富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陰暦六月廿一日

陰暦六月廿一日。気温摂氏23.7/30.4度。曇。


f:id:fookpaktsuen:20220720064423j:image

f:id:fookpaktsuen:20220720064420j:image

市内の渡里(わたり)にある超級市場(サンユー渡里店)まで陋宅から距離は多少あるが陋宅坂下のから那珂川沿ひの幹線道路をほぼ一本で行けるのでよく利用する。那珂川の近くに旧芦山浄水場あり。閉場されてゐて門前まで。こちらは映画〈カメラを止めるな〉のロケ地として一躍有名に。「カメラを止めるな!」現場に潜入:朝日新聞

渡里といふ地名は那珂川沿ひの低地で常陸風土記の当時から、こゝが奥州に至る東海道那珂川の渡しもあつた場所。那珂川の氾濫でも安全な小高い台地は土地の起伏図で見ると水戸の低い台地で東端が後の水戸城なら、その東端から西北に延びる台地の北角に当たる、この「台渡里」には古くから集落があり7世紀末には寺が建立され栄えた場所である。そこに一盛長者伝説あり。地元の小学5年生の調査レポート(こちら)は大したもの。義家が滅ぼしたこの地元の長者を義家の叔父(父・頼義の末弟)とする話も残つてゐる。この地は今でこそ都市部近郊で畑のなかに住宅地といふ場所だが当時からその後も平安時代末に馬場氏(常陸国大掾平国香子孫)が水戸城を築く時代まではこの台渡里がこの地域の中心だつた由。

台渡里官衙遺跡群(台渡里官衙遺跡・台渡里廃寺跡) | 水戸市ホームページ

鎌倉市鎌倉文学館が文化講座「能に見る源平の人物ベスト10」を期間限定(8月末迄)で配信中。語り手の村上湛先生はご本人は謙遜されるが(今回改めて通しで見たが)やはり本当に面白い。能や古典文学に興味のない方でも十分に楽しめる内容。話がお上手な上に声が良く謡の朗読もさらりと通読なのだがテンポもよい。これはもう誰も真似することのできない話芸の域でせう。


▼また香港の「集体記憶」の一つが失せた。油麻地の美都餐室。この目の前が油麻地の天后廟の公園で楼上からの眺めは開けてゐたし昔なら、もう海がすぐそこだつたのだ。