富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Le Notti di Cabiria

fookpaktsuen2010-05-20

五月二十日(木)或る場所で「いかにもMBA」のマネージャーが経験乏しい職員に接客の要点など語る近くに居合わせ講話聞いてみる。結果でいへば「本来、経験値としてわかる程度の事をその実際の経験に乏しい講師がケーススタディと称し知ったか顔で教える」もの。わざとそのマネージャーに「ちょっと、これ」と客の立場で物を命ずると従業員を顎で酌り「ほら」と。営業の基本はまず笑顔だろうに。早晩に湾仔。酒場トラファルガーで麦酒二杯。大学ノオト(死後か?)買ほうと恒發文具に寄る。湾仔では老舗の文具商。普段あまり選ばないがコクヨのCampus Noteあり「これでいゝか」と手にとると質感明らかに異なり、よく見たらWatabeのGambol Noteで深圳製。明らかにコクヨのCampusの模倣製品。真似るも勝手、劣質な製造も勝手だが真っ当な文具商では「売るなよ」と言いたいし、こんなノートが主力商品ぢゃ困る。Gambolの購入避けて天地図書。地下の中文図書は充実だが階上の英文図書と文具は今いち。コクヨのCampus NoteがあつたがWatabeのGambol Noteもあり値段は三分の一。Z嬢来てLamdale街の「蝦麺店」に辛口の蝦湯麺食す。芸術中心でフェデリコ=フェリーニ監督の『カビリアの夜』(1957年)見る。主演のジュリエッタ=マシーナ、日本なら藤山直美だらう。帰宅して『世界』六月号讀む。
▼昨日の樋口陽一先生の憲法論の續き。護憲とは「絶対に」憲法改正に反対ではなく「今の日本の状況では改憲が危険」といふこと。「より良い憲法をつくるのは必要じゃないか」といふナイーブな改憲論があるが(たとへば日本新党田中康夫)、改憲問題は具体的には生臭い「政治問題」なのだから時と場合を考えるべき。いま「より良い憲法」を持ち出す政治状況かどうか。世論調査で「憲法改正に賛成ですか反対ですか?」といふ設問が通用するの日本だけ。まともな問いは「〜といふ条文を〜と改正するのに賛成か反対か」しかありえないはず。日本の世論調査だと先づ「憲法改正に賛成ですか?」と総論尋ね次に徐ろに「賛成の方におたずねします。ではどの条文を改正すべきですか?」と聞く。おゝかたの「護憲派」だつて実は「第1章は要らない」とか「○○権を書き込むべき」とかいふ意見が大半でゲンミツには改正に100%反対に非ず。「改憲派」対「護憲派」といふ設定自体が「ある特定の局面の、特定の憲法改正に関して以外には」成り立ち得ぬはず。
自民党応援団?の築地H君から、自民党マニフェスト原案(http://bit.ly/cd3lyO)見せられる。イデオロギー右翼に流れ中道右派色希薄。「二大政党の政策は中道に収斂する」といふ欧米の政治常識打ち破るつもりかしら。谷垣君、石破君のカラーはぜんぜん出ず、このまゝでは「立ち上がれ日本」とか群小右派政党とコアな右派層奪ひ合ふくらゐしか出来なさう。「みんなの党」が(他の諸雑派にくらべ際立つて)優れてゐるのは「洗練されたネオリベ政党としての立脚点を頑なに守り極右勢力の流入を断固、拒んでゐる」点。次の参議院選挙で相当の議席をとり、おそらく次回衆院選挙は「第三極」どころか「野党第一党」で結果的に民主党みんなの党が中道に収斂するのか。米国の民主党も英国労働党と同じ道。フランシス=フクヤマぢゃないが「歴史の終わり」?

世界 2010年 06月号 [雑誌]

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