農暦七月晦日

中文大学というのは香港で東大（香港大学）に対する京大、慶応に対する早稲田みたいな存在で一寸、反体制といふか斜に構へて世間を見るやうなところがある。だが自分が1990年から足掛け３年そこに在籍して、これは中文大に限つたことではないが香港の大学生の幼さに驚かされた。学生宿舎ホールの集会室に集まつてテレビ放映された映画〈となりのトトロ〉見て主題歌を合唱してゐるのにはゾッとした。

その中文大学の学生が30年近く経つて、こゝまで政治的になるとは……。彼らはポスト香港返還の世代。彼らを何がそこまで政治的にさせたのか……体制である。

日本に帰省してゐた家人持ち帰つた「瀬戸ジャイアンツ」なる葡萄を頬張る。葡萄は美味いし映画〈ジャイアンツ〉は名作だが何うしても「ジャイアンツ」は巨人軍の所為で嫌ひだ。

昨日の朝日夕刊で長野の遊歴書房が紹介されてゐた。2017年の1月に母と善光寺訪れた際に地元の友人に「きっと、この書店好きでせう」と連れて行つてもらつたのが遊歴書房（富柏村日剩）。岩井克人『貨幣論』と文庫で西部邁『大衆への叛逆』入手してゐる。

夏の末といへば恒例で美智子さま（85）が大后となつて初めて草津の夏の音楽祭でピアノ演奏ご披露。サン＝サーンスの〈白鳥〉でフルートは維納フィルのKarl-Heinz Schütz氏。伴奏なのだがちゃんと主張するところは主張で、これはこの方のまさに皇后としての歩みそのもの。久が原Ｔ君曰く大后のピアノで森下洋子さまが身魂を削る現在の藝境にて〈瀕死の白鳥〉踊つたら嘸やもの凄い舞台となるだらう。御意。それにしても、このテレ東の「華麗なピアノ演奏」といふ陳腐な表現は何うにかならぬか。「優艶」とか「清雅」とか表現が似合ふとＴ君。「華麗」では蕭邦のpolonaiseとか想像してしまふ。

農暦七月廿八日

新聞の一面は大公報が「キャセイパシフィック航空で災難企てるテロ職員」、蘋果日報は「林鄭が緊急法施行か」で、かうした半ば巫山戯た紙面作れる内はまだ安全で平和なのかもしれない。

太古站の排気ダクトが増強されてゐる。これに改善した理由は；
① 実は催涙弾の影響がまだ残つてゐる
② 次の騒動に備へて
③ 単なる取り越し苦労
④ 購入したんで使はないと損

あたりのいずれかか。頭上の監視カメラも壊されないやう頑丈なものに。

銅羅湾のHennessy Rdの此処は横断歩道なく、いち／＼一筋向かふのLockhart Rdまで迂回しないといけなかつたが此処のガードレースを黒蟻社中が抗議活動でバリケード造るのに撤去してしまつたので今は道路横断ができてありがたい。

晩に銅羅湾の韓国料理屋に。日本では食禁のユッケはやはり美味い。韓国人の女将と四方山話。「なんであんなに韓日で争つてゐるのかさっぱりわからない」と女将。「韓国もねぇ」と文政権で内政問題もあり。銅羅湾の場所柄、反送中から、もう計８日、店を臨時休業したといふ。予約はキャンセルで収入０の日でも従業員は出勤扱ひ（自宅待機）で給料払ひ高い家賃も。何もない日でもやはり客足落ちてゐるやうで、それは馴染みのバーでも聞いたが「抗議活動が危険」ではなく何時何処で急に交通が止まり道路占拠でタクシーでも帰れぬかわからないので、らしい。

本日は中環でいずれも数千人規模の抗議活動２つあり。一つは反送中で逮捕された女性の取り調べで警官によるセクハラ、性的暴力ありといふ、それへの抗議集会。もう一つはCXでのパイロットや職員解雇に抗議で中環から金鐘のPacific Place（CXの親会社Swire財閥所有の商場）までデモ。PPの前では警戒にあたる警官が拳銃を地面に落として騒動に。なぜ日本の警官のやうな拳銃は紐付きにしないのかしら。

本日のSCMPにKadoorie財閥のご当主の意見広告掲載あり。香港で100年以上の歴史をもつPalsee系の一大財閥だけあり政治に翻弄されてきたユダヤ人であるから立ち位置も見方もさすがご立派。当然、大公報に掲載する提灯意見広告とは格段の違ひ。「獅子山之下」で香港精神の発揮を、と。

林鄭は警察暴力につき独立調査委員会設けぬのは警察がそれを拒んでゐるからといふ疑ひ強く否定してゐるが25日に林鄭が各界の青年集めたオフレコ座談会での林鄭発言の録音出回り、その中で林鄭が婉曲に政情不安の危機的状況にあり政府にとつて治安に警察力は重要で独立調査委設立は現状では警察の士気低下や政府に対する信頼に影響与へるもので慎重にならざるを得ずと所感。林鄭にとつて、これで警察に距離を置かれては頼れるものは中共だけなのである。

来年の香港マラソンに向け反送中のパロディ広告出回る。

CY梁《803行動》懸紅緝兇

《803行動》なる団体が一連の反送中狼藉につき懸賞金を開示。803懸紅報料網 これの首領は前行政長官のCY梁。載せる大公報も大公報。唯一、感心できるのは黒蟻狼藉の穴かで唯一721の元朗白シャツ愚連隊も懸賞金の対象になつてゐること。だが国旗冒瀆がHK$1mに対して、この対人暴力がHK$40万なのだからやはり重要度は低いらしい。本日は火曜日で行政会議開催前に行政長官の無愛想な記者会見あり林鄭は「用一切法治手段止暴制乱」と強気で緊急状況規例条例の施行も念頭にあり。市民の行動や報道出版、交通から企業活動まで制御。これで軍隊出動させると戒厳令。1922年（中共結党翌年）に制定の条例で67年の反英暴動の際に適用されただけ。いずれにせよ、この時にその条例で逮捕された左翼暴力学生が後に民政事務局局長になつた曽徳成なのだから。　

佐敦の渡船街にある金撈老鴨湯火鍋に飰す。

昨日、羅湖口岸でのスマホチェックのことを書いたが、さすがにこれは不評とわかつたが、それより端末の画像消去だのクラウドの時代に全く無意味で、その非効率さに観念したか、いずれにせよ「査手機」は止めたさうで、その代はりに無作為に香港市民に「公安のビデオ制作に協力」求め「社会の安定、暴力拒否」とか「国家の安定が第一」といつた政府寄りのコメントや国慶七十年祝辞述べさせ、これに協力するとペットボトルの飲料水一本くれるのだとか。これを流すことで具体的にPR効果あると思つてゐるとしたら、それも誤謬。とにかく無駄なことが好きらしい。

建平台先祭亡魂 無大台科網常態 - 林行止 - 信報網站 hkej.com

林行止専欄で前回（8月22日）にflashmob演出から香港での抗議活動にも大台（総指揮）が背後にあるのではないかと書いたことにつき当日、古勒馬子がこれを受けて反論を書いたことにつき林行止が「筆者讀之汗顏，因為據「快閃族」的演出而得出群眾示威活動有「大台」的結論，幼稚膚淺」と自らの思考浅慮と述べ古勒馬の記述を詳しく引用。これについては同日の拙文日剩にそれを書いてゐるので繰り替へさぬが香港で今、最もレベルの高い思想活動がこれであらう。

政治少年

昨日の荃湾での騒乱で12歳の少年が黒蟻団で身柄拘束。

日本では考へられないところだが顔はボカされてゐるとはいへ写真まで報道記事に。９月に中学入学。日本社会党の浅沼委員長暗殺の山口君が17歳だと思ふと余りに若い政治少年。だがシリア等このくらゐの年齢の少年たちがゲリラになつてゐたり。日本は平和は尊いことだが政治など遠い世界のこと。この少年が入学予定した中学の副校長は早速、保護者と連絡取り少年の被拘確認した上で関係機関等に連絡取り少年が無事に中学入学できるやう理解と協力を、と求める。入学受入れの可否等下らぬ心配でなく教育者の了見。

深圳のボーダーではランダムになのか担当官の勘でなのか香港市民にデモ参加の有無尋ねたりスマホ内容チェックあり反送中関連の画像や関連の討論区内容の削除求められたといふ話あり。中には上述と同じ12歳の子どもにもデモ参加の有無尋ね、この少年が良心から「デモ参加あり」と答へたところ（そりゃ家族とデモ参加する幼子も多し）、別室に連行され説教されたといふ。この少年は親に「もう二度と中国には行かない」と呆れて申したとか。深圳への出入りも「入り鉄砲に出女」ぢゃないが箱根の関所のやうに戦々恐々。さういふアタシも今日は深圳に久々に用事あり深圳行き。スマホ云々で面倒厭ひ（半ばお巫山戯で）使ひ古しのiPhone 7を中共用に設へて画像だの一切の内臓データ消して準備。

大公報や人民日報、環球時報のアプリまで入れて、これぢゃ見られたら当局の職員に「こんなつまらない新聞読むとは、こいつ頭おかしいんぢゃないか」と寧ろ怪訝に思はれるか。羅湖から深圳側に入り、いつもの通り真っ直ぐ進むと内地人民と外国人の入境関所あるところに「香港居民」で「あれ？」と思つたら以前は香港居民が階下だつたのに入れ替へ。外国人と内地民は下の階へ。跨境の人数の多さでは香港居民なので、それが真っ直ぐ進めるやうにした、と思へば合理的だが果たして、それだけの理由か。もう15年以上前のことだがアタシと一緒に羅湖で跨境しようとした方の査証で問題ありイミグレで別室に連行されたことあり。それに同行したが、その取調部屋がこのフロアにあり、それから勘ぐると、かつては香港居民の通関は大凡、問題なく外国人と内地民の方にこそ慎重だつたが、それが反送中で香港居民の通関に神経質になり、それを取調施設に近い方にしたのか。勘ぐりすりか。下の階に進むと、ここは遠く見渡しても別室らしい施設もなし。アタシもあっさりと通過。一介の全良な外国人では勧進帳の安宅関にもならぬか。口の悪い友人には「怪しく思はれるのは若者だけ」と笑はれる。地下鉄に乗ると「北京ビキニ」と話題になる非文明的なシャツ捲り上げ腹を出すオヤジに遭遇。猛暑で外ならまだわかるが冷房のきいた地下鉄で、これはもはや夏の習慣か。今世紀中葉までに何が

深圳建设「中国特色社会主义先行示范区」🇨🇳

かと呆れるばかり。深圳に入つてスマホのVPNをONにしたが繋がらず。ネット規制は格段に厳重になつてゐるのか。深圳であつた知己に「香港は随分と荒れてゐるやうで」といはれる。彼らにしてみれば逃亡犯条例などといふあれしきのことで何を騒いでゐるのか、だらう。彼らはもつと深刻な規制の中で生活。それでもある程度の彼らの了見あれば何も問題ない日々。それをわざ／＼事荒立てる、それも内地に比べれば格段に自由な香港で、は理解し難きこと。一理あり。香港のテレビ放送は深圳で普通に見られて、かつてはニュースなど政治的敏感な部分はジャミングもあつたが、それが今では丸っきり見られない由。ドラマ放映してゐても抗議活動激しい時など画面にテロップ流れてゐるのだから。羅湖の街場陋巷を歩いたが、やはりそれそのもので、こゝを二十年で世界に誇る文明都市にするといふのも何だかおかしな話。

創科局強調智慧燈柱和中國天網監控無關 狠批示威破壞燈柱 | 立場報道 | 立場新聞

一昨日の九龍湾での智慧燈柱破損狼藉につき香港市役所の創新及科技局長が「港創科暗黒一天」と非難。これまで政府説明の通り智慧燈柱は市民自由監視するやうなシステムに非ず内臓計器は全て香港のもので上海企業との関連は皆無と。様々なシステム解析暴露され、その談話そのまゝ信じる市民少ないのが当たり前。IT界の暗黒の一天はスティーブ＝ジョブス逝去で、それを易々と用ゐるとは、この局長談話こそ「港創科最暗黒一天」と非難あり。

▼チベットで香港大学の学生らが身柄拘束されてゐる件、チベットの泣く子も黙る公安当局は、その中の学生が「光復香港」等のスローガン書いた紙を所持してをり治安管理処罰法で検挙と発表。中央政府にしてみれば香港の反送中運動とチベットやウイグルが連動することが最も汚らわしい。その学生らは反省文を書き釈放されたといふが、彼らがさうした紙を所持してゐたこと、それを見た愛国人民が公安にチクったさう。その戦前の日本のやうに隣組でアカの学生を拒むやうな世界が今の中国。

水炮車、初陣！

昨晩は夜半よりひどい雷雨。家人は深夜のCX便にて帰省で昨日は朝からの「空港妨害」で空港への足が何うなるかひや／＼してゐたが、この活動は参加者からも「朝７時からは早すぎ」だの「来たら誰もいねーよ！」でスカった由。ただ空港側の警備厳しくターミナル内への入場者確認で朝のうちは混乱したやう。空港は何の混乱もなかつたが家人の搭乗の頃からの雨と雷で搭乗後、深夜便の離陸待ちで１時間半ほど待機だつたさうな。

大公報……ったく「匪賊が銃で警官襲撃」で写真の横にほ「半自動式拳銃で上陣」なんて書かれてゐて、これを見たら「ついに暴徒が武器で市街戦か」だが小さく「模造品のグロック半自動式拳銃を警方に向ける暴徒」。これ、ただのBB弾鉄砲である。

但し黒蟻団もバリケード築き道路占拠、雨傘での応戦から今では投石、可燃物の放投等も辞せず混戦の具合増してゐるのは事実。五大請求に少しでも応じなければ、この抵抗活動が続くといひたいのだ。

香港警察の警察官「親族」が「警員親属連線」組織し「還警於民」スローガンに昨日、約４百人が中環で行進。警察への不信強まるばかりで警官も家族も心身共に疲弊、不正がないのであれば独立調査委の設立を受け入れるべきであるし、そも／＼現場の警官たちは上司の命令に忠実ではあるが、その指示内容に疑問あるのも事実と。この身内からの疑問提示に警察、警察内団体はかなり神経質にならざるを得ず。これも左派紙なら「警察親族と嘯く部外者によるニセの活動」となるが警察内部も一筋縄ではいかぬところであり警察の理念に基づく香港警察としての矜持掲げるかつての主流派→今では傍流で理念改革目指す差し詰め「皇道派」か、が中共公安の息のかかつた土共系と対峙する形で、その中間に今の一哥（警察トップ）のやうな日和見の大勢がゐるやうなものか。

警察といへば香港警察が独立調査機関による調査拒むなか警察に対して唯一、監督のできる監警会（Anthony Neoh主席）が世論高騰のなかでやつと一つ成果。防暴隊の警官らが規則にあるID情報を制服につけないことへの批判につき警察側の言ひ分は警官個人特定されることで本人や家族へのハラスメント懸念。ベテラン弁護士であるNeoh主席は原則は原則として特例認めずヘルメットの後ろにIDを、そのサイズは小さいやうだが必ず表示することとし警察側に指示。この監警会のNo.2は警察出身で、この何某は特定の任務遂行中のID表示は必ずしも必要としないと１日前にコメントしたが主席はそれは個人の意見で監警会の判断に非ず、ときっぱり。警察出身のNo.2がこの決定不服で辞任するのでは？といふ問ひには、それは個人の判断で自分がそれを何うするものではない、と。少しずつ常識的は判断に向け何かが輻輳してきてゐるのかしら。

本日は荃葵青示威活動。それぢたいは10万人参加（主催者発表）で平和理に終はつたが明るい内から荃湾市街で黒蟻団の暴乱あり。警察は高性能放水車出動させ「すわ初陣！」だつたが本来、群衆撒き散らす役目のものが「一先ず」路上占拠に置かれたロードブロック除去で腕前披露のところロードブロックに高圧水を放つてもロードブロックビクともせず結局、放水止めて警官がロードブロック除去（笑）。それにしても「テロリストによる都市型暴動」で政府が鎮圧といふやうな話で一人の死者もなく催涙弾は放つも銃撃もなく放水車出てくるだけで、それが大きな恐怖と話題といふのだからシリアとかの皆さんが見たら「はぁ？」であらう。

黒蟻団は荃湾で雀荘とゲーセン、それに食肆を襲撃。べつに黒蟻の彼らの肩をもつわけではないが米騒動とか「暴徒化した群衆が食料品店襲ひ」の類ひでもなく狙われた数軒は全て白シャツ愚連隊の本拠地もしくは系列と見られた店舗ださうで「無差別ではない」らしい。だがさうした背景わからなければ暴挙であり背景わかつても「やつてはいけないこと」なのが普通の市民感情。ただし世論調査でわかる通り香港市民の間では黒蟻団のかうした行動を理解できるとする意見も少なくないのが事実。

今日は警察がこの反送中で初めて威嚇で銃砲が（前回は2016年の旺角騒乱の際）。警官が「向天鳴槍」……かうした漢語の響きは本当に見事だが、天に向けて１発だけ威嚇に。銃を抗議者ばかりか興奮して記者の大群にも向けたが警察はこの威嚇射撃も状況からすると自然な判断で「英勇克制」とまで自讃。しかも、この威嚇、実は一人の警官が混乱の中で路上に拳銃を落とし、それを拾ふに拾へず威嚇射撃１発と銃身向けることで黒蟻団後退させ、その隙に拳銃拾つたといふ情けない話もあり。明日の午後４時の警察記者会見は、この真偽と昨日の智慧燈柱の機能問題（警察はそれは所轄ではない、と逃げるだらうが）そのあたりが話題か。

▼香港大学医学院が系列の付属病院で行ふ講義のうち香港大学深圳病院で実施予定のものを９月新学期から中止発表。学生から深圳への通学の際に中共当局によるセキュリティチェック厳しくなり反権運動に関するスマホの画像やSNSのグループなど削除求められるなどのリスクあり、それへの配慮だといふ。

大家都累了，對話找出路，好嗎？

 このところ大公報が新聞レイアウトでは香港動乱で絶好調だつたが遉がに昨日は「香港之路」の成功で蘋果日報が今日は賑やか。よつて大公報は地味。「香港之路」は港独のカラー革命だと３面で地味に報道。当然のことながら香港各地で繋がつた市民の〈絆〉は写真も使へず横断歩道で「自動車交通を阻害」の写真１枚。大公報編集部の気苦労お察しするばかり。

その３面に「500台の香港タクシーが国旗掲げ愛国アピール」と記事あり。

止暴制亂/500的士掛國旗巡遊傳遞正能量/大公報記者 だが同じニュースが蘋果日報では「国旗掲げりゃHK$800貰へて終はつたら国旗路上に捨てた」になる。

建制的士遊行 每位司機派800元 | 蘋果日報 | 要聞港聞 | 20190824

本日は午後、東九龍の沿岸で市民デモ開催。空港に続き昨日、MTRが申請の禁制令が紅葉裁判所で受理されMTRは昼から観塘線を彩虹から調景嶺まで站閉鎖で通過と決定。これまで大規模な市民デモ実施で参加する市民多く天后や銅羅湾の站閉鎖で通過といふ事態や夜になり黒蟻狼藉で同様の措置はあつたがデモ開始前からの、この措置は初めて。禁制令得たことによる強気か、デモ主催者側はデモ参加の市民の足を奪ふことでの妨害、政府への忖度と非難。

そのMTRが得た高等裁判所の禁制令、令状の写し各站に掲示されるがコトもあらうか高等裁判所の公印で“High Court”が“Hight Court”と記されてをり恥ずかしい失笑かふ。こんなことがあつていゝのかしら。とんだミソを付けた高等裁判所。公印の表記に誤字あつても令状の有効に問題ない、と真剣に釈明。

早々に封鎖された観塘站からの中継を眺めれば早々に出口のシャッター閉め、その中に警官多数。シャッターの外で黒蟻の諸君が「何やってんだ？」と興味津々と覗きこむ。そのシャッターの前にはMTRが雇つた民間警備会社の警備員がシャッターを背に立ち番。ひどい話。警官がなぜそれをしないのか。従前の週末抗議活動は明るい内は平和的デモ、闇に黒子たちの狼藉だつたが今日は明るい内から黒子社中が暴れてくれて当局にとっては願つたり叶つたり。これでデモ活動の制限も、し易くなる……だが政府側も一つ難題をかゝかかへてしまふことに（これは下述）。

今日は早々にデモとは別に黒蟻が九龍湾で暴れ路上の「智慧燈柱」薙ぎ倒したりやりたい放題。その現場を警察は抑へもせず放置プレイが、これも悪どいかぎり。物陰から催涙弾だかビーム弾だか撃つ警察に取材カメラ殺到も俯瞰するとおかしな光景。わけがわからない。香港の連日のやうな、この抗争を不安定、危険だといふ。だが日本人なら昭和27年の「血のメーデー」を思ひ出せばよい。警視庁は催涙弾ばかりか実弾で銃撃。デモ隊２名死亡、デモ隊と警察の重軽傷は1.5千人。香港の今の状況どころの騒ぎではない。当時は警察も催涙弾で「毒ガスマスク」もなくタオルで鼻口覆っただけのデモ隊をかなり撃墜できたが香港の今の備品充実の防備では催涙弾も効果はない。

今日も催涙弾の撃ちすぎで大気汚染甚し（台湾南部にある台風11号の影響といふ説もあり）。

政府回應九龍區示威活動

23時24分に出た政府のプレスリリース。今日の抗議活動に関する厳重注意だが上述の「智慧燈柱」についてわざ／＼丁寧にコメント。

示威者蓄意破壞了多條智慧燈柱。政府已多番澄清，清楚指出智慧燈柱不涉人臉識別功能，也沒有侵犯個人私隱，只用作收集交通及空氣質素等城市數據，透過開放數據，配合5G來臨，推動智慧城市發展；然而示威者罔顧事實，大肆破壞多條智慧燈柱，實屬不可理喻。

これまで政府が明らかにしたやうに智慧燈柱（smart lampposts）は顔認証等の識別機能なく市民のプライバシー侵犯のないもので交通や大気の状況を測定したり今後、5G通信等にも開放し智慧城市の発展に寄与するもの。それを抗議活動で破壊されたことは遺憾と。黒蟻社中の破壊した電柱は20本で１本HK$140K（200万円）する電柱で被害も甚大。

内部のコンバーターのやうなもの分解して解析すれば、これの機能も随分とわかり政府の説明の真偽も明らかか。それゆゑ政府も夜中の報告で慌てたのかもしれないが慌てると逆に「やっぱり……」と猜疑されるところ。それが昨日の内にさつさと分析されてしまつた。

これが真実だとすると、かなりとんでもないシステムが香港の街中に張り巡らされやうとしてゐたことになり香港政府の説明も嘘で中共との技術シェアもないはずもない。今日の抗議活動は早い時間から市民デモと並行して黒蟻団の路上占拠始まつたわけだが九龍湾局地的に襲ひ「電柱伐採」に集中。鉄柱切断のための道具等、用意周到で手筈も見事。かなり智慧燈柱に詳しい輩参画してをり今日は最初からこれ狙ひ。そこでこの策略に「海外勢力が関与」となるとサスペンス映画か大公報のテイスト。知己Ａ氏の見立ては、某国が、この中国にも関はるセキュリティシステム状況を入手、その某国と中共の間で極秘裏に折衝始まり某国は押収物返還と入手情報不開示を確約、その見返りに香港政府は逃亡犯条例改修撤回を認め……って出来過ぎた話か。それにしても、である。数日前に、黒衣団はこの智慧燈柱を破壊標的にすると宣つてをり香港警察の定例記者会見でも記者から、これについて質問出て警察は警方記招｜對破壞智慧燈柱等刑毀會追究到底 と述べてゐるのだから電柱伐採を放置プレイせず徹底的に防御すべきだつたはず……何を考へてゐるのかしら。

818後止息怒憤 - 左丁山 | 蘋果日報 | 果籽 | 名采 | 20190824

這位市民既是香港首富（李嘉誠），也是商界領袖中，最有文化修養內涵的愛國者。他的聲音幾乎全港讚好，818和平渡過，特區政府能不考慮這位愛國愛港市民的忠告嗎？

左丁山曰く、李嘉誠が先日、香港各紙に打つた意見広告、香港と中国を愛し包容之心を以つてして自由と法治を尊重すべし、とこの言葉を犠牲者がどれだけ理解できてゐるのか、と。その犠牲者たる林鄭は「みんなもう疲れました、対話で出路を見出しませんか？」と宣つてはみるが、この林鄭には「肝」がない。

⬆︎当然ですが、この画像の手書き書き込みは富柏村によるもの。

厳家祺先生もやはり李嘉誠の格言を取り上げる。李嘉誠が引用した「黃台之瓜，何堪再摘」の黄瓜とは何か？

① 鄧小平の「改革開放」　これに納得した李嘉誠は巨万の資本を中国の発展のために投資し中国の経済成長に大きく寄与。
② これは已に習近平によつて捥ぎ取られてしまつた果実であるが1982年憲法に定められた国家元首「連續任職不得超過兩屆」といふ条文。一党独裁にせよ一人の領袖の独裁避けるための智慧であつたもの。
③ 香港の五十年不変の原則。鄧小平は李嘉誠にこれは「五十年之後更沒有変的道理」と語つたといふ。それが今、中国外交部をして「中英共同声明はすでに歴史的文書」と言はしめた。これも②同様に事実無根となりつゝある。まさに「何堪再摘」。

④ 対台湾の和平工作。
国家が唯一合法的な暴力装置といふマックス＝ウェーバーの言説を用ゐて、その暴力が香港の平和的な抗議活動に向けられた場合、中国の損失は世界の中での地位の喪失も含め、どれだけ大きなものか。林鄭が何を言はうとも香港の〈出路〉は全人代常委の掌上にあり林鄭に香港行政の才覚力量なきこと明らかで、それを辞任させられるのか何うか、普選実現を何うするのか。

一個國家、一個地區，有政府，不是為了鎮壓，而是為了保障人民的憲法權利，為人民謀福利。否則，全世界都會看到的不只是林鄭的無能，而且是北京的無能。

このまゝでは全世界が見極めるのは林鄭月娥の無能ばかりか無能な中国になりかねぬ、と厳家祺。

香港之路

大公報は香港の情勢悪化なければネタ切れ。代はりに姉妹紙・文匯報の独占スクープは香港記者協会が入会はHK$20で学生でも会員になれ抗議活動での隠れ蓑に記者証利用も可……と完ぺきにガセネタ。実際に入会条件厳しいのだが。もう坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。

裁判所から禁制令得た空港管理局が「抗議活動で航空業務妨げないで」と意見広告。御意。世論の大きな指示で始まる抗議運動は運動の過激化で市民生活に影響出始め抗議目的ズレて市民の失望と乖離生じて失敗に終はる。今回の黒蟻社中の大したところはリーダー不在でセクト化もしてゐないため運動方針の内部分裂と対立が起きず内ゲバに至らぬことだ（といふか内ゲバになるほど活動も暴力かしてゐないが）。

さて本日の抗議活動は「市民の輪」で香港を繋がうといふ運動。中共にとつては江澤民の御代、法輪功に中南海囲まれたのがトラウマか。

主催者発表で12.5万人参加で総延長60kmだといふ。警察は何も発表もせず。横断歩道は信号青になると繋ぐなど工夫もあつた宜。

獅子山に登る市民もゐるにはゐるだらうと思つたが思はぬ人出で獅子の頭は窮屈になり後続が尾根に並んだことで獅子の背肩が見事に映える。

陋宅の近くでも、この「香港之路」やつてゐるやうで晩９時になつて出かけてみる。

ちょうど散会のところだつたが、あれだけ黒蟻の社中が狼藉働いても非暴力の行動では老若男女支持多し。皆で歓声上げ、この活動の成功讃へ合ふ。

容疑者の身体検査（逆権運動でそれすらやりすぎ）で容疑者が女性だから女性警官がやれば問題ない、って女性警官も怖いよ、これじゃ…… pic.twitter.com/3r9c230AAk

— 富柏村 (@fookpaktsuen) 2019年8月24日