富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

鈴木敏夫『スタジオジブリ物語』(集英社新書)

癸卯年八月二十日。気温摂氏16.9/2.6度。午前中と夜に降雨(8.5mm)で昼は曇。観劇のチラシだとかパンフレットだとかいろ/\未整理の紙類たまり整理。劇評の村上湛君は9月も観劇は25回だつたと先日仰つてゐたが劇のパンフレットや資料など多く貯まるわけで整理が追ひつかないと。お手伝ひしてあげたいくらゐ。少し秋冬ものの衣類も出す。自転車の清掃。昨日、後輪のスタンドが安定せず自転車やに寄つたら後輪のボルトがずいぶんと緩んでゐて走行中に脱輪でもしたら怪我か事故になるところだつた。自転車やの主人に「まだきれいですね、新車なのに」とボルトが緩んでゐたことを訝しがられたが、もう3年半乗つてゐる自転車だと告げたら、それにしてもずいぶんとメンテしながらきれいに乗つてゐると驚かれた。雨の日には乗らない、二か月に一度、磨いて油をさしてゐる程度なのだが。


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鈴木敏夫スタジオジブリ物語』(集英社新書)読む。新書といつてもスタジオジブリ設立から今日に至るノンフィクションで500頁もある大著。

【電子特別版】スタジオジブリ物語 (集英社新書)

スタジオジブリといへば誰もが知る「あの世界」だがアタシは初期の風の谷のナウシカとなりのトトロはテレビ放映されてゐるのをチラ見した程度。魔女の宅急便耳をすませばの二作は香港でテレビでも通しで見てゐて、映画館でちゃんと見たのは香港で千と千尋の神隠しのみ。ジブリのプロデューサーである鈴木敏夫の記録をかうきちんと読むとジブリの作品は勿論、宮崎駿の才能に鈴木そして高畑勲といつた稀有のクリエーターたちの想像力の結晶なのだが、それだけでなく完成度の高いアニメーション映画制作にどれだけ費用がかゝり(アニメーター雇用や経費で1か月1億円とか)スポンサーから費用を何う集めて、そしてどれだけ観衆と収入を得るかで広告戦略は何うするかといつた非常にシビアなことまで随分と緻密に書かれてゐる。当初の徳間書店、読売新聞、日テレに電通やディズニーまで絡んだ商業娯楽の世界。あまりにも現実的で素直にあのジブリの世界で楽しんでゐる人たちはちょっと興覚めするかも。でも『風立ちぬ』が何ういふ背景で映画化されたのか、そして直近の『君たちはどう生きるか』に込められたメッセージなど、もはや日本の理性はこれしかないと思はされる。少なくとも「あんな」大人たちのなかに「こんな」大人たちがゐただけでも幸はひなのか。

アタシが購入してしまつたのは日本酒コップ酒(古伊万里酒造)で伊万里焼(3,400円)。それにしてもアイテムの多い国立劇場さよなら記念グッズ。

さよなら記念グッズ|未来へつなぐ国立劇場プロジェクト|独立行政法人日本芸術文化振興会

その極めつけか、舞台の定式幕を再利用したテディベアと舞台の上敷きの雪駄。そこまで価値が出るものなのか。

もうこゝまでやるのなら国立劇場のマンホール蓋も30万円くらゐで売れるかも。

▼ジャニーズ醜聞と事務所のその対処、マスコミの対応について喧々諤々の騒ぎだが、この「せやろがい」おじさんが最も常識的で正論を叫んでゐる。

ジャニーズ会見で暴走と見られる望月記者(東京新聞)ら、だがNHKのラヂオで午後7時のニュースで冒頭にこれにはあばらかべっそん。

ジャニーズ事務所会見(2日)会場に司会進行の危機管理会社が質問指名の「NGリスト」NHK

こんなことが発覚しては……。司会進行役は米国系の危機管理も得意とするエージェント(FTI Consulting)。さういふリストがあることは驚きもしないが「NGリスト」が記者席から見えるやうに携へて記者席でNG記者の顔を確認しながら歩いては完ぺきにド素人の世界。そんな社中をジャニーズ事務所はいつたいいくらで雇つてゐるのかしら。