富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦七月晦日

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中文大学というのは香港で東大(香港大学)に対する京大、慶応に対する早稲田みたいな存在で一寸、反体制といふか斜に構へて世間を見るやうなところがある。だが自分が1990年から足掛け3年そこに在籍して、これは中文大に限つたことではないが香港の大学生の幼さに驚かされた。学生宿舎ホールの集会室に集まつてテレビ放映された映画〈となりのトトロ〉見て主題歌を合唱してゐるのにはゾッとした。

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その中文大学の学生が30年近く経つて、こゝまで政治的になるとは……。彼らはポスト香港返還の世代。彼らを何がそこまで政治的にさせたのか……体制である。

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日本に帰省してゐた家人持ち帰つた「瀬戸ジャイアンツ」なる葡萄を頬張る。葡萄は美味いし映画〈ジャイアンツ〉は名作だが何うしても「ジャイアンツ」は巨人軍の所為で嫌ひだ。

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昨日の朝日夕刊で長野の遊歴書房が紹介されてゐた。2017年の1月に母と善光寺訪れた際に地元の友人に「きっと、この書店好きでせう」と連れて行つてもらつたのが遊歴書房(富柏村日剩)。岩井克人貨幣論』と文庫で西部邁『大衆への叛逆』入手してゐる。

夏の末といへば恒例で美智子さま(85)が大后となつて初めて草津の夏の音楽祭でピアノ演奏ご披露。サン=サーンスの〈白鳥〉でフルートは維納フィルのKarl-Heinz Schütz氏。伴奏なのだがちゃんと主張するところは主張で、これはこの方のまさに皇后としての歩みそのもの。久が原T君曰く大后のピアノで森下洋子さまが身魂を削る現在の藝境にて〈瀕死の白鳥〉踊つたら嘸やもの凄い舞台となるだらう。御意。それにしても、このテレ東の「華麗なピアノ演奏」といふ陳腐な表現は何うにかならぬか。「優艶」とか「清雅」とか表現が似合ふとT君。「華麗」では蕭邦のpolonaiseとか想像してしまふ。

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