富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

澀温泉

fookpaktsuen2017-01-26

農暦十二月廿八日。快晴。水戸を朝九時半の特急で母と共に東京驛。新幹線への乗り換へにグランスタのはせがわ酒店で旅のお供のお酒贖ふはずが行き慣れた「はせがわ」が見つからぬ。家人がエスカレータ降りてくると「はせがわで立ち飲みのだからすぐ見つかる」と嗤ふ場所なのだから間違ひない。すると移転のお知らせで丸の内に。これぢゃ新幹線からはかなり遠い。ホームの売店吉野川北陸新幹線E7系カップ贖ひあさま607号に乗車。長い隧道を抜け列車が軽井澤に入らうとするとき降車客の男の子が「下雪了、下雪了」と興奮してゐるので「好玩吧!」と話しかけてゐたら母親は東京ペニンスラホテルの紙袋携へ軽井澤はプリンスか万平か、中国の富裕層。さすがに軽井澤から上田はGlocalMe繋がらず。雪もまだ上田、長野の平地はそれほどでもない。長野に着きH氏の出迎へ受ける。自動車に乗せてもらひ「いむらや」石堂店へ。昨晩遅くH氏とのやりとりで長野でお昼はといはれ「いむらや」でかた焼きそばがいゝと告げたら本当にそれでいゝの?と三度念押しされたほどB級ならぬC級グルメ。長野市民のソウルフード的甘いあんかけの焼きそば。バリバリと焼きそばを潰して酢辛子をかけていたゞく。母は昔懐かしい、と。普段なら驛から歩ける距離だが数日前の大雪で市内も残雪多し。駅ビルの丸山珈琲。珈琲は毎日飲んでゐるが久しぶりに美味しい珈琲を堪能。連日のローカル私鉄の長野電鉄。長電の誇るスノーモンキー号。長野市内出ると雪も深くなり小一時間で湯田中。西洋人の旅客多い渋温泉。宿の迎への自動車で古久屋。下榻。道幅が狭いのは旧草津街道添ひゆゑで向かひは金物屋旅館。こちらのほうが派手で大きいがアタシの好みではない。九つある外湯のうち一の初の湯、二の笹の湯と四の竹の湯に入る。とにかく火傷するほど熱い。湯浴みしても気持ち程度で幸ひなことにニノ湯で豪州人と一緒になつただけで水を入れる。この豪州人曰く水で冷めさせると「オヂサン」に叱られるから、と。旅館に戻り内湯(露店と古代檜風呂)に浸かる。夕餉。鯉料理は苦手だが佐久の鯉の洗ひと煮付けは美味。酒は地元・玉村本店の「縁喜」。内湯は6つあり午後9時迄とそれ以降(翌日まで)で男女入れ替へ。夕食後に入つた露天風呂と福六の湯はさすがに外の寒さに浴衣脱ぐのもつらかつたが露店は幸ひ湯も高温ではなく後者はこの旅館有する6つの源泉から引いた湯が一つの風呂場に並んだ6つの浴槽に満たされ代はるがはる浸つてみると湯といふのはこんなに違ふものかと驚く。一人駸々と湯に身を任せの快楽。晩十時に寝入る。