富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

政治少年

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昨日の荃湾での騒乱で12歳の少年が黒蟻団で身柄拘束。

日本では考へられないところだが顔はボカされてゐるとはいへ写真まで報道記事に。9月に中学入学。日本社会党の浅沼委員長暗殺の山口君が17歳だと思ふと余りに若い政治少年。だがシリア等このくらゐの年齢の少年たちがゲリラになつてゐたり。日本は平和は尊いことだが政治など遠い世界のこと。この少年が入学予定した中学の副校長は早速、保護者と連絡取り少年の被拘確認した上で関係機関等に連絡取り少年が無事に中学入学できるやう理解と協力を、と求める。入学受入れの可否等下らぬ心配でなく教育者の了見。

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深圳のボーダーではランダムになのか担当官の勘でなのか香港市民にデモ参加の有無尋ねたりスマホ内容チェックあり反送中関連の画像や関連の討論区内容の削除求められたといふ話あり。中には上述と同じ12歳の子どもにもデモ参加の有無尋ね、この少年が良心から「デモ参加あり」と答へたところ(そりゃ家族とデモ参加する幼子も多し)、別室に連行され説教されたといふ。この少年は親に「もう二度と中国には行かない」と呆れて申したとか。深圳への出入りも「入り鉄砲に出女」ぢゃないが箱根の関所のやうに戦々恐々。さういふアタシも今日は深圳に久々に用事あり深圳行き。スマホ云々で面倒厭ひ(半ばお巫山戯で)使ひ古しのiPhone 7中共用に設へて画像だの一切の内臓データ消して準備。

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大公報や人民日報、環球時報のアプリまで入れて、これぢゃ見られたら当局の職員に「こんなつまらない新聞読むとは、こいつ頭おかしいんぢゃないか」と寧ろ怪訝に思はれるか。羅湖から深圳側に入り、いつもの通り真っ直ぐ進むと内地人民と外国人の入境関所あるところに「香港居民」で「あれ?」と思つたら以前は香港居民が階下だつたのに入れ替へ。外国人と内地民は下の階へ。跨境の人数の多さでは香港居民なので、それが真っ直ぐ進めるやうにした、と思へば合理的だが果たして、それだけの理由か。もう15年以上前のことだがアタシと一緒に羅湖で跨境しようとした方の査証で問題ありイミグレで別室に連行されたことあり。それに同行したが、その取調部屋がこのフロアにあり、それから勘ぐると、かつては香港居民の通関は大凡、問題なく外国人と内地民の方にこそ慎重だつたが、それが反送中で香港居民の通関に神経質になり、それを取調施設に近い方にしたのか。勘ぐりすりか。下の階に進むと、ここは遠く見渡しても別室らしい施設もなし。アタシもあっさりと通過。一介の全良な外国人では勧進帳の安宅関にもならぬか。口の悪い友人には「怪しく思はれるのは若者だけ」と笑はれる。地下鉄に乗ると「北京ビキニ」と話題になる非文明的なシャツ捲り上げ腹を出すオヤジに遭遇。猛暑で外ならまだわかるが冷房のきいた地下鉄で、これはもはや夏の習慣か。今世紀中葉までに何が

深圳建设「中国特色社会主义先行示范区」🇨🇳

かと呆れるばかり。深圳に入つてスマホVPNをONにしたが繋がらず。ネット規制は格段に厳重になつてゐるのか。深圳であつた知己に「香港は随分と荒れてゐるやうで」といはれる。彼らにしてみれば逃亡犯条例などといふあれしきのことで何を騒いでゐるのか、だらう。彼らはもつと深刻な規制の中で生活。それでもある程度の彼らの了見あれば何も問題ない日々。それをわざ/\事荒立てる、それも内地に比べれば格段に自由な香港で、は理解し難きこと。一理あり。香港のテレビ放送は深圳で普通に見られて、かつてはニュースなど政治的敏感な部分はジャミングもあつたが、それが今では丸っきり見られない由。ドラマ放映してゐても抗議活動激しい時など画面にテロップ流れてゐるのだから。羅湖の街場陋巷を歩いたが、やはりそれそのもので、こゝを二十年で世界に誇る文明都市にするといふのも何だかおかしな話。

創科局強調智慧燈柱和中國天網監控無關 狠批示威破壞燈柱 | 立場報道 | 立場新聞

一昨日の九龍湾での智慧燈柱破損狼藉につき香港市役所の創新及科技局長が「港創科暗黒一天」と非難。これまで政府説明の通り智慧燈柱は市民自由監視するやうなシステムに非ず内臓計器は全て香港のもので上海企業との関連は皆無と。様々なシステム解析暴露され、その談話そのまゝ信じる市民少ないのが当たり前。IT界の暗黒の一天はスティーブ=ジョブス逝去で、それを易々と用ゐるとは、この局長談話こそ「港創科最暗黒一天」と非難あり。

チベット香港大学の学生らが身柄拘束されてゐる件、チベット泣く子も黙る公安当局は、その中の学生が「光復香港」等のスローガン書いた紙を所持してをり治安管理処罰法で検挙と発表。中央政府にしてみれば香港の反送中運動とチベットウイグルが連動することが最も汚らわしい。その学生らは反省文を書き釈放されたといふが、彼らがさうした紙を所持してゐたこと、それを見た愛国人民が公安にチクったさう。その戦前の日本のやうに隣組でアカの学生を拒むやうな世界が今の中国。