癸卯年十一月廿二日。気温摂氏1.0/11.6度。曇。朝6時半に陋宅を出て茨城空港(百里基地)へ。20数kmで自家用車で40分ほど。駐車場は空港ターミナル直近は満車だが第3駐車場でもターミナルまで150mほど。ターミナルには北海道や九州、沖縄!ナンバーの自家用車まで散見。転勤で自家用車ごとこちらに来た人の年末年始の帰省なのだらう。百里から札幌、神戸、福岡、那覇そして週2便台北に定期便があり東京からでも空港まで1時間であるし(羽田、成田に次いで近い)空港のない福島や栃木、群馬からも集まつてゐるだらう。駐車場は無料である。外は有機肥料臭がそこはかとなく香る。空港は国内線はSKYのみ(台北便はタイガーエア)。チェックインするのにQRコード出さうとスマホを取り出す……はずがスマホが所在不明。幸はひiPadありWi-Fiで繋いて確認するとスマホは陋宅に置き去り。フライトの確認メールは家人にも転送してゐてiPad用に、と空港なのでWi-Fiルーター貸出し機ありそれを入手。満席のフライトは定刻出発で神戸へ。09:55の定刻より少し早く到着で10:10のポートライナーで三宮。JRの新快速で大阪。常磐線特急→新幹線ならまだ名古屋あたりかしら。フライト料金は繁忙期なのに早割13,000円で東京→京都の運賃なみ。梅田から中之島のホテル(三井ガーデン)にシャトルバスがあり11:10のそれで家人はホテルに向かふ。旅荷を預けるのに桜橋口のシャトルバス乗り場まで一旦行き家人と別れ御堂筋線まではかなり距離あり(四つ橋線の西梅田の方が近かつたか。なんば。とんでもない人出の道頓堀。岸和田Y兄が道頓堀今井に並んでゐてくれて11時半の開店で着座。
食後、少し散歩しようとY兄。相変わらず1日に2万歩歩くのが目標ださう。道頓堀から千日前に出て黒門市場の北端から国立文楽劇場へ。本日初日で今回は見る機会ないが文楽劇場の景品と今月のパンフレットを引換券交換でいたゞく。松屋町筋を上り空堀商店街を抜けて谷町筋で「天王寺までは歩く」といふY氏と別れる。伴手禮にと堺は小島屋泰芳のけし餅をいたゞく。大槻能楽堂。本日と明日は同堂創立九十年記念公演。両日ともお目出度〈翁〉で始まり本日は観世御曹司(三郎太)で明日は小書「弓矢立合」「三人之舞」で観世御宗家、大槻文蔵と観世銕之丞の翁で三番叟が野村万作、萬斎と裕基三代といふ信じられない配役なのである。こんな見事な番組で手配いたゞいたお席が正面最前列の中央とは恐縮至極。
御曹司の翁と茂山千五郎の三番叟。小鼓が(昨年九月国立能楽堂四十周年での御宗家〈翁〉の時ほどではないが)何だかチグハグなのが残念。狂言〈末広かり〉は茂山七五三休演で逸平。御宗家のシテで能〈高砂〉。後シテの住吉明神の神舞が格別動き早く緩急も著しいのは小書(八段之舞)によるもので御宗家奮迅。会場でお会ひした畏友の円タクに便乗させてもらひ道頓堀。大混雑。家人と松竹座前で待合せ。はり重の御堂筋側「カレーショップ」が今ならすぐ入れるといふので、そちらに。自家製ピクルスと野菜サラダでビールを飲んでからトンカツカレーのカツを肴に日本酒(白鷹)一盞でカレーライスのポーションで〆る。なんば駅から地下鉄(四つ橋線)で肥後橋に来てホテルに戻る(といつてもアタシは下榻か)。