富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

甲辰年二月廿七日

気温摂氏8.5/12.8度。曇。朝と夕に小雨(1.5mm)。

ETV特集小澤征爾 日本人と西洋音楽』(1993年初回放送)を録画で見る。伯林フィルでの活躍に重点置かれた映像。1935年生まれのセイジオザワは58歳でまさに一番生気漲つた頃だらう。水戸芸術館の開館が1990年で同年4月のMCO(水戸室内管弦楽団)の第1回定演は小澤征爾指揮でロストロポーヴィチのチェロで記念碑的な演奏会。


小澤の率ゐるMCOは1998年に訪欧公演をするまでになり吉田秀和館長の逝去で2013年に小澤征爾が館長就任に至つた。この第1回定演の最後でステージに上がつた吉田秀和館長の挨拶。水戸の市政百年の記念にこの芸術館ができたが、その百年とはまさに日本に西洋音楽が入つてきて日本人がそれを勉強して演奏をしてきた百年。それが今では小澤征爾のやうな世界に通用する指揮者が誕生して世界レベルでソリストとして演奏できる人たちがゐて、その人たちを集めて作つたのがこの管弦楽団で、これは僕から水戸の皆さんへのさゝやかなプレゼントです、と。日本はもう西洋音楽を勉強するのではなく、自動車産業のやうに、日本の素晴らしいものを世界に誇ること出来るし、行政もこの水戸芸術館のやうに日本各地でこんな芸術活動ができる時代に期待を寄せられてゐる。その言葉を信じたい。

それが、それから30年。日本は政治も腐りきつた上に、自然災害となれば台湾のやうなかうした災害対応もできない、もはや三等国なのかしら。なんでこんなにダメになつたのか。