富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

月刊『東京人』7月号「東京地形散歩2023」特集

癸卯年五月十一日。気温摂氏21.5/30.8度。曇。夕方から天候不安定。局地的豪雨の天気予報だつたが水府は降雨ないものゝ雷鳴が遠くから近づくなか陋宅に戻りハイボールを作り始めたら、ピカッ!と稲妻が走り直後にドドドーン!と雷鳴が響き地鳴りのやうにしばらく音が止まず。大袈裟ではなく今まで人生で一番大きなカミナリに思へた。カミナリの音の大きさだとかカミナリの落ちる回数だとかはもっと派手なのはあつたが稲妻が光つただけで、その光の圧を感じ雷鳴も「堅い」音でぐさり、と来て地鳴りのやうに地面が揺れるほどの音。さすがに陋宅で照明を消して家人がピアノの上に置いてゐる無印の充電式のライトを灯す。また一度同じやうなカミナリがあつた。本当に怖いほど。小学生のときに父方の祖父母の家に従兄と遊んで夕方のカミナリに祖母が電気を全部消して「カミナリは三度通る」で本当に三度めの賑やかのあと、まだ鳴りやまないのに居間の電気をつけたことをふと思ひ出す。カミナリは本当にそのまゝ遠くに過ぎ去つた。

月刊「東京人」 2023年6月号 特集「東京地形散歩2023」 [雑誌]

月刊「東京人」2023年6月号 特集「東京地形散歩2023」通読。昭和の終はりに恵比寿に住んで広尾、といつても明治通り沿ひにオフィスのある会社に働いてゐて自転車通勤で渋谷に出るにも本当に平らなところだと思つたが、それはまさに渋谷川の浸食で形成された低地が渋谷→渋谷橋→天現寺のラインだつたからで広尾にせよ南麻布、白金も台地。自転車で新宿まで飲みに出かけて坂の多さに閉口したり赤坂なんて間違つても自転車で行くものぢゃないと思はされた。国土地理院がデータ開放したデジタル地図を元に〈カシミール3Dといふのがあつて、それをスマホで利用できる〈スーパー地形なるアプリがあることを、この雑誌の特集で知つて早速ダウンロードしてみる。これだけでも十分に楽しいのだが更に〈東京時層地図〉なる地図も入手して、これだけあればもう十分だらう。この〈時層〉はiPad版だと二つの異なる地図、現在の地形図と戦前の都市地図や地形図など比較できる、それも同じ場所や縮尺までシンクロさせて眺められるので実に使ひやすい。紙では東京23区凸凹地図 』(昭文社)などもあるが、このテの地図では精度でもう紙は対応も難しい。

水戸もかうして(スーパー地形で)見てゐるとかつて海水面が高かつた当時は水戸城のある位置がどれだけ岬の先端であつたか、低地の埋め立てが進む近世までも、どれだけ水郷であつたかがよくわかる。〈スーパー地形〉がスゴいのは全国版で、しかもアプリを一度下戴しておけばモバイル通信環境になくとも全国の精緻な地形地図が見られること。一ヶ月のスマホの契約が1,980円でモバイル通信は僅か3GBで普段はモバイル通信をOFFにしてゐるから実際には今月も1GB使つた程度のアタシにとつてはGoogle地図を、とくに列車での移動中などに使はなくても良いのは本当にありがたい。