富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陰暦二月廿四日

陰暦二月廿四日。気温摂氏6/17.1度。天気予報では午後遅く雨模様だつたが午前中からの雨。お昼にピザ。モスリムで日本ではハラールの食事が外食で六ッかしいなかドミノピザは1種類だけハラールのピザがあつて、それが彼らには重宝であるのださう。同じものを食べて飽きないのか?と思ふが世界的に見ると毎日同じ食材と味付けにならないやうに、なんてことが重視される日本のやうな食文化の方が珍奇なのだらう。

エプソン プリンター A4インクジェット複合機 カラリオ EP-884AW ホワイト(白)

雨降りのなか自動車で水戸駅ビルのビックカメラ。現有機引取つて貰ひ今年2月発売のEP-884AWを購入。陋宅でプリンタは家訓でEPSONとしており現有機種(PX-064A)そろ/\引退勧告。2013年の製品で母が使つてゐたがPCから何か頻繁に印刷といふ時代からiPadになつてゐて(年賀状も必要最低枚数をハガキ用プリンタでテキスト編集して直接印刷してゐるさう)それをお下がりで使はせてもらつてゐたが修理対応期限も一昨年迄で今回買換。普及型としては36千円は高い方かもしれないが居間に置くなら出来るかぎり地味な方がよい(この「気球」のサンプル画像は嵌め込みで実際は地味だしOFFにしてゐれば黒幕でしかない)。帰宅して早速セットアップしたらWi-Fiの網絡に上手くつながらず少し手間取る。

プリンターは2.4GHz帯での通信のみ対応しているためコンピューターやスマートデバイスを5GHz帯のSSIDに接続しているとプリンターと通信できないことがあります。

問題はこれで陋宅内の網絡は速度重視で5GHzの(a)にしてゐたが(それでプリンタも繋がつてゐたのだが)今回のプリンタで2.4GHzの(g)しか繋がぬことが原因(Epson「ネットワーク接続に問題がないのに機器が接続できない」)也。

葛兆光「よみがえる帝国の記憶」

中国が北方民族の国家の脅威に曝された宋の時代に「漢民族を中心とした国家」としての明確な意識が生まれ〈漢族=中華民族〉といふアイデンティティの基礎が作られた。そして非漢民族の元や清が広大な領土を有したことでモンゴル族チベット族イスラム教信仰の諸族などを含む「大きな中国」が形成された。これは面白い。

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佐伯啓思「ロシア的価値〉と侵略朝日新聞

冷戦終結によるソ連崩壊後のロシアにかつてのユーラシア主義ではないにせよ新たなユーラシア主義的雰囲気が醸成されても不思議ではなかろう。この雰囲気はヨーロッパとアメリカが主張する西洋的・普遍主義的価値観とは一線を画そうとする。ソ連の解体とともに改めてロシア、ベラルーシウクライナこそが一体の「ロシアの民族」であり「ロシア的価値」の中心である、という感覚が浮上する。
西洋とは一線を画するロシア的なものへのアイデンティティーを求める心情からすればウクライナのヨーロッパへの接近は一種の背信行為と見えよう。言い換えれば米国中心の西洋的秩序の中にあってはロシアは決して一級国家にはなれないという思いがありNATOの拡大は西洋的秩序の具体的な脅威と映るのであろう。
むろんこれがロシア人の平均的心情だというわけではなかろう。またプーチンウクライナ侵略は決して許容できるものではなく国際法にも人道にも反する暴挙である。だがこの暴挙の背後には西洋との内的な葛藤をはらみつつ社会主義による近代化を遂行し、しかもそれに挫折したロシアやウクライナの苦い歴史的事情が存在するのである。
むしろ真の問題は冷戦以降の世界をまとめるはずであった米国中心の西洋的価値や世界秩序構想の破綻にこそある。リベラルなデモクラシー、グローバルな市場競争、個人の基本的権利、主権国家体制、ユートピア的志向をもった歴史観、米国の覇権による世界秩序。こうした近代的価値がうまく機能しないのである。

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