富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

入管ブラックボックス

癸卯年九月廿八日。晴。朝は気温摂氏12度くらゐはあつたはず。最高気温15.0度で夜に気温下がり最低気温8.5度。

radikoで昨日のTBSラヂオ「武田砂鉄のプレ金ナイト」聞く。衆院議長細田某急死について。あの国民をバカにした記者会見から4週間。議長就任後に寿命縮めるほどのストレスはあつたのだらう。地元での有権者への「説明」もできぬまゝ。統一教会、セクハラ疑惑の細田を執拗に問ふた澤田大樹記者も出演。CBCテレビ中部日本放送)木下記者のリポートを紹介あり。

木下洋一『入管ブラックボックス』(合同出版)読む。

入管ブラックボックス: 漂流する入管行政・翻弄される外国人

まさに副題の「漂流する入管行政・翻弄される外国人」の一言に尽きる。著者は公安調査庁を経て法務省入国管理局(現・出入国在留管理庁)に18年勤務。現在は行政書士事務所で外国人の在留資格手続き等に関はる。オーバーステイの外国人に「在特」(在留特別許可)を出すかの判断でのさま/\な疑問。子どもが中学生以上なら一家は在特になるが小学生以下だと子どもが本国に帰つてもやり直せるとして強制送還とか。それが2004年から約22万人ゐた不法滞在者を5年で半減させる計画遂行で送還徹底と一方で5万件近くに在特資格付与。それが在特を出さぬ方針に。法律上、大きな裁量を認められる入管(公安調査庁には権限はない)。入管の処分は難民認定以外、行政不服審査の適用外なので不満なら訴訟起こすしか方法もない。その裁判も「外国人の人権保障は外国人在留制度の枠内で与えられてゐるにすぎない」とする最高裁判例(1987年のマクリーン判決)ありほとんどが敗訴となる。裁量をチェックする仕組みのない入管制度。在特や収容せず社会生活を許可する「管理措置」を認めぬ場合に、やつと書面で理由を通知するやうになつたことで一歩前進。そのレベル。入管=ブラックボックスといふと収容所での職員による暴力やウィシュマさん死亡事件など想像するが、この本でいふブラックボックスは入管といふシステムぢたいのブラックボックス性そのもの。