富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

天皇賞(春)

癸卯年三月十一日。気温摂氏14.7/22.2度。雨(8.5mm)。

久ヶ原T君が面白く読んだと聞いて『西太后に侍して─紫禁城の二年間講談社学術文庫を読む。

西太后に侍して 紫禁城の二年間 (講談社学術文庫)

清朝末期、西太后に仕へた女性・徳齢が西太后の死後、辛亥革命のあつた1911年に“Two Years in the Forbidden City”を上梓。これが1942年に太田七郎(1906〜1943)と田中克己(1911〜1992)の譯で日本で出版され、この講談社の文庫も太田と田中の譯のまゝ。下手に新譯でないのも良い。西太后といふと映画〈ラストエンペラー〉で幼い溥儀の前に現れる怨霊玉梓(新八犬伝)の印象あり。西太后の近くに仕へれば王朝の中でのおどろ/\しい習慣や悪癖、裏切りや処罰など残酷三昧かと思ふ。しかしこの徳齢が語る西太后はむしろ「人間的な面白さ」。夏の離宮頤和園)での生活のなかで西太后のために設へられた五層建築の戯場(劇場)での観劇の描写は圧巻。西太后自らのプロデュースで宦官の太監らが演出、舞台装置から役者までやつての大演劇空間。この西太后の当時の話を、この徳齢と妹(容齢)らも出てくるやうな、それを以前読んでゐた朧げな記憶があつたが巻末の解説(加藤徹)で、それは張中忱 『最後の宦官 小徳張』(石井茂樹譯、朝日選書)と判明。

最後の宦官 小徳張 (朝日選書)

本日は春の天皇賞。タイトルホルダー(横山和)の二連覇に期待集まる。前走(日経賞)では後続振り切り圧倒的な強さを見せたが最後2ハロンが36.8秒となつた重馬場の悪条件で参考にして良いものかしら。単勝1.7倍も面白みがなく2番人気ジャスティンパレス◎で単勝1点買ひ。タイトルホルダーが先行は予想通りだが4角で脱落して、まさかの走行停止。◎がルメール騎手を鞍上に見事な話で圧勝🎯。2着に5番人気のディープボンド(和田竜騎手)。

本日は香港の国際G1もあり。

THE CHAIRMAN'S SPRINT PRIZE ラッキースワイネス◎が圧倒的な強さ。昨年12月の香港スプリント(G1)では6位だつたが、その後は3月のジュビリーカップを含め4連勝と好調。◎を軸にマクドナルド騎手で4番人気のサイトサクセス▲としたが4着。

THE CHAMPIONS MILE 日本でサイマルキャストなかつたのが残念。Golden Sixtyがこれも圧倒的な強さを見せつけた。

THE QEII CUP このレースも1番人気のロマンチックウォリアー◎(CY Ho騎手)が勝たないわけがない。◎は前々走(スチュワートカップ)と前走(ゴールドカップ)で(いずれもG1)2着だつたが優勝はいずれもGolden Sixtyで僅差。マクドナルド騎手。単勝🎯で1.4倍。

山本太郎の、この政治家の弁舌は話芸の域。これを聞かされる自民党のおっさんの情けない表情。

富柏村 on Twitter:"スーダン退避48人帰国「富士山見えて涙が…」 オーストラリア人とかエアーズロック見て涙するのかしら?https://t.co/fzz5G3dV9c" / Twitter アメリカ市民が米国に戻り飛行機から自由の女神を見て涙するとか。自由の女神を見て驚愕したのは映画〈猿の惑星〉の未来の話。「富士山が見えて涙」は日本人の好きな神話世界なのかもしれない。