富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

銕仙会定期公演(11月)

癸卯年九月廿七日。気温摂氏10.2/17.1度。曇のち雨(4.5mm)。午後に銀座。セイコーハウス銀座(銀座和光)で〈融合する工芸-コレが答えだ-〉を見る。

満田晴穂×彦十蒔絵 若宮隆志「自在大雀蜂〈女王螺鈿帳台〉」

もう溜息ばかり。作品の美しさもだが金額も。今日はこれからお能とお話したら若宮さんからお能に絡んだこれから創作したいことのお話をお聞きした。お能を見るやうになつて夢幻的な物語の世界に親しんでゐると若宮さんの作品など蓋を開けただけで、その中に吸い込まれていくやうな、道具のさうした不思議さ。

貝島佐和子×四代田辺竹雲斎「蝶無心V」

雨が何となく本降り。和光から地下道潜つてHERMESに出て銀座サンボア。


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お能の前は酔はないやうにしてゐるがまだ3時間近くあるのでハイボール一杯だけ。パイプを一服。神田淡路町で散髪(The Gollum)その途中で驟雨。散髪のあと外に出ると傘いらず。神田まつや。午後5時は行列もなくなめこそばをいたゞく。淡路町からお茶の水駅まで近くはない気がして、それより浜辺からニコライ堂まで急坂を上るなんて冗談ぢゃないが今では複合ビルのワテラス→ソラシティのなかを抜ければ楽にお茶の水の谷上に。何だか狐につまゝれたやう。総武線で水道橋。宝生能楽堂。もしかすると宝生能楽堂のビルの改築前に、こちらに来るのはもう今日が最後かもしれない。銕仙会も来年の番組はもう観世能楽堂となる。

狂言で野村家は萬、万作でいずれも独自の世界を築いてゐるが萬斎といふ人もこれもまた父と叔父ともずいぶんと異境にいつてしまつてゐる。能〈攝待〉は銕之丞さんのシテでツレ(義経)は淳夫、ワキ(弁慶)が宝生欣哉で観世流で春(別会)*1以来の二度目。松田先生の笛。

どうなる国立劇場、見通せぬ再開 再整備で2度入札落札至らず閉場:朝日新聞

宝生能楽堂も建て替へだが三宅坂国立劇場はもう自民党政権の所為で復興ならないのでは?とすら思へてならない。

帰りの常磐線(特急)で通路はさんでゐたから良かつたが斜め向かひのサラリーマンはコンビニの弁当をサラダ系の冷麺と続いて肉食のごはん物をまぁ豚のやうに音を立てゝむしゃ/\と喰ひ、それが済めば暑苦しい肥満体で隣席の客にお構ひなしに足を組んだつもりがデブだから片足をもう一つの膝に乗せただけで靴底が隣客の膝につくほどなのに気にもせず、その後列(つまりアタシの通路向かひ)の若者はヘッドフォンして地元の友人とゲームしながら雑談がうるさく(これも車内での携帯電話での通話はお控へ下さいだろ!)あまりの常識やデリカシーのなさに呆れて言葉もなし。

*1:御宗家のシテ、御曹司ツレ(義経)でワキ(弁慶)は福王茂十郎