富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

(青春18きっぷ)奥多摩から川越へ

辰年二月廿三日。気温摂氏7.9/15.9度。薄曇。気温は温度よりも体感でかなり寒く感じる(風は最大11mほど)。青春18きっぷあり東京駅を09:19発の中央線快速で青梅へ。青梅線は確か羽村までだつたかは行つたことがあつた。昭和の終はり頃に当時、谷保(国立市)に仮住まひしてゐたのだが新宿で飲んで乗つた中央線快速が青梅行きで立川で下車し損なひ、この列車が終電で戻ることもできず中央線で一緒だつた同輩の家に泊めてもらひ翌朝帰宅。青梅線でも青梅から先の奥多摩まで行つてみたい。多摩に育つた家人は地元だが本日の乗り鉄に付き合つてくれた。


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青梅が東京駅から91分。奥多摩に着いたのは東京駅を出て2時間16分後で奥多摩とはいふがこんな山間だとは想像してゐなかつた。青梅を過ぎると多摩川が渓谷で青梅線は崖上を縫ふやうに走り、そこから多摩川を眼下に眺める景観。奥多摩駅はすつかり登山の玄関口で入山申告書の窓口があつたり更衣室や登山靴を洗ふスペースまであるとは。


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青梅(電氣)鉄道、それに未完の奥多摩電氣鉄道の未完部分が戦時下に国有化され青梅線となり全線の開通が昭和19年7月。当時から電化されてゐたがこんな困難な鉄道が開通したのも氷川駅(現奥多摩駅)に隣接した石灰石採掘があつたから。


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路線バスは現在、西東京バスが運行してゐるが、これもかつては青梅電氣鉄道の傘下。奥多摩町は人口5千人余で採算も合はない路線バスも貴重な交通機関


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駅から集落を少し歩き氷川大橋から多摩川(正確にはこゝは日原川)の渓谷を眺める。からうじてスマホで画像は撮つたが足がすくんで手は震へスマホを谷底に落としかねない。


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駅に近い「奥多摩の台所」で日替り弁当調達で西東京バスの待合所?でお昼。奥多摩滞在は55分で12時半発の青梅線電車に乗る。


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青梅からの東京行き車内に泥酔客あり。中央線快速は基本折り返し運転なので、もう午すぎとはいへ、この酔客は差し詰め早朝に中央線に乗つて何往復したのか数時間このまゝ熟睡してゐるのだらう。往路の青梅から奥多摩に向かふ車内にもかなり酒臭い若者がゐて彼も立川か福生で飲んでゐて下り電車に乗つてしまひ青梅駅でどこかわからぬまゝホーム反対側の電車(奥多摩行き)に乗つてしまつたやうだつた。途中駅でそこがどこかもわからぬまぁ電車を降りていつた。青梅駅で東京行きの快速に乗り換へ拝島へ。青梅駅拝島駅も駅の鉄道スタンプは窓口で求めれば出してくれる作法。4月1日とあつて若者の通学定期券購入だとか慣れない路線で迷つたか窓口混雑してゐて数分の乗り継ぎ時間でスタンプを出してもらふのも憚られた。拝島を13:42の五日市線で武蔵五日市へ。

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多摩丘陵にこんな平地があり畑が広がつてゐるとは。武蔵五日市駅に入る手前で線路は丘陵に入る。高校のとき友だちがゐて武蔵五日市まで遊びに来ていた家人は駅舎も近代化され駅前も随分と様変はりと驚いてゐた。折り返しの電車で拝島に戻る。鉄道の要所である拝島では引っ越してきたばかりの若者が立川、八王子に出る手段で右往左往も少なからず。14:31に拝島を発つ川越行きに乗車。八高線高麗川まで下り川越線に入る。青梅線の青梅以遠、五日市線と同様に川越線も本日が初めて。「小江戸」だとか昔の情緒たつぷりと川越は東京近郊の観光スポットとして鎌倉のやうに人気。一度くらゐ散策してみようかと時間をとつた。JRの川越駅東武東上線川越駅とのターミナル。東武東上線も沿線に大学など多いから駅コンコースに特設の学割定期券売り場は長蛇の列で最後尾から2時間待ちと表示あり。こゝでも駅員が「その大学なら東武じゃなくて本川越から西武新宿線に」なんて教へられてゐた。川越の所謂「蔵造りの街並み」も一度くらゐは見ておきたいが川越駅からは少し遠く川越の滞在時間は81分なので路線バスに乗車。路線バスは西武線本川越駅を経由して道路幅の狭い街並みに入るから自動車と観光客でかなり危険なほどで渋滞。


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「札の辻」から蔵造りを歩くがテレビ番組で紹介されてゐるのをなぞつてゐる感じ。

川越|2023年1月7日|出没!アド街ック天国:テレビ東京


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それにしても明治時代の大火のあと防火建築で建てた蔵造りが戦争で空襲にも遭はず残つたことで今となつてはこんな観光資源になつたのだから。外国人観光客とりわけ香港からの旅行者の多いこと。広東語ばかり。ちなみに香港はイースター連休で香港から海外に脱出した市民は総勢168万人なんださう。この期間に香港を訪れた旅行者は33.8万人。その差が135万人とは。香港市民にとつては休日に香港を脱出することだけが楽しみの日々なのかしら。観光客溢れる「蔵の街」はもう十分で連雀町から新富町へ地元の商店街に入る(クレアモール)。百貨店(丸広)が健在で地元の商店も頑張つてシャッター商店街になつてゐないだけ嬉しく思ふ。JR川越駅まで2kmも狭い石畳みの商店街が続く。こちらの方がよほど昭和からの懐かしい商店街のやうで歩いてゐて楽しかつた。


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川越駅を16:45発の埼京線(通勤快速)に乗車。大宮まで、で川越線completedでそのまゝ埼京線乗り入れで武蔵浦和に停車しただけで赤羽。驟雨。池袋に17:36着で雨は幸はひ止んでゐた。ハロンS氏のオフィスが池袋東口にありS氏は昨晩遅く5年ぶりだかのドバイ競馬から戻られてゐて急きょ連絡をとり夕食をご一緒してもらふことに。香港で最後にお会ひしたのが2019年末の香港国際競馬だつたはず。東口でジュンク堂書店の横を護国寺の方に入つたところにある硯家といふうどんやはS氏がお昼にうどんをよく啜る馴染みの店でうどんがメインだが酒肴も充実してゐて日本酒も通好み。旧交を温める。とても良心的な食肆で気にいつた。ところで家人は幼いころに豊島園駅近くにも住んでゐて西武線住民なのだが池袋は駅の構造がよくわからないといふ。東口といはれたのに、なぜ池袋駅では南口に出るのか。確かにわかりづらいだらう。最後の山かけのうどんまでしつかりいたゞき池袋から上野に出て帰途につく。本日の「乗り鉄」は乗車距離運賃は7,810円なので、それを青春18きっぷ(2,410円)で楽しませていたゞけた。