富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

존용두〈마술사산책〉미토미술관

癸卯年八月廿三日。気温摂氏11.5/23.9度。快晴。秋で何かとイベントもあり市街もそこ/\人出あり。

市民会館で観光物産展は姉妹親善都市で敦賀彦根と高松が出店。彦根はまだわかりやすい。井伊大老による安政の大獄、そして復讐としての桜田門外の変など水戸と彦根の歴史的な蟠りを経ての友好関係ださう。敦賀は幕末に水戸藩士を中心とした天狗党が上洛の途中で幕府に降伏。352人を敦賀市の松原海岸で処刑(天狗党の乱)。処刑者らは敦賀の人たちにより手厚く葬られ松原神社に祀られる。高松は水戸家で初代藩主頼房長子頼重が高松藩初代藩主になつたのが縁。

隣接の水戸芸術館の広場では〈あおぞらクラフトいちAutumn〉の開催で市民会館と芸術館の間の自動車道路は通行止めで広場の延長に。旧市街に少しでも賑はひが戻るのは嬉しいかぎり。

水戸市民会館といへば現代美術ギャラリーで7月22日開催からのこちらのイベントも明後日(9日)まで。

夏休みに子どもたちも大人もパスで何度も入場できて寛ぐことのできる不思議なイベント。존용두(ヂョンヨンドゥ)によるビジュアルアート作品「マジシャンの散歩」を前回は半分くらゐしか見ていなかつたので3日(月)の午前10時に開館と同時にこの放映(50分)を通しで見た。

존용두「マジシャンの散歩」2014年 Video(53分)

映像では冒頭、手品師の이은결(イウンギョル)が突然、水戸の住宅地(見川)に現れる。白鳥さんの家のあたりといはれてもそれがよくわからない。手品師は路線バスに乗り水戸市街の泉町に現れる。大通りは歩行者天国で町おこしのイベントの最中。現実の風景の中で巧みな手品を見ながら現実から非現実を我々は映像で彷徨ふことになる。

「ヂョンヨンドゥー地上の道のように」アーツ前橋 

映像の最後で実はこの映像のカメラで撮影してゐたのが白鳥さんであることがわかる(白鳥さんは全盲で手品師が誘導したりアシスタントが付いてはゐるのだが)。白鳥さんの心の目を通じて手品師に誘なはれ2014年の水戸の市街地を散歩してゆく。今では市民会館になつたが旧京成百貨店の建物が残り泉町1丁目の商店街があり旧京成西口商店街も再開発前で商店街のシャッターは下りてはゐるがアタシが育つた横道の商店街がそこにある。今では市民会館の広い遊歩道にその商店街があつたのだから。