富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

みどりの日

辰年三月廿六日。今日は祖母の誕生日だつた。明治36年生まれなので生きてゐたら121歳か。

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出版社の広報誌。定期的に届くだけで今は7誌あり。昔は大きな書店だといくらでも置いてあつたが今では書店に置かれる部数は少なくジブリの『熱風』など丸善(丸の内本店)で聞いたら毎月の発行日には開店と同時に好事家が手にしてゆくためあっといふ間に品切れ。それの置かれる児童書売り場のカウンターには当該誌が平置き場所で最後の一冊がなくなると「今月の『熱風』は在庫がありません」といふ張り紙が見えるやうになつてゐた。それでも出版不況でみすず書房の月刊『みすず』など廃刊もあり(2022年)。ネットで出版社HPで情報は提供できるだらうし朝日新聞の〈読書好日〉みたいなすてきなサイトもある。これだけ届くとすぐに目を通さず未読のものが積まれてゆくのだが新潮社『波』5月号だけはすぐに目を通した。筒井康隆翁の巻頭日記(第15回、九十歳で見る幻燈)を読むため。先月号では筒井夫人(光子さん)の認知症について夫人の行動や言動をかなり罵しるやうに書かれてゐて読んでゐて辛かつた。春に神戸に戻られ、それが何う綴られてゐるのか気になつたから。神戸での美食過多の日々。筒井翁は断酒してをられるが夫人はお酒がかなりお好き。断酒亭の前で美味しさうにお酒を嗜まれるといふことだけで読んでほっとした。翁は肩痛を和らげやうと服薬でゼウスを4錠も呑んでしまひ翌朝起き上がると身体の自由がきかず転倒で救急病院に搬送され入院された由。その後のことはご本人が書かずとも熱心な筒井ファンの今どきBBSである!(笑犬楼大飯店)で何かと筒井情報がアップデートされてゐる。

本日は気温摂氏10.6/28.1度。晴。もう夏日ではあるが天気の良い休日となつたので家人と日傘をさして菩提寺(神崎寺)から偕楽園に散歩する。偕楽園ツツジの季節。家人に墓のミヤギノハギを自慢げに見せる(こんな書き方は筒井御大のやう)。常磐神社の境内を抜け(参拝せぬ)偕楽園の東門のところで「門のまえ」が大改装でリニューアルオープンしてゐたので評判の天ぷらを食べに久々に入る。午前11時半前だといふのにもうほゞ満席。観光名所の門前の食堂など大して美味くもないのが大抵だがこちらは大したもの。

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店舗が小綺麗になつたのはよろしいことでトイレも格段にきれいになつたやう。だが不思議なのは外観。かつては「いかにも観光地のお土産とお食事」の場所で「昼酒できます」とポスターでか/\と貼られ2階からの眺望も良かつたはず。それが今回のリニューアルで洗練されたやうだが偕楽園の東門の人通りからは店舗の中が窺ひしれぬ。高級なカウンター割烹か寿司屋の如し。これでは気軽には入れない。かつては大きなガラス窓と扉で店内が土産物やで奥に食堂があることが一見してわかつたのだが。なんでこんな外装にしたのかしら。


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画像(左)で見ての通り2階は偕楽園を望む二面に窓もなく一階も壁で内部が土産物やとはわからない。こゝまで洗練した設計の建物だと「営業中」と「お食事処」の旗がやたら目立つ。以前の外観のまゝで水回りや食堂の内装、トイレなど改修するだけで良かつたのでは?と思ふ。

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偕楽園ツツジはもう盛りを少し過ぎてゐた。サクラもさうだつたがあっといふ間に咲いて盛りが過ぎてゆく。もう夏なのだ。サクラやツツジが咲いてゐる暇もない。

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ガチャポンで〈近江屋洋菓子店〉に一瞬ハマつてしまひ「まい泉」のカツサンドも精巧なものなのでちゃんとコレクションにしたいと思つた。百均で何か適当な透明ケースでも見つけて、と思つて百均(DAISO)に行つたら、ちゃんとかうしたミニチュアのコレクションを入れるディスプレイケースなるものがあつてあばらかべっそん。


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このDAISOのある駅ビル(OPA)の「ガチャの森」では、先日500円入れたつもりでガチャ玉が出てこず通りがゝりのスタッフに事情聞かれ100円玉も詰まつてゐないが彼女は親切に機械をリセットして500円投入して1度、ガチャをさせてくれた。その後、お恥ずかしいことにカバンの隅に100円玉があつて400円しか入れてゐないことの証左。本日そのショップで事情を説明したらスタッフに「えー、わざ/\?」と感謝された。こちらのミスである。売り上げは500円の倍数であるはずなのに100円少なかったらダメですから、と100円をスタッフに渡す。