陰暦十一月初九。気温摂氏2.7/15.3度。快晴。朝、FM能楽堂で〈班女〉聴く。〈音楽の泉〉はフォーレのレクイエムだつたがテレビをつけたら(音は出ない)ウルトラセブン*1放映されてゐて音楽と映像がフィットしすぎてゐた。午前、県立図書館まで散歩。借本。表千家の月刊『茶道研究』で九月から畏友村上湛君の連載「心ごころの花~能ものがたり十二ヶ月」が掲載されており、その初回〈高砂〉から十二月号の〈猩々〉までを拝読。午後、水戸芸術館。ギャラリーで「佐藤雅晴多行」参観。
佐藤雅晴 尾行-存在の不在/不在の存在|現代美術ギャラリー|水戸芸術館
同氏はドイツで活動続け2010年に帰国して取手(茨城)に居住し制作活動続けてゐたが疾病で2019年に逝去。創作を続けながら45歳でのこと。ビデオやスチル写真で撮影した日常の風景の一部をトレースして数碼処理でアニメーション化する手法。現実と非現実の交錯。最期はもう映像処理はできなくなりキャンバスに向かつた絵画とコラージュの作品〈死神先生〉のほうが数碼作品よりもさらに象徴的で美しい。母がちょうどコンサートホールに来てゐて*2そのあと水戸郊外の金谷町にある築130年の古民家を利用したカフェ“Kaya”(HP)を訪れる。
この秋にオープンしたカフェで今月初めから家屋内にギャラリー(HP)もオープンで地元の画家による現代日本画展開催中。S氏の作品も出展してゐるからと見にきたらS氏来られてゐて珈琲をご一緒して昔語り。
本日香港国際競馬開催日。かつてはこれに友人たちが日本から集まり前夜祭から楽しい日々であつた。日本でもサイマルキャストで本日のG1の4レースは馬券も買へ日本からは12頭が出走。そのうちダノンスマッシュ、インディチャンプ、ラヴズオンリーユーが今日の香港で引退の由。香港の過剰な防疫措置で海外から遠征の騎手はロッカールームから同線まで全く別ルートで地元騎手や馬場関係者と接触せぬやうに。R4の香港ヴァース(芝2400m)は(英)パイルドライヴァー◎、(日)グローリーヴェイス○で11月の前哨戦で香港JCカップ優勝の地場のリライアブルチーム▲と予想。2019年に続きモレイラ騎手で◯が勝利。◎が2着で3着はスミヨン騎乗の(仏)エヴェイラ。ヴァースはやはり欧州馬は外してはいけない。続くR5の香港スプリント(芝1200m)は(日)ピクシーナイト◎、(日)レシステンシア○、11月前哨戦のスプリント優勝の(香)ラッキーパッチ▲と予想。第4コーナーで前方にゐた地元馬(アメージングスター)落馬で後続の(港)ラブーアタックと◯(福永祐一)と▲(バートン)も事故。レースは大きく乱れ地場の9番人気馬が優勝で○スミヨン騎手が2着。昨年の優勝馬ダンノスマッシュ(川田騎手)は事故を大外に回避して無事だつたが8着。これによりR7の香港マイル(芝1600m)は福永騎手病院搬送(左鎖骨骨折)でインディチャンプに騎乗できず(スミヨン代乗)。ワイクク▲もバートン騎乗できず。優勝は目下14連勝中のゴールデンシックスティ(ホー騎手)で敵なし。16連勝で通算19勝は1972年だつたか香港の職業競馬化以来の最多記録18勝(サイレントウィトネスとビューティーゼネレーション)を抜き史上最多に。(日)サリオス3着。今年の安田記念優勝のダンノキングリー◯は見せ場なし。 R8の香港カップ(芝2000m)は今春の香港QE II Cup優勝で前走はブリーダーズカップのフィリー&メアターフも制覇したラヴズオンリーユー(川田騎手)◎が有終の美を見事に飾る。(英)ドバイオナー○とチャドウィック騎手の(香)カーインスター▲は店話でモレイラ騎乗の(日)ヒシイグアス2着。香港スプリントは騎手も負傷で地元馬2頭は予後不良と見做され即、処分となつた事で後続の香港マイルと香港カップの表彰式では国家演奏等なく簡略に。本日のゴールデンシックスティの金字塔の記録に香港ジョッキークラブは香港の“CAN GO”精神そのものと讃美。やれ/\。少なくとも競馬賽事は国安下でも開催されてゐる。鄧小平が「馬照跑,舞照跳,五十年不変」と宣つた通り。競馬場で「香港加油」と叫んだりは意図的な政治的扇動として処罰対象で禁忌だが。今日の沙田競馬場からの中継を見てゐたら場内でやたら日本馬応援の横断幕など目立ち日本からファンの応援がない状況で考へると地元ファンの「日本加油」も一つの表現手段なのかもしれない。
写真(左)は15連勝で香港マイル制覇のゴールデンシックスティ。写真(右)は香港カップでラヴズオンリーユー(左)と2着のヒシイグアス。