NHKの朝のラジオを聴いてゐたらピーター＝バラカンが「サンデーエッセー」といふコオナアに声の出演で英国の今日11月５日について語つてゐた。このガイ＝フォークスの日なんて全く知らず。1605年の国王ジェームズ1世暗殺陰謀に絡む、この日のいはれを紹介して子どもたちにとつてのお祭りも80年代あたりから以降は多様性とか共生といつた考への普及と定着で、このガイ＝フォークスのやうな宗教対立を基にした祭りも見直しで今はこれを祝ふ家も少なくなつた、といふ話から「この時期それに代はつてポピュラーになつたのが」とハロウィーン🎃について。元々のキリスト教の祝祭が米国で子どもたちがお化けの格好をしてお菓子を強請つて歩くイベントとなり、そして日本で渋谷でのあの大騒ぎや仮装など、それが英国にも波及。かうした祝祭の商業化を思ふとガイ＝フォークスが素朴に子どもたちが花火を待ち遠しく思つた時代が懐かしい……良質なエッセイの見事なお話にしたピーター＝バラカンでした。
本日癸卯年九月廿三日。（水戸）気温摂氏13.2/25.3度。晴。家の祖母が福島の出で、福島の親戚に急なご不幸あり。密葬に立ち合ひで母と福島へ。夏は酷暑の福島もやはり東北か今日は最高気温23.2度。曇空で強風（最大18.2ｍ）。故人は昔の親戚関係に依るので家系は複雑だが大雑把にいへば母と従弟に当たる方。それでも昔は兄弟でも吉右衛門Ⅰと勘三郎XVIIの年の差が20以上あつたわけで、この故人も年齢は母よりもずつとアタシに近い。3日に緊急入院して1ヶ月は入院といはれたが夜遅く容態急変で日が替はり（4日）逝去。福島西ICから市内に向かひ市街の南から阿武隈川の支流（荒川）を信夫橋から渡る。街道筋に昔からの紙屋や印刷所が多い。浄土真宗K寺。ご住職の読経が声も良いばかりか声明でも聴いてゐるかのやうな音色で見事。浄土真宗では亡き人は臨終後直ちに阿弥陀如来の浄土に還るので火葬から納骨までも迅速なのださう。いつまでもご遺体や遺骨に執着せず火葬を済ませ納骨して個人を偲びながら仏となつた個人に毎日お守りいたゞいて過ごすことが大切と。そして殯儀や遺骸は到底「穢れ」として扱ふものではないのでお清めも不要なので清めの塩も用意しないさう。親鸞からの真宗の考への何と合理的なこと。真言宗がベルリンフィルでカラヤンなら浄土真宗はさしづめバーンスタインからムーティの維納フィルかバイロイト祝祭管弦楽団かしら。香典のお返しに珈琲のセットをいたゞいた。家人の叔母の不幸でも北海道から珈琲が届いたし、お返しに珈琲といふのも普及してゐるのかしら。今日の珈琲はやたらブルーマウンテン、ブルーマウンテンと書かれてゐて何だか違和感があつたが福島市にあるブルーマウンテン本店といふ珈琲店のセットだつた。この家族は福島で一族郎党が音楽一家で、まさに古関裕而を産んだ福島の音楽風土なのだが、家族が集まればけして広くもない家で！合唱や室内楽が自然と始まり酒を飲んで酔ひながら音楽が夜遅くまで続くのであつた。大学生の頃は仙台からふらりとこちらに家に伺つて一晩こってりと音楽と酒に浸るのが本当に楽しかつた。その音楽のお家ももう残るのは音楽三兄弟のＹ次兄だけになつてしまつた。
香港の銀行にレターを送るのに、ふとタイプライター（エルメス社のAmbassador）を打ちたくなつた。元々は家人が神保町の骨董品屋で一目惚れして購入して香港ではまだ現役だつたときもあるが日本に持ち帰り一度も打つてゐなかつた。リボンが乾いてゐて最初は印字できなかつたけれどリボンを少し動かしたら印字できた。味はひ深い活字のデザインに惚れぼれ。
