富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

競馬で世界を駆け抜ける(入江たのし)

癸卯年七月十一日。気温摂氏24.4/32.9度。晴。

ラジオのプロデュースをされてる入江さんが水府にお越しになられた。最後にお会ひしたのが香港に来られたときでいつたい何年前だつたかしら。競馬ではない機会だつた。

入江さんの「世界の競馬」についてのトーク拝聴。米国のブリーダーズカップとかフランスの凱旋門賞とかはわかつてゐてもチェニジアの競馬のことを語れる方は日本でも稀少でせう。マダガスカルはフランスの競馬がサイマルキャストで馬券購入できるとか。阿根廷のブエノスアイレスはダートで巴西リオデジャネイロはターフだとか。

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早番に入江さんをお誘ひして家人と三人で「ぬりや」の泉町大通り店。白焼き一匹半。酒は常陸太田の松盛。蒲焼きが供されるまで「お通し各種」頼んだら気の効いたイクラや白魚などの小鉢が4つも出て500円。隣卓の若い男女もこれを頼んで驚いていて「実は500円は1つの値段で2,000円でもおかしくない」と笑ふ。本当はうな重の香のものと肝吸ひだけ先に出してもらつて酒を飲んでゐれば良いのかもしれない。ぬりやの山椒は飛騨高山の深煎りのもの。入江さんが「山椒がダメなときがあるから念のため」と和歌山の香山椒の小さなパック持参されてゐて、それと店の山椒の振り比べも面白かつた。入江さんとは先日話してゐてうなぎといへば(勿論、鹿児島や宮崎など九州もうなぎの名産地だが)浜松から名古屋、東京周辺では川越だとか佐倉、牛久、水戸……と駿府が徳川家の本拠地だとして御三家や譜代大名の城下町、領地ばかり。当時の水運の要所とも関係してゐるのだらうが興味深いところ。


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ぬりや(泉町大通り店)は木村武山の描いたうなぎの墨絵を店のカードやテーブルマット等に用ゐてゐる。武山の見事なうなぎの横に「強運」と揮毫はぬりやの亭主によるもの。天下の武山にこれを並べるとはかなりのこと。武山が見たら何う思ふかしらね、なんて今晩話してゐて、そこまでやつたなら武山のうなぎに画竜点睛で目を入れたら、なんて笑つてゐた。帰宅すると家人は店のカードを持つて帰つてきてゐて本当に画竜点睛してしまつた。とんでもない。すると入江さんはBAY FMの明日からの仕事があるので今晩は幕張に向かはれたのだが宿泊のホテルにも「強運」があつたとは。