富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Bob Marley "One Love"

辰年四月十一日。気温摂氏12.4/25.6度。晴。

f:id:fookpaktsuen:20240519051326j:image

朝、お寺の墓地に寄るとミヤギノハギが隣のナンテンの背に届くほど伸びてゐてあばらかべっそん。母に画像を送ると「萩は成長が早いので剪定を勉強してください」とコメントあり。確かに。陋宅バルコニーの網戸を全部外して洗ひ流してアルミサッシのレールの溝をきれいに掃除してゐたら昼近くになる。慌てゝ出しっぱなしだつたアラヂンの灯油ストーブもきれいに掃除して冬眠ならぬ夏眠に。

昼から家人とひたちなか市にある商業施設(ニューポートひたちなか)へ。こちらは常磐自動車道まで渋滞となる国営ひたち海浜公園に隣接なのでネモフィラの季節は過ぎたはずだが用心して少し早めに参り珍しくファミレスのCOCO'Sで昼食。最近このテの店でお運びはロボットで人間が食後のテーブル片付けしてゐる。東宝系の映画館でボブマーリーを主人公にした映画“One Love”を見る(昨日より公開)。

ピーターバラカンもラヂオで、この映画の制作にボブマーリーの遺族も随分と関はつてゐてボブマーレーを些か偉人化してるきらひがあるかも、と言つてゐたが確かに。主演のKingsley Ben-Adirはこのボブの役にあたりボイストレーニングから精進したさうだが実際に見た目よりも声がボブマーリーらしさ。妻のリサ役のLashana Rasheda Lynchが好演。今にして思へばアタシがBob Marleyを初めて聴いたのは昭和54年の春。アルバム“Exodus”のリリース(1977年)からは2年近くが過ぎてBob Marleyにとつては結果的に「後期」。来日公演の前でPRが盛んになつたのかもしれない。水戸の三光社といふ主にクラシックが流れるレコード店で突然このアルバムがかゝり店員が常連客に「最近これが評判らしい」と話してゐてすぐにこれと、前作の“Rastaman Vibration”の2枚のアルバムをLPを買ひ求めたのだつた。そりゃ当時のパンクなど主流の倫敦でもジャズの盛んな巴里でも、このレゲエサウンドはあまりに衝撃的だつたのはよくわかる。家でこれをかけたら冒頭のパーカッションの音に祖母が何が起きた?と慌てゝアタシの部屋に馳せてきたのも懐かしい思ひ出。昭和の終はり頃まで今に比べると日本もずいぶんとマリファナとかに寛容だつた気がする。この映画では倫敦からジャマイカに戻つたボブマーリーが自宅の庭で焚き火のまわりに子どもたちが囲むなか“Redemption Song”を歌ふ場面が最も印象的。

f:id:fookpaktsuen:20240519051014j:image