富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

安眠を妨げる夢

癸卯年十一月十一日。気温摂氏▲3.0/8.8度。晴。

国吉康雄展~安眠を妨げる夢~  | 茨城県近代美術館 が会期明日までで参観。国吉康雄(1889〜1953)は岡山の生まれで1906年に17歳で単身渡米。米国は同年に移民法改正で移民1世の米国国籍取得が事実上不可能になつた年。雑役労働で糊口凌ぎつゝ美術を学び1917年には紐育にて若手の前衛画家の一人として注目を集め始めアメリカンモダニズム画壇で評価を確実なものに。アタシにはピンとこない画風なのだが「これでもか」といふ数の作品を眺めてゐると、この画家が対日戦争、捕虜、戦後のマッカーシズムなどのなかにあつて自分の存在を証言する手段としての絵画が少しずつ受け入れられた気もする。

もう少し早く訪れて、あと一度見てみたかつた。安眠を妨げる夢。

f:id:fookpaktsuen:20231226162252j:image

(インタビュー)香港に戻らぬ、思いは 香港の民主派政治団体の元幹部、周庭さん:朝日新聞

このインタビューの解説で倉田先生が厳しい状況で言葉を振り絞つてコメントされてゐた。れもまた、安眠を妨げる夢。

香港は沈黙してしまいました。国安法は抗議を二度と起こさせない強烈な法律で、議会の民主派も排除されました。中国政府は混乱を収めたとして成果を誇っています。ただ香港が中国大陸と違うのはネットが自由な点です。しゃべれずとも外からの「遠くの抵抗」の声を聞けます。だからこそ外に出た人への指名手配が続く可能性もあります。とはいえ、香港が今の状態を長く続けるのは難しいでしょう。政治問題を嫌う欧米の資金が香港を避けるようになり、経済は不調です。中国がいずれはもう少し穏健な政策へと転換を迫られる可能性はあります。国軍が実権を握ったミャンマーを逃れた人たちが数十年後に立ち上がったように、香港を出た人たちもまずは生き残り、中国や香港が変わるのを待つ。そんな発想があると思います。(倉田徹)