㊗️甲辰年正月初一。恭囍發財。気温摂氏▲0.2/11/1度。晴。
馴染みの珈琲店臨時休業で珈琲豆調達できず陋宅近くの珈琲店へ。こちらは酸味を良しとするので立ち寄り一杯はあつても豆は普段買はない。用心して豆の配分を見て選んだものは「ポピュラーなブレンド」といふ名称で説明に「コロンビア50%、ブラジル50%のブレンドで一般大衆向き」とあつた。
いっぱん-たいしゅう【一般大衆】〘名〙 特別の地位、権力などを持たない一般の人々。 民衆。(コトバンク)
せめて「一般向け」で良いはずで「大衆」は要らんだらう。
小澤征爾といふ人を最初に意識したのは『ボクの音楽武者修行』で母の本棚にあつたのかしら小学生のときにこれを面白く読んだときだつた。その後、テレビの「オーケストラがやって来た」に小澤征爾がゲスト出演すると山本直純が世界的指揮者に対して先輩風に接して小澤征爾も山本直純をとても立てるのが不思議だつた……あとになつて大衆指揮者の山本直純の天才的偉大さを知つた。
小澤征爾の演奏を初めて意識して聞いたのは中学生のとき。レコード店(フジディスク)でグラムフォンから小澤征爾指揮のボストン交響楽団でベートーヴェンの交響曲LPが出てジャケットには大きく「5」とか「9」がデザインされゐて「6」を買つた。フルトベングラーやカラヤンなど聞いてゐた耳に小澤征爾の田園は本当に踊りたくなるやうなサウンド。その後この人のラヴェルやドビッシー、芭蕾舞音楽の素晴らしさに自分のなかでつながつてゆく。
もう17年も前になるのか家人と香港から戻り新宿駅で母と待ち合はせ松本へ。初めて小澤征爾の指揮を拝みサイトウキネンを聴くことができた。ベルリオーズの幻想交響曲。
そして2012年1月の水戸芸術館での水戸室内管弦楽団での小澤征爾休演。事前に小澤休演が告知されず客を入場させてからの発表に場内騒然でさま/\な落胆。吉田秀和館長の弁明と今思ひ返してもまことに後味の悪い出来事だつた。
水戸での水戸室内(MCO)の演奏会があると水府に滞在する小澤征爾。芸術館入りするとリハの合間にとか近くの蕎麦屋(萬庵)の蕎麦を好み、楽団員と気さくに居酒屋(夢屋)に寄つたり……。水戸芸術館は吉田秀和館長死去のあと館長職を小澤さんが引き継いだが振興財団の森英恵理事長、MCOの名誉顧問だつた小口達夫さん、そして財団副理事長の吉田光男さんが後を追ふやうに亡くなり、そしてこの小澤館長の逝去。先月、江戸京子さんも亡くなられ京子さんのお父様が江戸英雄で、この水戸芸術館の開館に尽力。水戸芸術館にとつても一つの時代が終はつてしまつた。