富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陰暦正月初五

陰暦正月初五。気温摂氏▲3.1/7.5度。晴。県立図書館。市立図書館が週末は全面休館のなか県立は平常通りで受験シーズン、年度末も近く学習室は混雑。表千家の月刊『茶道雑誌』で村上湛君の連載(心ごころの花~能ものがたり十二ヶ月)で1月号「羽衣」と2月号「当麻」を読む。前者は天女と地面の人との関係ややりとりもよく知られた物語だが見方を変へると更に確かに面白い。異族との交換儀礼としての行為はつねに想定外の多様性が底にあるから。後者(当麻)については湛君と「ぜひに」と或る一案もあり。


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県立図書館近くの常陽銀行藝文センターで福地靖さん(1933~2019)の回顧展。前期と後期で昨日から開催の前期は福地さんの若かりしころ1950年代の「きちんとした作品」から抽象、前衛に至る60年代末までの作品でご自宅の倉庫に眠つてゐた作品をご遺族や関係者で整理しての公開になつた由。私は大変に好きな(鴨居玲とかもさうだが)暗いなかに強く訴へるものがある作風。地元新聞の『新いばらき』(1953~2003)に福地さんの絵が掲載されてゐたことなども懐かしいところ。

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母と東木倉の〈だぼう〉へ。人気店で土曜昼だし11時半の開店に合はせて出かけたが開店待ち客で1ラウンド目の卓が埋まつてしまひ30分ほど出かけて所用済ませて戻る。会社勤めだつたご主人が奥さまと始めたお蕎麦屋さんだがお嬢さんのご結婚でお相手もお店に入られてゆくゆくは若夫婦の切り盛りとなるのか実におめでたいこと。茨城は食べ物の生産に恵まれた土地だがとりわけ蕎麦は名産で嬉しいかぎり。珈琲好きの母が馴染みの珈琲専門店(マイルストーン)で一服。珈琲店に入るといふ習慣がアタシは本当になくなつてしまつた。今では何か作業あるときにスタバとかで済ますくらゐ。昔は珈琲飲みながら読書なんて、とても高尚な習慣もあつたが、あれはやはり珈琲とタバコといふ何とも絶妙な嗜好の時間があつたからなのだらう。タバコが吸へない/吸はないやうになつて珈琲屋は何だか珈琲だけでは落ち着かず近寄らなくなつてしまつたのかもしれない。それに須磨帆の普及でお人との待合せに喫茶店でといふこともなくなつた。

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赴中聯辦請願前 古思堯涉煽動被捕 - 明報 北京五輪開幕を前に「升棺發材賀冬奧」(棺桶を出して冬季五輪を祝福する)と表明してゐた民主活動家の古思堯を国安法で逮捕。事務所の外壁に国家転覆などの標語を貼りだしてゐたのが罪状なんだとか。国家の威信をかけた冬季五輪は成功させるべきで、それを邪魔するものは排除されなければいけない。香港で棺桶行列など些細なことだと思ふ勿れ。

f:id:fookpaktsuen:20220206112720j:plain議會內抗議 張超雄違特權法囚3周 主席台前喊「李慧琼越權」 官:干擾議會「文明倒退」 - 明報

一昨年、民主派がまだ香港立法会に議席あつた当時、張超雄議員が議長席前で議長の議会運営に抗議して「越権」と叫んだといふ「罪」で今更の有罪判決(禁固3週)。官方は議会進行妨害が「文明の倒退」といふが非文明的なのはいずれの権力か。