癸卯年五月十二日。気温摂氏21.2/31.1度。曇。夕立。
家に帰ると台所にサントリー角の0.5米呏のボトルが2本もあり何かと思へば家人が来月、この酒も値上げになるので今回は2本調達してくれたさう。ありがたい。なにせ普通のボトル(700ml)が1,590円から1,910円に20%も値上げなのださう。ハイボールでダブル(60ml)なら12杯分もないわけで1杯が150円余。それを毎夕2杯飲むから300円で月にハイボールのサントリー角だけで9,000円とは。サンボアとかハイボールはもう1,800円くらゐになつてしまふのかしら。ホワイト(640mlで1,174円)は今回値上げされないさう。学生の頃によく飲んでゐたが当時も1千円くらゐだつたと思ふと(平成元年の酒税改訂もあつて)角瓶との価格差が1.6倍とは。
勘九郎、橋之助と扇雀による〈棒しばり〉と七之助の〈天守物語〉。〈棒〉は初演は大正5年に市村座で六代目と三津五郎Ⅶだつたさうで〈棒〉と聞けば思ひ出すのは先代の勘九郎と八十助。〈天守〉といへば大和屋で今回は七之助が大和屋の指導での主演。大和屋の日生劇場での初演が昭和52年で、もう46年も前とは。冨田勲のシンセサイザー音楽。泉鏡花の世界は小説を読んだり舞台を見たりすると、いつもふと折口信夫を考へる。鏡花は美的なのだが美的を遊びすぎて、それ以上のものに欠けるきらひあり〈天守〉も物語として虚しい。それを思ふと信夫の世界が恋しくなる。