富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

小田雅久仁『残月記』(双葉社)

癸卯年八月初五。気温22.4/33.7度。晴。大相撲が序ノ口の取組みからネットで生中継されてゐるのだから好角家にはたまらないだらう。それにしても朝からABEMA TVでそれを見てゐるのは、もう老い耄れ以外の何者でもないのだけれど。


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朝の国技館は観客も数えるほど。ABEMAの中継では芝田山親方両国国技館で売られる今月の新商品なんてCMも入る。


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この番組がすごいのは行事や呼び出しまできちんと紹介がある。まだ10代の若い行事さんたち。呼出・慎は声と音色が良いとか。

市立五軒小下(左)と私立茨城高校下(右)

先週月曜(11日)に散歩してゐて市立五軒小学校運動場下の道路(市道)の擁壁や土留メが昔はツツジなど植えられてゐたのだらうけれど今はそれに加へ笹など群生で歩道にまで茂り歩道を歩くのも難儀するほどであつた。市役所に翌日電話すると道路管理課で数日で歩道を安全に歩けるやうに草木を刈つてくれた上に、その先の茨城高校のグラウンド下も同じやうに作業してくれ、そこはいつも雨が降ると水溜まりで車道とのブロックの上を歩かないといけないほどだつたが泥と草木で埋まつてゐたのだらう側溝も雑物など除去して今はきれいに湧き水が流れてゐた。市役所に電話したときは市街の大工町広小路から神崎寺を経て千波湖に行く道路の歩道も草木生い茂りキケンだと伝へたら剣道だつたのだが市役所の道路管理課から県庁の担当部署に電話します、とのことで、こちらも数日後に掃墓のときは整備されてゐた。昔なら道路沿ひなど除草剤を撒いて草木が生えないやうにしていて「きれい」だつたが今ではそんなことをするのはビックモーター社くらゐで草木の除去は本当に大変な作業のところありがたい。

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夜の水戸市街も人出がそれなりにあるやうになり飲食店もそこ/\客が入つてゐる。

残月記

小田雅久仁『残月記』読む。独裁国家と化した近未来日本で月昂といふ不治の感染症に冒された者たちを描くディストピア小説の表題作、家族とレストランに出かけトイレの窓から「月が裏返る瞬間」を目撃してしまつた主人公はレストランで席に戻ると家族は彼を認識せず別の男がそこに存在して他人扱ひされ自分の存在を失ふ「そして月がふりかえる」と月の表面を映す「月景石」といふ三部作。自分の存在がなくなる「そして月が」がアタシは一番怖かつた。その主人公と同姓同名の知己もゐるので余計に怖い。表題作は今の日本なら疫禍もあつて本当にそんなポピュリズムからの独裁国家が出現してもおかしくない状況で空想小説とも思へず。

小田雅久仁「残月記」インタビュー 残酷な運命に翻弄される人びと描く「月」の小説集|好書好日

歌舞伎座の秀山祭。幸四郎が体調不良で今日から休演。

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昼の部の〈土蜘〉は菊之助で夜の部の〈一本刀土俵入〉の茂兵衛は勘九郎が代役。菊之助は昼の〈祇園祭礼信仰記〉と夜の〈連獅子〉との、勘九郎は昼の〈祇園祭〉と〈二条城の清正〉との三本掛け持ち。それにしても高麗屋には失礼だが音羽屋の土蜘も中村屋の茂兵衛もこちらの方が見てみたいと思はせられるとは。