富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

蘋果日報社主の国安裁判

壬寅年十一月十七日。気温摂氏2.3/15.7度。快晴。

歌舞伎座では團十郎襲名披露公演が二月目で〈毛抜〉で新之助が弾正勤め話題になつてゐるやう。父親が若いときよりも十一代目に似てゐるかもしれない。京都の南座では恒例の顔見世。

松嶋屋さんは〈松浦の太鼓〉でさんざん迷つたが上洛せぬ。顔見世といふと大成駒の玉手御前のあつた平成元年 (こちら)も今となつては見事なものだつたが遡れば歌右衛門の政岡、鴈治郎Ⅱが八汐の〈千代萩〉のあつた昭和41年(こちら)なんて想像を絶するところ。

f:id:fookpaktsuen:20221211234435j:image

蘋果日報社主ジミー黎智英氏は非合法の遊行(デモ)や集会等いくつも罪に問はれてゐるが禁固刑の期間も十数ヶ月。国安法に抵触する「外国勢力と企てた国家転覆陰謀」などの重大犯罪が欲しいところで死刑か無期懲役にでもしたいのだらうが肝心の罪状が顕はにならず。そこで今回は詐欺罪で禁錮5年9ヶ月と罰金HKD2m(約3500万円)の有罪判決。この詐欺といふのが味方のビジネスコンサルタント会社に蘋果日報の壹媒体の社屋内をオフィススペースに又貸ししてゐたもの。この社屋は香港新界の将軍澳にある「創新園」といふ政府肝煎りのイノベーション企業に好条件でワークスペース提供してゐる土地で設備の又貸しは確かに契約違反で詐欺。しかし「その程度といへばその程度」で罰金刑はまだしも5年9ヶ月といふ禁錮は大袈裟。国安裁判なので匙加減は如何様にでも。