富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

(キシダ再改造内閣)つまらない「弁当幕」のやう

癸卯年七月廿九日。気温摂氏21.7/31.3度。晴。年に一度の行政による定期健診。

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血液検査で採血など年に何度もやつてゐる。健診施設で止血に絆創膏どころか、やたら立派な止血パッド用ゐてゐた。

ニチバン ステプティ 39mm×80mm No.80

こんなものまで要るか?と思つてゐたが時間も経つたので止血パッド外してみると今まで見たことのないやうな量の出血で、その止血パッドが見事にそれを抑へてパッド表面に血の滲みもなかつた。画像はさすがに白黒にしましたが)。高齢者は血が止まりにくい。これから気にした方がいいかもしれない。

キシダ再改造内閣の発足。

川上和久(岸田の発信力)つまらない「弁当幕」のよう:朝日新聞

たしかにキシダの喋りなど聞いてゐてもつまらない、それを「弁当幕」とたとへるのは妙。それにしても今どき「弁当幕」なんて言葉が通じるのか、それも新聞記事の見出しでは?とあばからべっそん。

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「弁当幕」とは忠臣蔵で「五段目」が(地味ながら実は大事な場面ではあるのだけど)「通し」では丁度昼どきにかゝるところで芝居はろくすっぽ見もせず弁当を頬張るといふことから「五段目」が「弁当幕」といはれて「面白くもない」となる。その意味では岸田のトークなど面白くもないので「弁当幕」なのかもしれないが、それは芝居(歌舞伎)でのこと。だから「芝居でいえば、つまらない「弁当幕」のようだ」なら通じる。それを記事の見出しにするのは疑問であるし「抑揚がなくて」は余計だが。それを「落語でいえば、抑揚もなくつまらない」とは。もう今どきの新聞の読者には何が何だかわからない。落語では人情噺の名作〈中村仲蔵〉といふのがあつて初代中村仲蔵 が下っ端から名題にまでなる物語。仲蔵は忠臣蔵の五段目で定九郎役を改めて評判となり「仲蔵型」といふまでにしたわけで落語でいへば仲蔵のこの五段目は噺の中核で(面白くもないどころか)最も面白いところ(柏木の師匠がこれをやると面白くないのだ話が上手くて唸らされる)。なので「落語でいえば、抑揚もなくつまらない」と「弁当幕」の説明で片づけられてしまふと何だか……。川上先生の「弁当幕」はキシダの面白くなさのたとへだが取材した記者にも、記事を読んだデスクにも朝日新聞だから、このキシダを揶揄するたとへが愉快に感じられて、そのまゝ編集で見出しにまでなつたのだらう。面白ければ良い、といふものではない。「弁当幕」の言葉一つにも慎重に。