富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-02-10

二月十日(火)恩が仇になる不愉快な一件あり。レベルが低俗週刊誌なみの客観性に乏しきセンセーショナリズムなのが悲しいかぎり。忘れよう。春節のあひだ大いに心和ませてくれた桃の花もさすがに花でも草臥れたり。昨晩が元宵。桃の花も暦を知りにけり。ふとZ嬢が春節の正月十五日が元宵なら、日本は新暦にしておいて太陽暦の一月十五日を「小正月」と、ありやなんてひどい発想かねぇ、と。御意。さう、幼きころ「田舎では正月は十五日遅れで」と聞き、それが伝統的らしいが、なんだか今ひとつ理解できずにゐたが、今となつて思へば陰暦正月十五日の小正月まで太陽暦に置き換へ、田舎ほど形だけの小正月に従順とはまるで頓珍漢なこと。晩にNHKのNW9いつものやうにキャスター田口某に呆れつゝ眺めてをれば「底を知らぬ消費の冷え込み!」で「必要のない物は買はない若者つ!」と、アホか。不景気でとくに若者の賃金が抑制され梲も上がらない状況では、単に当たり前のこと。このチープなるセンセーショナリズムよ。
▼話は旧聞に属すが七日の蘋果日報に「馬英九核心幕僚 中大政治傳播溥儀堂弟:港民主路難走」なる記事あり。台湾の馬英九総統が台北市長時代に副市長に抜擢の腹心、金溥聰は愛新覚羅溥儀の傍系末裔、副市長退任後に現在まで香港中文大学で客員教員の身。記事はこの台湾の政治中枢から身を退き香港に客居の日々、氏の村上春樹的なランニングの日々を紹介は週末に香港マラソン参加、が記事。だが氏は馬英九が対中窓口として香港に遣つたといふ噂もあり未だに政治的キーパーソンといふ説もあり。蘋果日報も敢へてマラソン記事にしたところが巧妙なり。
▼元NHKの米国御用掛、手嶋龍一君が「オバマ演説はケネディを超えた」とジェラルド=カーティス君(コロンビア大学)相手(文藝春秋三月号)。冒頭から手嶋君曰く
カーティスさんと私は、思へば孤立無援の少数派でした。不動の本命候補ヒラリーに挑んだ、無名の候補者オバマに掛け続けたのですから。選挙戦のさなかに「もうダメでせう。早く宗旨替へをなさい」と選挙戦のブログから幾度も忠告されたのです。
と勝てば官軍、穴馬も勝てば、の言ひたい放題。小浜君はイリノイ州選出の上院議員の当時からすでに雄弁で慣らしビル=クリントンが田舎州の知事から大統領選の民主党候補に名乗り上げた時などに比べれば充分の知名度あり。ヒラリーは「不動の」といふほど本命にあらず。民主党の候補者選で小浜君に賭けたことは「孤立無援」とは言ひ過ぎも甚だし。
▼今日の信報、張五常教授の「人民幣滙率的科學觀」より。
佛利民曾經對我說,比較優勢定理是經濟學上最重要的。這定理簡單精彩,經濟學行內沒有一個不認為是真理。定理說,原則上,像美國那樣財富與人材、知識皆雄視天下的國家,遇上國際廉價勞力暴升之際,會賺取巨大的收益。然而,這定理假設的,是沒有最低工資的約束,沒有工會的左右,沒有關稅,當然也沒有什麼保護主義了。這些假設皆明確,這裡要分析的,是比較優勢定理的一個重要但少人注意的假設:該定理是基於一個物品換物品的世界,沒有貨幣,因而沒有今天大吵大鬧的滙率話題。
フリードマン教授の学徒としての五常教授曰く経済理論はあくまで交易だの貨幣だのその事象のみ抽出しての理論の世界。それが現実の世界で政治だの様々なファクター関はつた時に理論じたいの賛否を問ふことの不健全さ。フリードマンもさうして悪者扱ひかしら。

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