富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

完本 中村吉右衛門

完本 中村吉右衛門

壬寅年十二月初五。気温摂氏▲2.7/11.8度。快晴。

小玉祥子完本 中村吉右衛門朝日新聞出版)読む。確かこの著者で「二代目聞き語り」がご本人が記者をする毎日新聞社から出てゐたと思ふが、それを膨らませて朝日新聞から「完本」とは。播磨やの得意とした演目に対する芸談が面白い。播磨やの、その姿が脳裏に浮かぶ。それがもう拝見できないと思ふとつらい気持ちばかり。もう本当に二度と出てくることのない伝統歌舞伎の役者。夫人やお弟子筋のコメントもいくつも出てくるが何よりも竹本の葵太夫のいくつものコメントが実にじんと心に沁みる。葵太夫さんにとつて播磨やとの舞台は本当に格別なもの。その最期の映像記録が〈須磨浦〉として残つたことはコロナ禍での貴重な記録。この小玉さんの播磨や本は面白く読ませてもらつたが播磨やの一周忌に合はせ書き急いだのか文章が粗いところいくつかあり。それをきちんと体裁整へるのが編集者だと思ふのだが朝日新聞出版も何をしてゐるのか。

歌舞伎座の裏には俳優が舞台に出るまでの支度をする楽屋がある。

歌舞伎座には、他の劇場も同様だが、楽屋がある」わけで歌舞伎座だけは歌舞伎座といふ建物の裏に楽屋があるわけではない。歌舞伎座といふ劇場建物のなかに楽屋がある。

由良之助は元塩治家家老だが、今は師直方に通じ、縁の下に潜んで様子を探っていた斧九太夫を刀で刺し、引き出して打ち据える。

これも文章がぐちゃぐちゃ。読みづらいどころか誤読になるわけで文章はきちんと書かないといけない。せめて(本多勝一『日本語の作文技術』で)句読点の打ち方だけでも正確であれば良いのだが。「由良之助は、元塩治家家老で今は師直方に通じ縁の下に潜んで様子を探っていた斧九太夫を刀で刺し、引き出して打ち据える」とすれば良い。

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中国はやはりワケがわからない(日本も、だが)。今更で悪疫猖獗のところ中国に出入りの防疫措置撤廃。海外から中共入りする連中は勝手だが内地からどれだけの人民がエクソダスがあるかと思ふと何とも。当然のやうに中共の新聞(香港も含む)は中共での感染蔓延の記事など皆無。まことに恐ろしいかぎり。


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