富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

泉州のむらしぐれ


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9月6日投票の香港立法会選挙(9月6日)の候補者受付始まる(18日)。先日の民主派による「違法の」予備選が61万人参加と好調だつたことに党政府と香港市役所も緊張。民主派は直接選挙枠(35議席)で23議席以上、職能枠(同)で12議席以上の獲得目標に掲げ合計で35議席で全70議席過半数狙ふとしてをり有権者登録が過去最高の447万人も気がかりなところ。政府寄りからは感染対策理由に選挙の1年延期求める声も出てゐるといふ(朝日)。そんなばかな。いずれにせよ国安法制定でデモも命がけとなり今は選挙での意思表示が最後の手段。 

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Y氏からいたゞいた泉州は佐野、むら新のむらしぐれ。上品な甘味でアタシの好物。

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マグロの赤みをズケにしてご飯で食べるのが一番旨い。

NHK教育テレビ〈にっぽんの芸能で〉能「土蜘蛛」を取り上げ映像は2010年に半百で急逝した関根祥人の名演。これを畏友・村上湛君が解説。湛君は声とと解説の歯切れよく、わかりやすいが、この物語で天皇を中心に据ゑた政治装置が何うあるかまで言及は見事。

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今日の天声人語はひどいと信頼する方から教へられ読んでみたが確かに悪筆。ふざけてゐる場合ではない。

牛久のうなぎ

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香港のランタオ島で香港鼠楽園沖埋め立てる開発計画が立法会で反対少なからず挫折のまゝ今期閉会で、この計画も頓挫するなか中共は香港に近い中国領の桂山島開発を計画なんだとか。土地の狭いマカオでは隣接する珠江市の横琴開発で規則上はマカオ特区外なのだがマカオ大学の一部移転など進め事実上のマカオ圏として機能させた実績あり桂山島もそれに倣へば、とする。中国領で香港特区外なので、この開発に立法会は反対も何もできないわけで今回もまた一国両制など飛び越へた中国の行政手腕発揮である。


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昨晩の深酒で睡眠不足のまゝ目覚めると昨日、香港の家人から誕生カードが届いてゐたことに気づく。香港の11箇所の郵便局にある風景印を(香港空港は禍下除き)次から次へと漫遊で集めてくれが、それも今回が最後で〆は郵政総局。

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宿酔ひもしてはゐないが午前中は使ひものにならず小雨のなかぼんやりとクリーニング屋へ。小川を橋上から覗きこんでゐるご婦人がゐて、つられて見てみると鴨の親子。何とも微笑ましい。


母が鮭を焼いてくれ軽く昼ごはん食べて風呂に長くつかる。駅のスタバで熱珈琲飲んで、やつと日常の身体に。明日が土用の入りださうで今日から鰻屋は賑やかになるところ水府も鰻は有名で那珂川涸沼とあるが今日は牛久まで遠出で常磐線で行かうかと思つてゐたがお誘ひした方が自動車を出してくれるといふので小雨のなか常磐道経由で牛久へ。時間調整で土浦北で高速を降りて6号バイパスで土浦市街を避け荒川沖から牛久へ入る。

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牛久沼湖畔にも何軒か鰻屋あるが今日の「やす川」は牛久市街。午後5時が夜の開店で開店前に鰻を焼く煙がずいぶんと外に流れ、これは持ち帰りの注文用の蒲焼きだとあとでわかる。 

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うなぎは好物だがタレが多すぎて閉口すること少なからず。この「やす川」のうなぎはタレも少なく柔らかいうなぎの風味がとてもよくて満足。これ(写真)が「上」で3,500円也。

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それからつくば研究学園都市へ。評判のケーキ屋さんは昼過ぎには売り切れのご繁盛だが予めケーキをとつてをいてもらひ店を閉めた後の夜の仕込み時間にお伺ひしてケーキを受け取り水戸に戻る。 


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農暦五月廿七日


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香港での感染再発の東京(に限らぬが)同様に深刻。米国は対中制裁で香港圧政に関与する高官らを林鄭市長筆頭に制裁対象として米国にある資産凍結や入境制限に。

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紐育時報のスドクはさすがに不容易。何時間かかければできるだらうが昼飯時の時間限定では歯も立たず。 

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遠路遥々Y先輩水府に来られ馴染みの酒場で旧交温める。その後、近くのバーに移り深酒一頻り。

国道349号線


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外国勢力=米国が香港の反政府運動支援と批判する大公報。蘋果日報が伝へるのは

(香港)外国企業に不安 金融に「踏み絵」迫る米国の制裁、:朝日新聞

これに抗ふるかのやうに中共は香港の経済テコ入れに余念がない。香港で唯一、反中姿勢貫く蘋果日報iPad appのサービス中止。さてまた圧力か?といへばさうではなくiPadの専用アプリでは広告収入は蘋果日報が独自に入れた広告だけになるが網上のHPからだとブラウザ側が勝手に入れる広告が頻繁で、こちらのほうが収益につながるといつた判断でもあるのでは?と思ふ。紙媒体の新聞の販売部数減少に加へ蘋果日報中共に忖度する企業が広告掲載控え経営的にはかなり厳しいところで藁にも縋るか、だらう。

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一昨日の日乗に国道349号線のことを書いたが国道の起点を水戸市街の大通り(国道50号)で南町3丁目の交差点(みずほ銀行水戸支店角、下の写真地図のB地点)としたのは誤り。正確には2ブロック北の大町3丁目と五軒町1丁目3番地角の交差点。そこで国道起点の標識を探してみたが見つからず。さらに、この道路の地下を走る「梅香トンネル」も国道349号線では?といふ情報もあり。梅香トンネルは、水戸の那珂川と桜川(千波湖)に挟まれた東西に延びる台地に形成された上市(うわいち)と呼ばれる市中心部あり、その自動車渋滞緩和のため台地の下を南北に潜る自動車専用の隧道。そこでさっそく実地検分。

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千波湖側から梅香トンネルの入り口手前に常陸太田方面で国道349号線とあり。 もはやかうなると「誰かこれを解決してくれるお人は?」と思ふわけでググってみたところ国道走破を目指すお人の詳細な分析あり。

これによれば地上の大町3丁目と五軒町1丁目3番地角の交差点(下図のA地点)が起点なのは正しいのだが、そこは国道118号線(青線)でもあり、かうした国道や県道の重複はあちこちでかなりある。国道349号線(黄線)は上述の通り梅香トンネルを敷いたことで、地上の本線に対して地下に新線(黄点線)が走ることとなり本線の真下を通る新線はA地点の直下のところが同じく起点になるはずだが国交省の規定では橋やトンネルなど道路上の建造物の一点が国道などの起点になる場合、その構造物全体を起点と見なすため梅香トンネルを出てトンネルへの分岐点となる地点Cまでが国道349号線といふ認識。

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そこでアタシが本日、実地検分したやうに、その梅香トンネルのところから国道349号線の標識があることになる。いずれにせよ国道起点の標識は見当たらず。

蔡英文


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日本では「所謂夜の店」ばかり注目されるが香港では再び感染拡大で飲食店の夜間の営業禁止(自粛要請に非ず)。春の感染拡大時には香港でも「所謂夜の店」には営業自粛求められたが一般の飲食店は営業続けてゐたのに今回は徹底。絶対に抜けがけ営業あらうかと思つたが香港の知己からの話では街場で路地の飲食店まで(禁煙条例すら守らぬのに)今晩はシャッター降ろしてゐるといふ。
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蘋果日報の〈疫情最新資訊〉を久々に見ることになつた。

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蘋果日報で尊子の4コマ漫画は米中対立でトランプに劣勢の習近平が「すぐに香港国安部に報復させろ」と通告。それで鳥籠のなかの鳩(香港の民主派)が中連弁主任にピストルで撃たれるといふ話。

蔡英文自伝:台湾初の女性総統が歩んだ道

蔡英文自伝:台湾初の女性総統が歩んだ道

  • 作者:蔡英文
  • 発売日: 2017/02/03
  • メディア: 単行本
 

この本は2012年の中華民国総統選挙に向けで選挙前のキャンペーン本だから内容はあまり期待もしなかつたが読んでなるほどと納得する点少なからず。台湾大学から米国コーネル大学修士、英国のLSEで博士号といふ才媛。コーネル大学での修士課程で米英法学ぶなか勉学も厳しいが「台湾生活では生まれなかった一種の意志力」のやうなものを自分自身に感じたといふ。

それは「生存のため」のプレッシャーが生み出した意志力なのだと。

これがその後、台湾総統として台湾が生存する意志力となるのだが当時は本人もそんなことは夢にも思つてゐない。法学を学者の立場で研鑽してきた彼女はコーネル大学で商業弁護士となるための実務運用能力も身につける。倫敦のLSEでは国際経済、当時はグローバリゼーションが注目されるなかで経済変化での富の分配に関心抱き貿易不均衡の拡大のなか国内市場のセーフガードについての論文で博士号を得る。台湾に戻り28歳で国立政治大学東呉大学の法学教授に就任。国民党の李登輝政権下で行政院経済部の主席法律顧問となり、そして政務官として徐々に行政の中心で政策立案に参画するやうになる。

政務官は、専門性を持つ官僚組織と選挙で選ばれた政治団体との間に立つものだ。専門的な側面においては、官僚組織が特定の政策についての良し悪しを判断する。政治的な側面においては、選挙で選ばれた政治家の利益と、その人が代表する利益の中でバランスをいかに取るのかといったことも考慮する。一人の政務官はこの政治と専門の二つの側面に関して調和を取ることが求められる。

この才媛を「台湾のために」行政院に引き入れた李登輝先生の才覚だが蔡英文李登輝にどれだけ感化されたかは明らか(だが、この本は対国民党で総統選立候補時のものなので李登輝についてはほとんど触れられてゐない)。それにしても、この政務官の立場についての認識は大したもの。日本で見れば竹中平蔵の、あの為体。そして今の日本の行政は内閣府の参与まで含めすべてが晋三に隷属してゐる。閑話休題2000年に民進党で阿扁が総統となり行政院大陸委の主任委員に就任し民進党に加わり立法委員(国会議員)に。阿扁2期目には行政院副院長(副首相)。次期総統は国民党で馬英九となり民進党は下野、そこで党主席に。阿扁の政治資金疑惑と逮捕、馬英九人気で民進党支持が低迷するなか地道に支持回復に努め蔡英文自身も2010年の統一地方選挙新北市市長選に出馬するが朱立倫(国民党)に惜敗。……といふところまで。結局は民進党入りするが政権交代のなか国民党の李登輝政権から台湾行政の形(constitution)をtransformできたことが(正確には阿扁政権で、ではなく自らの政権でなのだが)蔡英文の強みと見た。

民主的な社会では、抗議を行なうことは当たり前の行為だ。しかし、自発的に行われる活動の中で、抗議に参加する大多数の人々は皆、非暴力的な方法を取っている。政府はデモに参加するこれらの人々の安全を全力で守り、彼らの意見に耳を傾ける責任がある。彼らを敵とみなしてはいけないのだ。

もし、政府の行動が民衆の怒りに火をつけなければ、もし警察が粗暴な行為で抗議する民衆に対抗しなければ、もし総統が自ら主権を傷つけ、自国の体面と尊厳を自粛し対岸からの使者をもてなすようなことがなければ、街頭での衝突はすべて避けることができるのだ。

この言葉は馬英九政権が大陸と関係改善に向かふなかで、それに抗議する自立派の抗議活動が取り締まられるときのもの。この発想はまるで昨年からの香港に向けられてゐるやうにすら読める。

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蔡英文自伝から台湾の政治状況を鑑みるにつけ日本のそれの為体に呆れるばかり。晋三がすべてを民主党政権の「悪夢」で済ませることができるのだから。そのへんのサラリーマンまで酔つて相変はらず日教組が教育をダメにして民主党の悪口ですべてを済ませてしまつてゐる。

居酒屋長兵衛


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香港で感染収まりきらず感染者増に改めて公共機関や学校の休業措置、夜間の外食制限やマスク着用強制の措置。防疫が何らかの政治的意図に利用されてゐる気がしてならず。(香港)民主派予備選「違法の疑い」 と中連弁:朝日新聞 立法会選挙は国安法制定が民主派に余計票を集めるとなることは中央にとつてシャクなわけで民主派の予備選実施も忌々しく、それを詰るには「外国勢力の関与」くらゐしかイチャモンもつけられぬのだらう。だが中央のさうした発言が余計に反感買ふわけで中共は何うしても、さうした「民意」に鈍感。もつと寛容さ見せることで市民の理解を得ることが得策で、ぜひさうあつてもらひたい(と、これは政権安定への提案で反政府的言動ではありません、念のため)。


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水戸から常陸太田に向かふ大田街道沿ひ、額田に「おおがね」といふ菓子舗あり。百年老店でアタシが幼い頃は「酒まんぢゅう」だつたが半世紀近く前から売り出したニッキ(肉桂)味の「つぼ焼」といふ菓子が評判。昔からの原味に今は紫芋風味と人参風味があるさうで、それをいたゞいたが人参嫌ひなので紫芋味を賞味。「紫妹」とか「人参妹」だなんて九龍砵蘭街の黄色看板で「日本妹」「露妹」連想してしまふが「妹」なのは原味と3つ合わせて三姉妹といふことらしい。ところで、この太田街道は佐竹氏城下の常陸太田と水戸を結ぶ旧街道で現在は国道349号なのだが起点は水戸市旧市街中央で国道50号線との南町3丁目交差点、みずほ銀行水戸支店の角で、さて終点はどこ?となるとフツーには常陸太田の馬場(かつての水戸からの路線バス終点)や県北の久慈郡で旧・里見村など想像するところで、福島に入り矢祭山で国道118号(水戸~須賀川)に合流くらゐならまだ想像できなくないが、なんとこれが宮城県柴田町国道4号線に合流。「国道349号の終点は?」という設問で正解は「仙台」がOKとなるくらゐ。

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茨城の旧里見村から明神峠越へ福島に入ると矢祭町で、そこから浜街道中通りの中間の農村地帯を抜け、二本松から朝ドラ「エール」の川俣を経て阿武隈渓谷から宮城へ。まさか、こんな270kmもある広域国道とは思ひもせず。東日本大震災浜通り津波と核禍で不能となり東北自動車道も被害あるなか災害救助として機能したといふ。


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雨降りさうで降らず旧市街漫ろ歩き居酒屋長兵衛を通る。疫下休業からいつの間にか再開してをり実に何十年ぶりかで暖簾を潜ると午後5時の開店から半時間ほどだがカウンターは酔客でほぼ満席と賑やか。吉田類先生の居酒屋放浪記でも紹介あり(こちら )。女将さんも矍鑠とされて話を聞けば、ここで48年になるといふ。

 長梅雨や 酒は剣菱 宵のくち

ちなみに卓上の一味は信州善光寺八幡屋礒五郎だが「角藤」と銘あり角藤なんて艶っぽく置屋のやうと思ったら長野に鉄鋼会社あり(こちら)と長野H氏より知らされる。

MOTHER


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9月の香港立法会選挙に向けた民主派候補者絞り込む予備選。香港市役所が国安法抵触する可能性ありと警告するなか票者数は主催者目標(17万人)の3倍を超える約61万人で「国安法に対する反発を示した形となった」(朝日新聞)。この予備選は立法会選で民主派候補者乱立で共倒れする事態を回避するのが目的……普選すら実現してゐないのに日本でも図らぬ、この戦術は大したもの。悪条件だからこそ議席確保への強い意志か。投票者数61万人は民主派圧勝した昨年の区議選での獲得票の約3分の1で有権者全体では14%。民主派は目標を達成したことで立法会選で過半数獲得を目指すといふ。
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香港で11種類発行される特定の郵便局の風景印。家人が5月中旬に投函した九龍城郵便局からの葉書がなんと2ヶ月近い日数かけ今日届く。最近の郵便は比較的通常の日数で配達されてをり疫下香港郵政が最も滞つた時期の郵便物が保留されてゐたのかもしれない。

長澤まさみ主演の映画 “MOTHER” を見たいと思つたら水戸は「市内」では旧・内原町にある イオンモール水戸内原 内か旧・勝田市(現・ひたちなか市)にあるジョイフル本田いずれかの東宝にしか掛かつてゐない。かつては映画館も随分とあつた旧市街に映画館は僅か。夕方の高校生の帰宅で混み合ふ常磐線で内原へ。水戸駅から路線バスもあるが旧市街から国道50号走るバスでは50分だか要するところ鉄道だと水戸から赤塚の次が内原で11分。小雨のなか線路沿ひに歩くと田畑の中に巨大なイオンモールがそびへる。2005年に開業の岡田屋(イオン)でも北関東有数の巨大店で商業施設面積は80千平米(東京ドーム1.7個分)延床面積178平米(同3.8個分)。いつも常磐線で沿線に眺めてはゐたが訪れたのは初めて。疫下営業再開で「こんな郊外に」と思ふが商業エリアは21時までの全店営業で岡田屋本体は22時まで。休日ともなると駐車場に溢れるほどの集客だとか。かつては旧市街のデパートがさうだつたが人は郊外へ。周囲にもケーズデンキ、コナカや青山、しまむらツルハドラッグなどの大型店あり。かなり田舎にあるが商圏人口が41万人なんだとか。その施設内の東宝の映画館に入ると疫下やはり閑散で、この映画“MOTHER”の客はアタシ含め3人のみ。

完ぺきに人格破綻してゐるのだが近くにゐる男たちを次々と魅了する悪女を巧妙に演じるのが長澤まさみ。男たちのなかでも一番ダメだが腐れ縁となるホスト役を阿部サダヲ。男たちばかりか、この〈母〉にどれだけひどくされても逃げもせず従ふ息子は「こんな環境のなかで」と驚くほど心優しく、学校も行つてゐないのに知的好奇心に溢れる。それを子役も素晴らしいが十代を演じた奥平大兼君が十代の少年にこその美しさを見せたかと思ふと一瞬、醜悪さの陰りも見せ好演。不安定なカメラ。晴れることのない日々。雨の中での不条理。それが一日だけ空が晴れ渡る日は(……って映画の宣伝文のやうな意味深になるが)その日の青空が印象的。


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岡田屋モール内原にあつた文房具売場で沢山ある消しゴムのなかにサクラクレパスのフォームイレイザーが一つあるのを見つけ購入。(昨日この日条に綴つたが)図書館で借りた本にひどい赤鉛筆での線引きがあり、これをそのフォームイレーザーで消してみると、赤線のアトこそ残るがかなり薄くなり驚くばかり。