富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

久ヶ原へお茶会(納会)に

癸卯年十一月五日。0.2/15.3度。晴。昼過ぎに銀座。地下鉄の銀座駅から三越に入るととんでもない混雑でエスカレーターは「一列で横を空けず二列でお乗りください」とアナウンスする程。地下の化粧品売り場でSHIROに。数年愛用の練り香水見つからず店員の化粧男子に尋ねると(店員の全員が化粧上手な男子であつた!)煉り香水は夏にもう製造中止で在庫もない由。「今でも練り香水お求めのお客さんいらっしゃるんです」と化粧男子君。銀座コアの甘味若松は年内での閉店公言で、もう豆かんも期待はできないが幼稚園生の頃から来てるので最後のお慰みで寄らうかと思つたら閉業の名残り惜しみか外に行列11人では「並んでまで」で興味も失せ銀座は今年はもう今日が最後なので若松も「これで左様なら」。今月は今日が銀座初でPR誌『銀座百点』もゲットしてをらず6丁目の箸の夏野に寄つたらもう当月号はなく大和屋シャツ店で今月号ケット。日比谷線で六本木。東京ミッドタウンのフジフィルムスクエア。

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細江英公といへば三島由紀夫薔薇刑)と土方巽鎌鼬)が有名だが高校生の頃に初めて薔薇刑を何か雑誌で見たときだつたか三島ももうこの世にはゐなかつたし細江英公なる写真家も当然のやうに過去の人で存命とも思ひもしなかつた。その細江先生は卒寿。今かうして作品を見ると薔薇刑鎌鼬もいずれも演出の上での作品なのだが躍動感がある分、後者の方が動きが感じられて優秀と思ふ。檜町の東京ミッドタウンを出て、ふと今日の競馬(朝日杯フューチェリーステークス)の馬券未購入と思ひ出して外苑東通りを龍土町の角に渡つたところで須磨帆で馬券購入してゐたところガイジンに「チョット、スミマセーン」と声かけられ面倒な奴と見上げたところ香港で旧知のCF君の笑顔。立ち話で一時旧交温める。

キース=ヘリング展 | 森アーツセンターギャラリー

少し時間があつて六本木ヒルズではこの展覧会もあつたがキース=ヘリングを美術館で参観も愚の骨頂と思へた。なにせこの展覧会のサブタイトルは「アートをストリートへ」である。おかしいだろ。天気も良く風もなく(東京の最高気温17.2度)旧テレ朝通りを広尾まで歩く。昭和の終はり頃はお昼に家人と仕事の合間に広尾のナショナル麻布超級市場でサンドイッチとか買つて有栖川公園でお昼ご飯したりしてゐたものだつた。エノテカの広尾本店。久ヶ原T君への伴手禮おみやげにLansonの黒ラベルの香檳酒を一本贖ひ日比谷線で中目黒、東急線多摩川駅経由で下丸子へ。沿線の風景の変容に驚く。東急線田園調布駅の地下化が1995年で、多摩川園駅で目蒲線の地下化が1994年で駅名が多摩川園から多摩川に改称が2000年だつたとは。下丸子から環八を渡り久ヶ原へ歩く。久ヶ原T君邸は新築のあと一度伺つたことはあつたが今晩は彼の庵にて表千家のお教室でT君から茶道学ぶお弟子さん方や旧知の方での年暮の納会にお招きいたゞきアタシにとつては納会とはいはれても人生初めてのお茶会で末席を汚す。T君から十数年前にいたゞいた茶席用のお扇子(宮脇賣扇庵誂へ)もdébutで懐紙だけ忘れずに。それにしても郎卓にて勝手に抹茶こそ服してはゐるが茶道の表も裏も、お作法も何もわからず恥ずかしいかぎり。茶のお席のあと酒宴となり御酒いたゞきやつと少し緊張解れる。T師匠の巧みな会話で宴席も盛り上がるなか三更近くまで、で辞去。