富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

或る歌舞伎役者の逮捕

癸卯年五月初十。気温摂氏22.9/28.7度。曇(昼に驟雨0.5mm)。

【速報】市川猿之助容疑者を逮捕へ 母親の自殺幇助容疑 警視庁が逮捕状 | 毎日新聞

本日未明に毎日新聞が速報。母親の自殺幇助で逮捕で今後は父・段四郎の死亡に至る経緯について取調べが焦点かしら。ところで新聞は記事で「市川猿之助(本名・喜熨斗孝彦)容疑者(47)」とか書いてゐるが(「ガーシー」もさうだつたが)市川猿之助は芸名であつて「市川猿之助こと喜熨斗孝彦容疑者(47)」だらう。それに原則は容疑者なのだから匿名報道原則なら「歌舞伎俳優の男性(47)」のはず。それにしても芸名で容疑者とかいふと役者は芝居では親殺し(夏祭浪花鑑)、子殺し(熊谷陣屋)、心中(曽根崎)など数え切れぬほどやつてゐるわけで、だからかしら、何だか事件が芝居めいて深刻に聞こえない。

f:id:fookpaktsuen:20230628133119j:image

目黒署から宙乗りで脱出(狐忠信)だとか妖術使ふとか(先代萩の仁木弾正)早変はりで取り調べの刑事やかつ丼の出前持ちに化けるとか、もうさうなると怪人二十面相ルパン三世だが……ご本人は申し訳ないが澤瀉屋なので、お家芸でついさういふことを想像してしまふ。

猿之助容疑者逮捕「死ぬ気がなかったと思える量しか薬を飲んでいなかった?」“罪に問える”と慎重だった検察が“逮捕の決断”を下したワケ | 文春オンライン

相変はらず週刊文春が詳しい。たゞし今回の記事は「全国紙社会部記者」のコメントでまとめてゐる。この全国紙記者は毎日新聞ではないかしら。澤瀉屋騒動で新聞の記事は週刊誌には見劣りするが毎日新聞はかなり深追ひ。それでも新聞に書けないところを文春がフォローとか。

心中事件で生き残った人が同罪に問われることはよくありますが、証拠はそのまま残っていることが多い。自らも死のうとしていて、隠す必要がありませんからね。
しかし、猿之助容疑者は自宅に放置したり、家のゴミ箱に捨てるのではなく、わざわざゴミ捨て場まで持って行っている。自らも薬を服用していたものの、致死量を飲んだにもかかわらず奇跡的に助かったというよりも、最初から死ぬ気がなかったのではないかとも思えるほどの量しか飲んでいなかったようです。

段四郎さんは肝臓がんステージ4で認知症を患っていたとも言われているため、本当に自ら判断したうえで自殺の意思を示したのかが今後の焦点となるでしょう。

「多くの謎が残る “猿之助一家心中事件”の捜査は次のステージに移った。しかし一家のみぞ知る真相を立証するのは極めて難しい」と結んでゐる。

首相動静(27日)18:58 銀座「鮨あらい」で麻生副総裁、茂木幹事長と食事。同じ鮨やにこの3人がゐたら(個室もあるやうだが)鮨も酒も不味いだらう。つまみと握りのおまかせでお一人様44,000円也。