富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

完善選挙制度、落実愛国者治港


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完善選挙制度、落実愛国者治港。あまりのプロパガンダにクサる。これまでの香港での選挙が反体制によつてどれほど攪乱されてゐたか。直接選挙枠で民主派候補が善戦し建制派を破つたのも偏向したメディアの協力もあつて反体制派による間違つた投票誘導がなされたからである。それが今では是正され社会の安定が図られる中でやつと誠実な選挙が実施される。この選挙結果こそ香港の民意の表れ。さういふこと。この見方の中で香港の民意も反体制派によつて意図的に偏向したといふ点「だけ」は興味深い。香港大学の民意調査は鐘庭耀氏が仕切つてきたもので彼の名前が最初にクローズアップされたのは董建華が行政長官の支持率について調査中止させるやう香港大学に圧力をかけたといふ件で当時これが大問題となり香港大学ではこれに動いた副学長と学長が引責辞任する結果に。その後もこの民意調査は続いたが鐘氏が定年退職で港大を離れ、この調査は香港民研といふ独立組織に。だが誰の目にも鐘氏のこの調査が民主派寄りで一定の政治的方向性のもとで調査がされてゐることは明らか。本来の世論調査は不特定多数対象にされるべきだが民研の調査は登録してゐるとメールが一定の協力者に送られるわけで協力者の多数が民主派で反政府的である場合、当然それを反映した結果となる。ある面、体制派と同じ茶番といつても過言ではあるまい。今回も来月の立法会選挙について調査が開始されてゐるのだが、そこでの質問も投票にあたり「投票に行かない」の上に「白票」であるとか「その他」で「立候補DQされた民主派の名前を記入」といつた選択があれば、それは意図的に選挙制度の「完善」を妨害するもので愛国者による治港の実現を阻む行動なのだから国安法的に鐘氏の民意調査は反政府活動として取り締まられても当然ではないか?といふことになる。さうした見方が民意になることが期待されるわけだが、さうした民意形成もまた意図的であることは不問とされる。

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産婦人科で「おめでとう、生まれた子は変異株よ、この子はこれからしばらくの間、世界中を何の制限もなく世界中を旅することができるわ」と尊子の漫画(明報)。もう本当にこの疫禍はいつたい何なのかわからない。ただ少なくとも第3次世界大戦の代替として作用してゐることだけは確か。いずれにせよ何かの力が働いてゐる。これは神として神のお叱りと理解する気持ちがわからないわけではない。

病原体の側だけから疫病を考える視点を転換したほうがいいかもしれない。つまり「病原体と宿主の力の均衡点が動く」ということがありうるということだよ。宿主は単に病原体に軒先を貸して母屋を取られているわけではない。宿主細胞の中では絶えずものすごい速度で病原体が分解されている。これは免疫とは別の生命本来の分解作用だ。自分自身をも分解している。この作用が少し優るだけで病原体はもう増えることができなくなる。流行の進展とともに宿主の側の心がまえ・体がまえのほうが一斉に変化するということは十分ありうることだと思うよ。何事も“と”が大事なんだ。

福岡伸一「ドリトル的平衡」朝日新聞より抜粋。このドリトル先生の言辞を借りた福岡伸一先生からの言葉に、この狂つた時代で理知なるものを感じる。


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昼食に出かけたついでに水府のお城跡に散歩。水戸城はマツコデラックスが「水戸城は全国的に見ても城跡(本丸と二の丸)がすべて教育施設で占有といふ珍しい利用だけでも面白い」と指摘してゐたのは大したものだが城マニアには垂涎でも三の丸に藩校弘道館と本丸跡(水戸一高)に医薬門があるだけであつた。それが今では三の丸の旧県庁(現・県三の丸庁舎)から弘道館を経て二の丸に入れば水戸二中や茨大附属小、水戸三高は今では道路沿ひの塀や建物も白壁に瓦屋根風も見事なもので、そこに昨年、弘道館前から二の丸に渡れば大手門、付属小の崖に城壁をめぐらせ西南の角櫓まで再建。その角櫓に一度行つてみようとしたら古呂奈で通路から閉鎖中で今日そちらを参観。その角櫓から低地の水戸駅付近を見下ろせば急な崖で、この古代は岬だつた位置に自然の地形を上手に築城したものだと恐れ入るばかり。

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水戸城二の丸角櫓(左は内側から、右はオフィシャル鳥瞰)