癸卯年初七日。気温摂氏20.3/27.8度。晴。
クリストファー=イシャウッド(1904〜1986)が母の長年の日記を元に父との手紙などをまとめた英国の或る家族の記憶『キャスリーンとフランク:父と母の話』(横山貞子訳、新潮社)通読。
クリストファーの母、キャスリーンは14歳から亡くなる91歳まで綴つた日記。軍人の父親。地主階級の恵まれた生活。ヴィクトリア朝末期の英国、ボーア戦争、アイルランド独立運動の勃興、から第一次世界大戦。クリストファーの成長。
訳者(横山貞子)の「あとがき」より
わたしがこの本と出会ったのは、夫があるとき、おなじ本を何回もくりかえし読んでいるのに気づいたことがきっかだった。何回目かを訪ねてみると、返事は、「……四回目かな」だった。そんなにおもしろい本なら読んでみたい。読み進めるうち、イシャウッドの母の日記と父の手紙がつくりだす世界に捉えられた。これは、読んで終わるのではなく、日本語に移してみたいと強く思うようになった。
夫とは鶴見俊輔。横山貞子がこの和訳を了して、この『キャスリーンとフランク』を上梓したのは昨年の春、卒寿を過ぎたときだつた。
水戸駅前の再開発(旧水戸西武などのあつたところ)は残存の建物が壊され新しい複合建築の工事を待つばかり。その一角に昔から空き地だつたところは小さな沼のやう。湧水があるでもなく雨も降らぬのに水が引かないのは恐らく地下に土木の構造が混凝土だとか除去されておらず水が地下に抜けないからだらう。
この時期は夜になるとカエルの合唱が賑やかだが今日通りかゝると、そこに一羽の鴨。どこから飛んできたのかしら。水戸駅前でのどか、といへばのどかな風景。水戸駅前の水戸黄門像では助さんだか格さんだかが道中で摘んだのか花を手にしてゐた。もうコロナ明けでなのか大通りも水戸駅構内も駅南も何だかこゝ数年見たこともないほど人が多い。
家人と久々に駅南のアイリッシュパブ(ケルズ)で暑気払ひに啤酒を飲む。店のマスターに「新しいギネス」について話を聞く。従前のものとは全く違ふものでさっぱりしてゐて少し甘みがあるといふ。ギネスだと思ふと違和感があるが、それはそれで違ふものとして「嫌ひではない」さう。キリンブラウマイスターだとかいふ生ビール。そのあとガンチョといふスパニッシュバルで母と妹も来て4人で久々に食事。イベリコのハムで飲むシェリーが美味しい。