富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

甲辰年二月廿日

耶蘇受難日。気温摂氏9.0/17.8度。ひどい雨風(19.5mm、風最大12.7m)のあと午後から天気は快方に。

朝日新聞の連載「現場へ!」で2月に「側近が記した昭和」は昭和天皇侍従の遺した記録に関するもので「毎日新聞の特集記事のやうな」面白さだつた。

側近が記した「昭和」1 天皇、秘められていた実像:朝日新聞

今週は連合赤軍の集団リンチで命を失つた遠山美枝子さんに関する話。

「連合赤軍」指輪物語1 母の贈り物、まさかの悲劇:朝日新聞

あの当時、水府でも茨城大学全学連のデモなどあつてあさま山荘事件では子どもながらに体制=権力=政府=自民党に対する連合赤軍の「革命運動」について浅間山に立てこもり警察の圧倒的な「武力」に抵抗の為す術もない赤軍派の彼らに何かしらのシンパシーのやうなものを感じたりもしたが後日、彼らの同志に対する内部対立で集団リンチ殺人があつたこと、そのリンチの現場からの中継など見るにつけ彼らが何を求め何処で血迷つたのか子どもながらに反体制セクトの自己崩壊に切ないものを感じてゐた気がする。

TBSラヂオ【人権TODAY特別編】作家・安堂ホセさんに聞く - YouTube

安堂ホセご本人の声は初めて聞いた。作品については『ジャクソン』と『迷彩服』とも読んでゐるから話に目新しいこともなかつたがホセご自身が好きな作家についてとなると国会図書館に赴いてまで全て読むといつたことに番組で荻上チキも応へて国会図書館の面白さについて語つてゐたのが面白かつた。

MHKテレビ(芸能きわみ堂)で尾上右近の「吉野山」今年1月のリクエスト再放送を見る。NHKで古典芸能の系譜には古典芸能を身近に楽しんでもらはうと特撰した〈芸能花舞台〉があつて、それが〈にっぽんの芸能〉となり当時は南野陽子石田ひかりといふ出演が異色だつたが番組は定着して、それが高橋英樹メインで〈新・にっぽんの芸能〉となり面白く見てゐたが昨年春に〈芸能きわみ堂〉になつてから内容が奇を衒つた陳腐なものになりまことに残念。出演者の大久保佳代子が面白くない。この〈きわみ堂〉になつてきちんと見たのは、この尾上右近の〈吉野山〉だけだつた。右近Ⅱは清元宗家の延寿太夫の家にあつて祖母は六代目(菊五郎)の娘、母は鶴田浩二の娘で、まあ賑やかな華々しい家系。この番組の「吉野山」では静御前、忠信の二役で清元までの三役。映像合成で上手く見せる。音羽屋の兼ねる役者としてどれだけできるか、はこれからも見てはいかうと思ふ。

(香港は)社会全体に精気がない。人々は、週末には中国大陸や日本に出かけ「此処にはいたくない」という印象だ。香港への帰属感がなくなっている。(黄秋生)

さもあらむ。