富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

だぼう

癸卯年二月初八。気温摂氏▲2.4/13.8度。快晴。隣り町(那珂市)の東木倉にある蕎麦「だぼう」にはいつも自動車で行くからお酒も飲めない。代行を呼ぶのも面倒。そこで一度、お昼の時間で陋宅から歩いて出向いて帰りこそは路線バスか水郡線で戻れば良いかと家人と話してゐた。夏も雨も、秋から冬のからっ風も厭はれるところで今日は家人は花粉症も気になるところだが日ざしも暖かく風もなく散歩日和に思へ昼前に陋宅を出て那珂川の低地に降りて国道349号線(棚倉街道)を北に歩く。偕楽園弘道館公園で丁寧に育てられた梅もきれいだが庭先や道路沿ひの空地に剪定もされず育ち放しの梅木も野趣でなかなか素晴らしい。

「だぼう」の名は「坐忘」の言葉から蕎麦を打つことで、その境地にといふことで「打忘」から。お昼は11時半の開店に合はせ遠方からも客が集まるので(今日も練馬、松戸なんてナンバーが並んでゐたし、品川ナンバーのタイムズのカーシェアもあつた)その時間より少しアトに12時半すぎに到着するやうに。平日だから空いてゐるなんてことはない常陸の蕎麦の人気店。今日はまだ上手い具合に待ちは3組目になつた。乾燥した畑地のなかを歩いてきたので喉が渇いて先ずはビール。グラス2つといふと「お車は?」と尋ねられ「お酒が飲みたいから歩いてきた」といふと近隣の住民じゃないことはお給仕さんにもわかるから感心される。ビールのあとは地元(明野*1)の来福をぬる燗でいたゞかうかと思つたら女将さんが出てきて「こちらを熱燗で飲んでいたゞきたい」と弁天娘(鳥取)を勧められる。普段あまり飲まないフルボディのお酒で熱燗が確かに美味い。


f:id:fookpaktsuen:20230227185630j:image

f:id:fookpaktsuen:20230227185627j:image

ふきのとう。白子。海老しんじょ。そして海老。蕎麦やの天ぷらはなぜ天ぷら屋よりも美味しいのかしら。こちらがお酒を飲んでゐるので揚げ物も一つずつゆつくりと出してくれるのがありがたい。お酒は来福に。

f:id:fookpaktsuen:20230227185645j:image

〆にお蕎麦をせいろでいたゞいて時間はもう午後2時。ゆつくり飲みすぎた所為で一寸、おそばから慌てた。それにしても満足。お店に入つて一年半の二代目が打つたお蕎麦もいたゞく。二代目が修業がまだまだ足りない、店主に敵はないと言うから今もう店主を抜いたら大変なことになると話す。抜けても抜くのは4角を回つて最後の直線で差すか差さないか、でなければいけない。お店は繁盛でお忙しいなか常連といふわけでもないのに、いつも丁重に対応していたゞいて忝いかぎり。14:25に旧道(棚倉街道)のバス停(中台並木)を通る路線バスに乗らないと1日に4本のバスは次は16:05である。バス停まで歩いて15分なのだがだぼうでご主人もお店の皆さんも「バス本当に走っているの?」と思ふくらゐ路線バスはもう存在がない。


f:id:fookpaktsuen:20230227185702j:image

f:id:fookpaktsuen:20230227185659j:image

定刻通りにやつてきたバスは乗客はゼロ。アタシたちだけ。平日のほうが病院に行く高齢者など乗客がゐたのかもしれない。水戸市立中央図書館で下車。陋宅まで歩いて3分もかゝらない。酔ひ覚ましにコンビニで白くまのアイスを買つて帰る。本日はこの昼酒でもう終はつてしまつた感じ。

▼某私立小学校の卒業式でのマスク着用についての学校長から保護者宛の文書。こんなことに労力費やすよりもつと他に重要なことはいくらでもあるはずなのだが。さういへばハロウ校安比スクール(年間の学費850万円だつたか)の紹介を何だかバラエティ番組でやつてゐたがマスクなんてしてゐなかつた。

f:id:fookpaktsuen:20230227091123j:image

*1:昭和54年に開校3年目で夏の甲子園茨城県代表で出場した県立明野高校で茨城県民もよく知らなかった「明野」の名前が全国区になつた。