富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-02-19

農暦正月廿二日。雨水。週末にゆっくり寝ていればさぞや快適であろうと思いつつ早起きし8時にMTR坑口站に6名で集まり一昨年Trailwalker100km一緒に歩いたI君が帰国のため送別のトレイルで西貢は北潭凹に。我が勘違いでMcLehose Trailの3の鶏公山の登山をば間違って2を歩きませうと告知しておき「えっ……」であったがI君の英断で3を登ることにするが雨は本降り。息も白くなるほど。それでも標高300mほどに登れば雨もやみ雲の絶え間に馬鞍山などの稜線も見事でため息。Cheung Sheung の山中の茶屋に名物の豆腐花を食す。何度も訪れし茶屋で豆腐花もいつもは「凍」ばかりで「熱」食したのは初めて。もちろん「凍」よか格段に美味。昼すぎ西沙路の峠に下る。タクシーで西貢に戻りいつものThe Duke of Yorkにて麦酒一飲。他2名合流し西貢で海鮮料理堪能だが午後に観劇の予定ある我は一行と別れ独り龍記桂林米粉にて美味なる金銭展米粉を食す(展の字は正しくは「月」扁に)。西貢のミニバス乗り場に「ダリに」車輪の歪んだ放置自転車あり。午後3時より尖沙咀の香港文化中心にて台湾の雲門舞集「行草」三部曲の二「行草弐」の舞台開演まで90分。ミニバスで坑口に戻りMTR香港島に戻りタクシーで帰宅し慌ててシャワー浴び着替えて金鐘までタクシー急がせ尖沙咀の会場にZ嬢と滑り込み。「行草弐」は水曜日に感嘆の「行草」に比べ照明や音楽を抑え純粋に舞踏に徹す。余計なものをここまで削ぎ落とすか、の究極なる舞踏。この舞踏団の呼吸の大切さが三階席にまで伝わる。Z嬢とフェリーで中環。彼女はお買い物で余はFCCにてハイボール飲みながら新聞読みと日剰綴るなどしZ嬢来てFCCでそのまま晩飯。復た尖沙咀に戻り午後8時15分より雲門舞集の「行草」三部曲の終章「狂草」の舞台を観る。「行草」から「狂草」であるから文字から期待はかなり破天荒。だが昨年11月に台北国立劇場にて初演のこの「狂草」は予想に反し、ここが林懷民の見事さで、「行草弐」では舞手が「個々に」舞踏が洗練されていたものが「狂草」は十数名の舞手がまるで一つの生命体、有機体の如く舞う見事さ。ここに至ったか、と感嘆。
▼昨日記述に漏れたが香港から中国への長距離列車出ずるHung Hom站の免税店にかつては見たこともなきパイプ煙草各種充実に驚く。紙巻き煙草も紐育の高級紙巻き煙草 Nat Sherman などあり、一服すれば「なにが高級なのか」と納得する銘柄ではあるが中国のバブル、取引先への珍しいご贈答品としてばかり売れるのかも。いずれにしても美味なる煙草好きには一興。
官房長官阿倍二世ライブドア堀江社長について「(事件は)決して規制緩和の結果ではない。やっぱり私は教育の結果なんだろうと思う」と宣う。もちろん言わんとするところは教育基本法の改正。「国を愛する心を書き込んでいただきたい」と。国を愛せばホリエモンも現れず、とはただただ唖然。これが首相になっては小泉三世どころのお話では済まず。それにしても阿倍二世によれば戦後教育が間違っていたからホリエモンの如き輩が現れた、と言うが、なぜ戦後教育が阿倍の嫌うものとなったかと言えば米国による戦後占領政策ゆゑ。なぜ米国が戦後占領政策に当ったかと言えば太平洋戦争での敗戦。太平洋戦争で勝っていればホリエモンも現れず……となれば究極は戦時内閣に大きく関わった阿倍二世の御祖父・キッシーら当時の官僚にも責任あり。つまり岸信介ももっとちゃんとしていればホリエモンも現れず、となるのだから、ホリエモン問題を教育基本法などに短絡的に結びつけるべからず。
シンガポール政府が06年政府予算案に財政黒字を国民にボーナスとして還元と発表。全ての成人に所得に応じSin$200〜800(14〜56千円)支給。国民の45%が最高額のS$800受け取り月収S$1,500で公団住宅に居住の4人家族の場合、低所得者へのボーナス加算や学生補助などで臨時収入はS$3,780という大盤振る舞い。昨年夏に世襲で李Jr.首相選出されてから初の総選挙がこの春予定されていることから(李光耀からの世襲による禅譲でなく「最良なる人材を公正に選出した結果」とシ政府宣うが北朝鮮も同様に世襲制を解釈)選挙対策のばらまき予算は明らか。と以上は朝日新聞の報道(19日)だが、この金銭での票の買収の不正選挙、買収につき18日の信報にはこのシ政府の06年政府予算案の数字も出ており(ここまで報道しないと実態見えぬ)、それによれば財政黒字どころか06年の政府予算はS$28.6億の赤字で、そこにこの国民ボーナス(14億)を含む26億円の国民給付金が含まれ、単年で見れば今年がこの大盤振る舞い分が赤字だが、それじゃ05年に同額かそれ以上の財政黒字あったのかと言えば05年単年の黒字は4.3億にすぎず。明らかに政府による政府与党のための公的資金による不正選挙運動。恐ろしや。但しシ政府の予算案で遺産相続税撤廃は少子化対策や国民資産の海外流出を抑える上で最良の案。