富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

團十郎(白猿)襲名披露〈助六〉千穐楽

壬寅年十二月初四。気温摂氏▲0.5/9.7度。快晴。

成田屋團十郎(白猿)襲名披露は十月末に襲名式と〈勧進帳〉それに観世流ご宗家の能〈神歌〉を拝見する機会に恵まれたが十一月と今月の襲名披露興行はテケツもとらぬまゝ本日千穐楽。松竹はこの襲名披露興行の演目を映像配信で商売してゐたが千穐楽の今日の〈助六〉はライブ生配信だといふのでそれを見ることに(3,600円)。

市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露〈助六由縁江戸桜〉千穐楽生配信

折角だからと母を誘ひ開幕(17:50)の前にうなぎのお弁当で早めの夜ごはん。おうなのお弁当は某老舗に注文して夕方のピックアップだつたが家人の分と3つ注文して風呂敷持参したら店の若い店員ばかりか女将もきちんと風呂敷も扱へず。もうそんなものかしら。新團十郎助六幸四郎の口上で始まる。二か月で今の人気役者総出演だがやはり昔を知る者からすると昭和の昔の先代の襲名披露の〈助六〉を想ひおこしてしまふ。十一代目も襲名披露興行の筋書きが家にあつて子どもの頃にそれを眺めてゐたものだつた。揚巻は六世歌右衛門、髭の意休が蓑助(三津五郎Ⅷ)、くわんぺら門兵衛が松緑、白酒売が勘三郎、白玉が友右兵衛(雀右衛門)で福山のかつぎが新之助(夏雄君、十二代目)で目玉の市っちゃんがいて……。

先代の昭和60年の襲名披露興行では4月に大成駒、大松嶋に松緑梅幸芝翫と大幹部が並び白酒売が菊五郎播磨屋朝顔仙平。6月は中堅の役者ででも幸四郎(先代)、菊五郎辰之助に孝夫、八十助に勘九郎(先代)となんて豪華な。このうち團十郎辰之助に八十助、勘九郎がすでに登仙が久しい。今回の〈助六〉は先月の方が派手さはある気がするが今月の公演も白酒売の勘九郎と通人の猿之助の愛嬌が話題になつてゐるやうではいけない気がするのだが。新・團十郎はこの襲名披露公演終ると新年は演舞場で宮舘涼太(ジャニーズ)と“SANEMORI”ださう。いつたい何うなつてゆくのかしら。

母が歳暮に注文した京都〈雲月〉の小松こんぶを分けてもらふ。

佐伯啓思「民主主義がはらむ問題」朝日新聞

じつに佐伯先生らしい民主主義論である。佐伯先生は民主主義を否定してゐるのではない。むしろゴロツキ体制派ではない本来の保守派として民主主義体制の脆弱な部分をきちんと諭してゐるとみるべきであらう。

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