富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陰暦十一月初八

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本日陰暦十一月初八。気温摂氏0.7/14.9度。快晴。T美術商にて掛け軸(行雲游水)の張り替へ済み受け取りにゆく。大工町の繁華街も夜、飲み屋に行燈はかゝつてゐるがコロナ禍の前のやうな賑はひにはほど遠い。

もう昔のやうな人出といふのはありえないのだらう。ハーゲンダッツセブンイレブン限定ださう秋の限定販売の「和栗のモンブラン“JAPONAIS”」いたゞいた。ハーゲンダッツは米国でポーランドユダヤ人だつたかの創業者でミルクが豊富なイメージで酪農の盛んな丹麥の語感で“Häagen”として“Dazs”はとくに意味がないさうだが和栗入りのモンブランでジャポネとは、もう何がなんだかわからない。

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香港で国安法で指名手配され逃亡中で英国に旅居の本土派・羅冠聡君が米国民主主義サミットに招かれ香港の国安ぶりの現状訴へたことから中共ばかりか香港市役所までが「暴徒の暴挙」に怒り心頭。孫文に始まり共産主義の革命家も皆、祖国を追はれ海外で中国革命の一歩を踏み出してゐるのだが。

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19日の立法会選挙は低い投票率と白票、棄票が見込まれるなか政府高官は街頭で投票呼びかけキャンペーンに駆り出され市役所は選挙投票日当日は香港内の全ての公共交通機関を乗車無料の決定。香港の各投票所なんてどこも家から徒歩圏内にありバスも地下鉄も使はないのだが。この運賃無料で皆な朝から郊外一日周遊に出てしまつて投票率はさらに下がりはしないか。林郑市長は「有説投票率低,反映政府交信力」とまで放言。「投票率が低いのは政府の公信力を反映」って、これ日本で自民党政府も使へるよね。

ケネス=パイル「日本の深い米国依存、どこから」朝日新聞

真珠湾攻撃から80年。戦争は日本でも対清、対露戦ではある程度戦つたところで有利不利の状況見ながら和平交渉になつて勝敗を決めてきたし日本も対米戦争は真珠湾を攻撃してみせ西太平洋で米国艦隊に大きな打撃見せることで米国に日本のやる気をみせ有利な状況で米国との終戦交渉に入る……そんなうまくゆくはずはない。こんなシナリオを真面目に描いてゐたのだから。それに対して米国は何うでたか、をこのバイル教授(華盛頓大学名誉教授)が、かう見てゐる。

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英思想家ジョン=スチュアート=ミル曰く「自決の獲得こそ国民の生命線である」。パイル教授曰く「民主主義は施しではなく困難な奮闘のすえに自得しなければならない」ものであり「リベラルな憲法を書くだけでは国家は民主化しない」。市民革命を経ず近代化した(つもりの)日本の最も大きな問題が、これ。ふむふむとこの主張を読んでゐたが

米国の覇権は弱まり「ルーズベルトが構想した世界秩序」は終わりつつある。そして中国の覇権主義的な台頭に伴ひ吉田ドクトリンのもとでは同床異夢だった日米同盟は「初めて共通の目標を持つようになつた」。「日米は自由な国際秩序を守るため更に緊密に力を合わせていく必要がある。日本はいま、国際影響力がより高まる時期に入りつゝあります。

には驚かされた。まるで産経新聞か読売新聞向きのご主張。