパックにしてもらふ。

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箱入りのティッシュペーパーが勿体ないと思ふ。2枚重ねを半分にして、それでも勿体ない。ふと昭和の「ちり紙」をさがしたら流せるチリ紙 1000枚×12パック入  といふのがあつてとにかく安い。包装開けると今の住宅は冬は暖房で随分と乾燥してゐるからちり紙は直ぐに丸まつてしまふ。ある程度の枚数をまとめて丸まる向きと反対に折つて懐にしまひたいが和服ぢゃなかつた。流せるちり紙で水溶性は環境に優しいだらうが鼻をかんだら鼻水ですぐに溶けてしまふ。数枚重ねるのは勿体ない。鼻水で指が汚れないやうに。

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お昼に旧県庁近くのアオバヾといふヴェトナム料理屋に飰す。餅米焼酎のネップモイあつたので昼酒。これを飲んでも午後眠りに落ちるもともないのは酒に強いのか酒を飲んでも勿体ないのか読書して過ごす。今朝もだいぶ冷えたが北陸から東北は豪雪。地球温暖化でなぜ?と思つてゐたら海水温上昇で海からの水蒸気増え大雪になるのだといふ。

取手二高→常総学院の木内監督逝去。この番組を録画で見る。昭和59年の夏の甲子園で清原&桑田擁するPL学園を破つた取手二高(出場6回目場)の初優勝。九回裏で同点とされての十回表での天晴れ。茨城勢でも初の優勝で翌年がつくば万博であるから茨城にとつては最も盛り上がつてゐた時代だらう。

「死者2000万人超は人類史上最大」いまの中国にも残る"太平天国"という未解決問題 - プレジデントオンライン 

後世の人々は太平天国が失敗した原因を内部分裂に求めた。そして「中国は常に強大な権力によって統一されていなければならない。少しでも権力を分散させれば破滅をもたらす」という、中国の歴史においてくり返し唱えられてきた教訓を読み取ろうとした。

(略)急速に大国化へ向かう現在の中国を見るとき、太平天国に現れた中国社会の問題点は、なお未解決のまま残っていることがわかる。自分と異なる他者を排斥してしまう不寛容さと、権力を分割してその暴走を抑える安定的な制度の欠如は、中国国内だけでなく、台湾や香港、少数民族をはじめとする周辺地域に深刻な影響を与えている。

あるいは「それが今も昔も変わらない中国の姿なのだ」と醒めた見方をすることも可能だろう。もはや中国に「民主化」を期待できないのであれば、外圧で抑え込む以外に方法はないと考えるのもやむを得ないことかもしれない。

だがそれは中国が多様な相手の存在を認め、権力の一極集中を是正することにはつながらないだろう。西欧世界や日本にとって普遍的な価値も、中国にとっては近代社会の「排除」の論理がもたらした「屈辱」の歴史を想起させるものであり、今なお中国が引きずる被害者としてのトラウマから解き放ってくれるものではないからだ。

「中華の復興」を掲げて強国化の道をつき進む中国に、我々は粘り強く冷静に向き合うしかない。そのために中国社会がもっていた異なる可能性を発見し、検証していくことが求められていると言えよう。