富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陽暦十一月晦日

f:id:fookpaktsuen:20211201154527j:imageメジャースプーンは10gだから珈琲豆200gで20杯分のはずなのだけど、なぜか23杯分となる。いちいち「正」でマーキングするなよ、だが。1回に3スプーンでカップ2杯分の珈琲を淹れる。マーキングが20になつたらあと1度珈琲を淹れたら豆がなくなるので、そのぎりぎりで近くの、いつもの馴染みの珈琲やさんに豆を買いにゆく。結構頻繁に飲むので豆はお店で挽いてもらってしまふ。……こんなこといちいちルーティンにしてゐると、なんだか村上春樹の小説の主人公みたいで、いやだねw

 ミハイル=ゴルバチョフ「ペレストロイカと世界 人間の安全保障へ教訓」朝日新聞

勝利者意識は政治でのあしき助言者でありモラルを欠くものだ」とゴルビー先生卒寿でも矍鑠としたもの。

我々が改革の冒頭で掲げた目的すなわち定期的な政権交代、人々が決定過程に影響力を持つ確かなメカニズムの創設から私たちはまだ遠いところにいる。それでもこの数十年間は過去への回帰でも足踏みでもない。私はペレストロイカが具現化したものや価値を維持するよう求めてきた。これは、それがなければ道に迷ってしまう「道標」なのだ。ペレストロイカを理解し新思考を貫くこと。ソ連大統領を退任後、私はこれに従って行動してきた。
我々は冷戦に終止符を打った。米国の政治家は冷戦での共通の勝利を確認する代わりに自らの《冷戦での勝利》を表明した。当時その後の世界の流れを決めることになる失敗や急変が起きた。ここに新しい世界政治の基盤をぐらつかせた誤りや失敗の根がある。勝利者意識は政治でのあしき助言者でありモラルを欠くものだ。政治とモラルを結びつける志向は新思考の重要な原則のひとつである。今日、政治的意志の機能不全を克服するには倫理的なアプローチに基づくしかない。

ベルリンの壁崩壊でバーンスタインバイエルンなどで編成した楽団で1989年のクリスマスに〈第九〉を演奏。“Freude”を“Freiheit”と謳ふ。そしてソ連も東欧の共産主義も瓦解してフランシス=フクヤマは「歴史の終はり」と銘打つた新しい時代の到来となつたが自由主義は永遠の平和をもたらすどころか「冷静時代が平和だつた」と思へるほどの複雑な不安定な時代が到来してしまつた。もはや聖書の黙示録のやうな時代に思へてしまふのだから。

f:id:fookpaktsuen:20211201062350j:image