富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

友枝會@国立能楽堂

癸卯年九月廿二日。気温摂氏13.7/23.1度。晴。上野で白山眼鏡店11時開店で口開けの客となる。


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中近両用の眼鏡はこちらのこれ。

近視の眼鏡はZoffだかJINSで通りがゝりに誂へた数千円ので適当にしてゐたが自動車を運転してゐれば運転席モニタが読めず芝居では手元のパンフも読めない。一瞬手元を見ることのできる遠近両用のメガネがほしい。老眼になつて近視はずいぶんと改善されたが乱視もひどく正確に合はせたレンズで作りたいので白山眼鏡店に来たのだがフレーム選びから視力等の検査、メガネのレンズ調整まで50分もかかつた。それくらゐするものなのだ。眼鏡の出来上がりは2週間後。御徒町で通りがゝりの天ぷらと蕎麦の店(天ぷら宮)で天ざる。客への丁寧な対応に頭が下がる。千駄ヶ谷国立能楽堂


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友枝會。今とにかく友枝昭世先生の能をできるかぎり全て見ておきたい。本日は友枝真也〈弱法師〉、萬師の〈富士松〉で昭世師〈融〉といふ番組で〈弱〉は謡曲の中でも好きな物語でじっくりと見て聞かせていたゞく。萬師は3年前に能狂言を見始めたとき野村萬のまるで「全てを整へさせていたゞきます」みたいなサウナでいへば「ロウリュウ」みたいな、もう見終はるとヘト/\みたいな顕教的なパワーを感じたのだが(その真逆に万作師がある)それがいつからだらう崇高なる至芸の空間になつてゐた。顕教的ではあるが顕教には顕教の悟りといふものがあると思はされる。そして昭世先生の〈融〉。御年83で村上湛君など先生の働き盛りを見てゐるから高齢で何が辛くなつてゐるかをよくご存知だが、それでもやはり声が出ないところがあつても見事な身体表現の世界は格別。そして松田先生の笛。ヒシギからもう松田先生の世界で次第でも独特の音色が続き早舞も松田先生以外誰も表現し得ないフレーズとなるから昭世師の舞ひも更に見事に連動するわけだが村上湛君が指摘されるに前半での塩釜の名所を挙げてゆくところ、アシラヒといふ伴奏的にさらりと奏でて済ますのだが、それが今日などこんな長いアシラヒは珍しく、それなら大抵は「もういいわ……」と食傷気味になるのだが松田師になると「もっと吹いて」と思はせるから。御意。四谷で丸の内線に乗り換へて銀座。銀座駅のB9出口は地上まで上りエスカレータもあつて銀座サンボアに直近(雨でもほとんど濡れない)。サンボアでは二杯目のハイボールのとき初めてチーズをいたゞく。パイプ持参でこちらで初めて一服。バーテンダー君がパイプ用の灰皿を出してサンボアの燐寸を一つくれた。サンボア15店舗共通なのださう。禁煙の店舗も燐寸はあるんだ、と笑ふ。


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電車通りで「パレスチナに平和を」と呼びかけるデモ行進に遭遇。ガサ地区への攻撃中止と即時停戦を訴る。今回の軍事攻撃がハマスによるイスラエル奇襲で、それに対してのイスラエルの報復だとしてもガサ地区の現状にとつては当然イスラエルに対して非難の声を上げることになる。

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帰宅したら日本シリーズ最終ゲームはまだ7回で阪神が6-0である。9回裏2アウトで岡田監督はフィナーレを飾るべく岩崎を登板させてオリックスの頓宮君が本塁打とは最後面白い一幕。それでも阪神38年ぶりの日本一。阪神のベンチにスタッフだが家人の親族もゐてテレビに映る笑顔がやはり喜ばしい。