富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十六夜

癸卯年八月十六日。気温摂氏21.4/27.9度。晴。

AppleでOSが17世代となつた。最近の更新では大した改良もなかつたが今回はかなりデザインも洗練されて使ひ易くなつた。

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何より嬉しいのはiPadで自分で選択できなかつたロックスクリーンの時刻表示のデザインとかが弄られるやうになつたこと(iPhoneではカスタマイズできてゐた)。時刻表示が写真の裏に隠れるなんてステキだ。

テレビで吉永小百合が茨城の観光PRのCMに出てゐるといふ話を聞いたら、これ↑だつた。昨日届いた大人の休日倶楽部(JR東日本)の会報(10月号)でも特集が「茨城県」で「大地の成り立ちや徳川家の街づくりを学ぶ」だつた。これも茨城県のこの↓キャンペーンあつてのことらしい。

茨城デスティネーションキャンペーン | 観光いばらき公式HP

魅力度ランキング最下位を「根拠なし」と叱りつゝそれでも最下位からの脱出に挑んでゐる。それにしても、この「大人の休日」の特集記事は内容はなか/\のもの。水戸だけで見開き4頁で他に大子の袋田の滝と笠間。

ブラタモリ的な紹介で地形から水運まできちんと専門家による解説。実際に水戸の地形は面白い。それにしても写真がステキすぎ。これを見て水府に来たら「えっ?」と騙されたと思ふかもしれない。

本日は十六夜。確かに月が猶予ひ月の出は少し遅いがとても輝かしい月となつた。既望。大洗の海岸では有料花火大会(町民の花火大会開催場所への入場は無料なのださう)で水府でも高層ビルの上とかなら見えるのだらう(実際に大洗の那珂川河口あたりから四里も離れた水戸の高台が見える)が陋宅からはドーンと花火打ち上げる音だけが聞こえ東空が煙で曇つてゐる。


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▼今日の朝日新聞で佐伯先生の「異論」が何だか「近代の精神」のやうなノリで日本人の美徳みたいな話になつてゐる。

 佐伯啓思「日本の自然観と災害」朝日新聞

日本人の持っている自然観からすれば、人間社会に大きな災いをもたらす自然災害であっても、そこには人間の理解の及ばない自然の働きがあり、だから「シカタナイ」といって忍従するほかない、ということになろう。その自然への忍従の姿勢は、ある意味で「うまくあきらめる術」でもあった。
こういう感覚が、この科学万能時代にあっても、日本人の心の底にまだ残っていても決して不思議ではない。「シカタナイ」は、決して無責任な「敗北主義」ではない。時としては、日本の自然観がもたらしたひとつの知恵でさえもあるだろう。世界的に自然環境が破壊される現代にこそ、生きたものとして自然をみるという日本の自然観を日本人自身が復興しなければならないのではなかろうか。

なんだか令和の和辻哲郎のやう。かういふ自然感、それぢたいは一向に構はないのだけれど問題はこれが自然感に止まらず政治や経済、我々の生活まで全てをこの「シカタナイ」で片づけてしまふ、この根性の腐りかたなのだ。美徳こそ最大の汚点でもあること。

細田衆議院議長統一教会·セクハラなど説明せぬまま辞任:朝日新聞

このホソダといふ怪しいジイサンだつて統一教会の問題やセクハラだつて何も答へず退場することが許される。これも「シカタナイ」。それに対して大相撲で行司・木村玉治郎の定年まで3年残しての行司三役格からの退職は潔い。男子の本懐か。

何が大相撲の行司でおかしいかといへばこれ。先代の伊之助XLも軍配差違へ、酒癖の悪さに若手行司へのキス強要など品行直からず引退だつたが当代の伊之助XLⅠだつて到底、木村庄之助になる格ではない。

庄之助定年前に三場所だけの茶番人事。玉治郎もこの茶番期を過ぎれば次もあつたかもしれないのだが。