癸卯年九月廿日。気温摂氏9.9/25.4度。東京は24.3度。新宿から京王線で千歳烏山。芦花公園団地を通り抜ける。昭和30年代の公団住宅は立替へも進み今では静かで緑豊かな公園のなかでかなり環境も良い。URのHPで見たら水府の陋宅と比べると広さが半分で値段が倍とは。世田谷文学館。
世田谷文学館|江口寿史展〈ノット・コンプリーテッド〉を参観。イタリア文化会館(九段下)の江口寿史xルカ=ティエリ展は一寸物足りなかつたが本日はもうお腹いっぱいの満足。それにしても初期の作品どころか子どもの頃に描いた漫画からもう江口寿史ワールドの全開。
何といつても「ひばり君」から派生した美少女画。どこかすべて余計なものを削り取つた美少女で色気とかゲスなものがない洗練された世界。だが江口寿史の描く男子は逆にどこか色気がある。
本日は偶然に正午から江口先生ご自身によるライブスケッチあり。初めて江口先生の尊顔を拝す。予め抽選で選ばれた人たちを江口先生らしいタッチでデッサン。これもまぁ味はひ深い作品に(そのデッサンはその場で本人に渡されお持ち)。
芦花公園団地を別のルートから千歳烏山駅に戻る。らーめん梶原。人気店である。お昼の遅めで待ちなしで入れる。醤油ラーメン。店舗で製麺されたちゞれ麺もスープの味付けも秀逸。その上まぁ接客態度のご立派なこと。新宿まで戻り丸の内線で銀座。家人と一旦別れ銀座サンボアの口開けでハイボール(ブラックニッカ)。歌舞伎座。松嶋屋で〈松浦の太鼓〉一幕見。
忠臣蔵の脇筋で明治の新作歌舞伎。歌六Ⅲに書き当てられたもの。初代吉右衛門(歌六Ⅲ長男)が得意として戦後は勘三郎XVII(歌六Ⅲ三男)、そして直近では何といつても吉右衛門Ⅱこそ。今日松嶋屋でこれを見てゐても、つい「播磨屋だつたら」と表情からセリフ回しまでも想像してしまふ。松嶋屋の松浦侯は美しく、また愛嬌もあるが盟友たる大石への同情と苛立ち、そして仇討ち成就での「でかした、でかした」の感無量が欠けることでは松浦侯は(昨年の南座顔見世でも演じてゐるが)松嶋屋のニンではないやうな……。
今日は祝日で銀座で夜はあちこち定休日でいつものお決まりで銀座ライオンへ。ハーフ&ハーフを大ジョッキで2杯半は飲んでゐると思ふと2ℓとは。カツサンドを注文したらヴェテランのウェイターに「三度勝つ、なんて」といはれた。ブレーブスファンで日本シリーズでブレーブスの挽回に期待なのかしら。