富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月十四日(水)晩に宴会あり北角の雪園飯店に上海料理食す。香港の、つまり上海以上に上海料理の本格的な老舗。だがどうも最近は肯定的評価に能わず。魚翅(フカヒレ)のスープも前回、塩辛すぎて今回は予め慎重に、とお願いしたがやはり塩辛く、それは塩辛さに個人差もあろうか、と百歩譲っても上湯のスープがどろっとしており、それだけでいただけず。我が日剰で五年前にかつての利舞台の益新のフカヒレスープ食し「魚翅は雪園にかぎる」と記述もあるが、どうも今では……。龍井蝦仁なども蝦に歯ごたえがなく粒も揃わず一見して新鮮さに欠ける。紹興酒を最初、陳年の五年を注文したがさっと空いたのを見た経理のC氏が余にそっと耳打ちし「皆さんお飲みになるようですが、食事も前菜が終わりますから、お酒は三年物にしてもよろしいかと……」と提案するあたり、ただ芳香の強い値段の高い酒を勧めぬところなど、さすが老舗の格だ、とは思うのだが。雪園では銅鑼湾の店でも一昨年だったかかなり不愉快な思いもあり。ちょっと全体的に評価下げる。
朝日新聞の「ニッポン人脈記」で「安倍政権の空気」というシリーズで自民党憲法改正について。自民党の最終案はみずからがパソコンで書き上げた、という自民党憲法起草委員会事務局次長の舛添要一君が語る。現行憲法が占領軍憲法と言われるが「占領下だったけど、中身はよくできた憲法」と評価。改正案に「国を支える責務」「公益及び公の秩序」など盛り込んだことで改正案は国権回復の面が強調されるが舛添先生に言わせれば、苦心したのは党内の安倍三世に近い稲田朋美山谷えり子といった国権主義、復古主義に凝り固まった「若い青年将校との戦いに苦労した」と。改正案でも9条で自衛軍創設はしても第1項の「戦争放棄」は捨てず、それを舛添は「1項は不戦条約と同じなんです。人類の理想です。1項を変えていつでも戦争ができるみたいにしちゃいけないよ」と。また第24条の「男女平等」でも「どんな生き方をするかは個人の自由。国家が子育ての仕方まで介入してはいかん。憲法は国家権力から身を守るための最後の砦」として男女平等の項に「家庭を守る義務」だの反ジェンダーフリーの主張を加えず。舛添先生にしてみれば自らのスタンスは変わっておらぬのに右翼と言われたのが今では党内左翼、リベラル、と苦笑。

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