富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

善光寺町

fookpaktsuen2017-01-27

農暦十二月晦日。晴のち曇。朝六時起床。八時間も寝たことになる。風呂の湯疲れ万歳。朝風呂。朝食のあと母と朝の散歩で外湯九つ巡り御朱印集める。宿の女将と香港から知己の客少なからずと話を聞く。H氏とT氏がH氏の運転で渋温泉まで迎へに来てくれる。こんな標高にゐたのかと驚くほど志賀高原を背に西に黒姫山など遠方の山の絶景。一時間ほど走り信越本線沿ひの牟呂へ。昼は街道沿ひの菊寿司。なぜ山あひの信州で寿司?と思ふが牟呂のこの寿司屋の二代目は江戸前で修行して戻り見事な寿司を握ると食通のH氏に「長野でぜひ寿司を」と勧められての酔狂だが本当に美味いから何とも。長野の町に戻り「ぜひお連れしたい」といはれ善光寺近くの遊歴書房。元々はビニール布工場だつた建物を喫茶店とこの書肆、建築事務所などが再利用。この古書肆はH氏曰く本の地球儀の中にゐるやう、とまさにその通り。数時間ゐても飽きないところ急ぎ岩井克人貨幣論』と文庫で西部邁『大衆への叛逆』2冊贖ふ。今日の止まりは長野駅東口のメルパルク長野。足の便を考へれば鉄道驛直結で善光寺口にしたいが数ヶ月前に予約でも満室。T氏に今日から冬の國體と聞きホテル難も納得。下榻。少し横になるといふ母を客室に残し午後遅くの市街散策。アルプス湯(銭湯)の湯に浸かる。他に客なく実に心地良い。ホテルに還ると最上階の展望風呂が開く時間で今日三度目の風呂。こゝも貸切。晩は三度H氏が今度はタクシーで迎へに来てくれて市内某所のカウンター割烹某。お二方に加へワイン商T女史、消防団T絲、錫等の工芸作家S氏もご一緒。資産家氏の別邸だか改造で実に品良く女将もご立派。炭を炊きまぁメカニカルなお燗器をかけて熱燗をいれる面白さ。笑話尽きず。タクシーで母を宿に送りH氏らと四人で二次会は駅前のOstoria Gattoといふ意太利食堂。もう食べないはずがH氏の夜中のおやつでステーキまで。ワインはGevrey Chambertin Clos des Chezeaux 2012年とBarone Ricasoli Casalferro Toscana 2011年の2本。ワイン一杯なら、とお付き合ひしたが湯疲れもあり途中で不覚にも途中で一瞬落ちる。半夜三更すぎに宿までお送りいたゞき展望風呂の終ひは25時で本日四度目の風呂。この時間、残業といふよか飲んで帰つてきた出張客が風呂に多し。